
2018年に宝塚歌劇花組で上演された作品。
あの時、「宝塚でエドガー役やれるのはみりお(明日海りお)以外にいない」と思ったものですが、外部でもエドガー役ができるのはやっぱりみりおだけだった訳で(笑)。
ミュージカル・ゴシック 「ポーの一族」
原作: 萩尾望都
脚本・演出: 小池修一郎(宝塚歌劇団)
作曲・編曲: 太田健(宝塚歌劇団)
美術: 松井るみ
衣裳: 生澤美子
振付: 桜木涼介 KAORIalive 新海絵理子
出演: 明日海りお 千葉雄大 小西遼生 中村橋之助 夢咲ねね
綺咲愛里 能條愛未 純矢ちとせ 福井晶一 涼風真世 ほか
2021年1月20日(水) 12:00pm 梅田芸術劇場メインホール 1階9列(6列目)上手
(上演時間: 2時間50分/休憩 25分)
2018年宝塚歌劇版の感想はこちら
物語: イギリスの片田舎―森の奥に捨てられた幼い兄妹エドガー(明日海りお)とメリーベル(綺咲愛里)は、館に住む老ハンナ(涼風真世)に拾われ育てられます。老ハンナたちは、永遠の時を生きる「バンパネラ」の一族でした。正体を見破った村人たちが屋敷を襲い老ハンナは消滅、一族にも危機が迫る中、メリーベルを巻き添えにしないことと引き換えにキング・ポー(福井晶一)によってエドガーはバンパネラにされ一族に加えられてしまいます。
こうしてエドガーはポーツネル男爵(小西遼生)とその妻シーラ(夢咲ねね)を養父母として長い時を生きることとなり、やがてメリーベルも自らの意志で一族に加わります。時は流れ、港町ブラックプールのホテルに姿を現した4人。男爵とシーラは、診療所の医師 ジャン・クリフォード(中村橋之助)を一族に引き入れようと目論み、エドガーは町一番の名家 トワイライト家の跡取りアラン(千葉雄大)と宿命的に出会います・・・。
ストーリー展開は基本的に宝塚版と同じ。
1964年にフランクフルト空港に降り立った3人のバンパネラ研究家がストーリーテラーの役割を果たして物語は進みます。
3人が辿るバンパネラの足跡・・・物語の舞台は1754年スコッティ村と1879年 イギリスの港町 ブラックプール。
プログラムを買っていませんのではっきりとわかりませんが、♪我らは 一族~ ポーの一族~ という主題歌や、エドガーの歌う「哀しみのバンパネラ」など、楽曲もそのまま使われているようでした。
明日海さんをはじめ、夢咲ねねさん、綺咲愛里さん、純矢ちとせさん、そして涼風真世さんと、宝塚OGがキャストに名を連ねていますが、当然ながら男性の役は男優さんが演じている訳で、ファンタジーな雰囲気は希薄になった分、現実味がより増していて、その結果、エドガー筆頭に人ならざるもの-バンパネラ-と生身の人間との対比が一層色濃く浮かび上がった印象です。
そのため、永遠に生き続けなければならない宿命を背負ったエドガーの孤独感、切なさがよりひしひしと感じられました。
人に生まれて 人ではなくなり
幸せの残り香も忘れた
哀しみを抱いて生きる
僕はバンパネラ
というエドガーの絶唱が胸に突き刺さります。
続きがあります