2021年05月31日

尽未来際と申したではないか 「青天を衝け」


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大河ドラマ好きの不肖スキップではありますが、「青天を衝け」はとても熱心に観ているというほどではなく、見逃す回も時折あります。
が、今回。


大河ドラマ 「青天を衝け」
第16回「恩人暗殺」
2021年5月30日(日) 8:00pm NHK総合



篤太夫こと栄一(吉沢亮)と従兄弟の成一郎(高良健吾)が平岡円四郎(堤真一)に命じられて一橋家の兵と家臣を募るべく関東に出向く中、京都では新選組による池田屋襲撃事件が起こり、攘夷派志士の怒りは、禁裏御守衛総督である一橋慶喜(草彅剛)と側近の円四郎に向かっていく・・・というストーリー。


堤真一さん演じるべらんめぇ口調で飄々とした平岡円四郎が大好きなのですが、今回のタイトルが「恩人暗殺」であることや、円四郎が志半ばにして暗殺されたことは逃れられない史実でもありますので覚悟はしていました。
それでも、思っていたより遥かに悲しくて切なくて涙ナミダ。

まず、慶喜と円四郎の穏やかなやり取りにヤラレます。

「あなたさまに惚れて惚れて女房にだってやっかまれたぐれぇなんですから」と慶喜に言う円四郎
「私は輝きが過ぎるのだ。でも本来そんなものはない」と慶喜が言えば、
「いやぁ、おかしい。他の誰にも言えない色男のような台詞でございます」と円四郎

「殿は東照大権現様の生まれ変わり。
 殿のつくられる新しい世を心待ちにしているのでございます」と言う円四郎に
「似ておらぬ。ただ、権現様に恥ずかしくない世にせねばとはようやく思う」
と慶喜が応じると
「その心意気でございましょう。この平岡円四郎が尽未来際 どこまでもお供仕ります」
と慶喜の前に正座し手をつき平伏する円四郎
その姿を見てふっと表情をやわらげ
「まったく、そなたにはかなわぬ」と笑顔を見せる慶喜

二人の信頼関係がとても愛おしい。
そういえば2回前くらいに、慶喜が平四郎と出会った頃を回顧するシーンで、慶喜のお膳の世話をする円四郎がお椀からはみ出るくらいギュウギュウにごはんをよそってたの、おかしかったな。
この笑顔の後にどれほどの哀しみが待ち受けているかと思うと、ここですでに涙ナミダ。


命の灯が消えようとしているその刹那
「俺ぁ まだ死ねるか・・・まだ見てぇもんが山ほど・・・死にたくねぇなぁ」
血まみれの右手を天にのばし
「殿 あなたはまだこれから・・・やす・・・」
慶喜と妻、愛する二人に思いを残して息絶える円四郎。

激しい雨に濡れるのをもろともせず、運ばれてきた円四郎の亡骸に
「円四郎よ 尽未来際と 申したではないか」
「尽未来際ともに・・・どうして どうして」
と慟哭する慶喜。


堤真一さんはもちろん、草彅剛さんの名演技もあって、もう号泣です。
昨日は宝塚大劇場で月組「桜嵐記」を観て散々泣いて、帰宅してこの番組の録画を観てまた号泣するという・・・なんていう日だ。
桜田門外の変の前の井伊直弼(岸谷五朗)と徳川家茂(磯村勇斗)にも同様の場面がありましたが、切なさはその比ではなかったです。


歴史上の事象はその一辺だけを見て語るべきではないことは重々承知していますが、やはり「暗殺」という方法で理不尽に命を奪われるのは辛く憤りも感じます。


ちなみに、平四郎が口にした「尽未来際」(じんみらいさい)という言葉
流れから、未来永劫という意味だということはわかるのですが、そういう言い回しもあるんだと思って調べたところ
未来の辺際をつくすという意の仏語で、未来永遠 永遠の未来 未来永劫 また、副詞的に用いて「永久に」の意を表わすのだとか。
夏目漱石の「吾輩は猫である」にも、浄瑠璃の「平家女護島」にも出てくるということですが、どちらも読んだり観たり聴いたりしているのに残っていない私ってば。



来週から円四郎が出ないと思うと・・・早くも円四郎ロス の地獄度 (total 2255 vs 2256 )


posted by スキップ at 22:27| Comment(2) | TV | 更新情報をチェックする