
2017年に初演された作品。
あの時は世田谷パブリックシアターのみの公演で、チケットを手に入れて観ることができたものの、どうしてもその日に帰阪しなければならいのに上演時間が長くて最終の新幹線に間に合わず、私の3回しかない夜行バス乗車体験の中の1回という思い出の作品(^^ゞ
演出を凝縮し、出演者も31人から17人に減員し、上演時間を短くしての再演です。
「子午線の祀り」
作: 木下順二
演出: 野村萬斎
音楽: 武満徹
美術: 松井るみ 照明: 服部基 北澤真 衣裳: 半田悦子
出演: 野村萬斎 成河 村田雄浩 若村麻由美
河原崎國太郎 吉見一豊 星智也 ほか
2021年3月14日(日) 1:00pm 兵庫県立芸術文化センター
阪急中ホール 1階C列下手
(上演時間 3時間10分/休憩 20分)
概要・あらすじは2017年観劇時の感想(こちら)で
「平家物語」に題材をとった木下順二さんの叙事詩劇。
月の引力による潮目の変化が源平の勝敗を決したことから構想された作品で、平知盛を主人公に源義経を対照させて、一ノ谷の戦いで源氏に敗れた平家が屋島を経て壇ノ浦で滅亡するまでの葛藤を、天の視点から壮大なスケールで描いた作品です。
その月の引力こそが天の采配であり、知盛の運命も義経の存在も、さらにはこれから先義経が辿ることになる悲劇も、この天の采配に導かれたものであることが感じられます。

ロビーのモニターに映った開演前の舞台。
劇場内はもちろん撮影禁止ですがこれはOKということでしたので。
初演とは舞台美術もずいぶん変わった印象でした。
冒頭の役者さんたちが客席通路を行く演出はこの状況下なのでもちろんなくて、舞台上に三々五々登場します。
「晴れた夜空を見上げると、無数の星々を散りばめた真っ暗な天球が、あなたを中心にドームのように広がっている・・・」というナレーションもそのままに始まる物語。
短くなった部分がどこ?と思うくらい、完成度が高く研ぎ澄まされた濃密な舞台でした。
続きがあります