
あまりに好きすぎて書きたいことがあふれて、昨年観た舞台の中で唯一年内に感想を書き終えられなかった作品。
初日と千秋楽含めて6回観劇は昨年の最多リピートです。
1997年に公開されたアニメ映画「アナスタシア」に着想を得て2017年にブロードウェイで初演されたれたミュージカル。
ロシア革命で処刑されたロマノフ王朝の末娘アナスタシアが生きていたという「アナスタシア伝説」にもとづいたロマンティックな物語とすばらしい楽曲の数々・・・ブロードウェイミュージカルと宝塚歌劇の底力を改めて知った思い。
大劇場公演中にタイトルロールで絶対的ヒロインの星風まどかさんが専科異動という衝撃の人事が発表され、「え~っ!これが宙組のまどかちゃん最後なのっ?!まかまど見納めなの~っ!!」という意味でも忘れられない作品となりました。
1月8日から東京公演が開幕しますが、可能ならばたくさんの方に観ていただきたい作品です。
宝塚歌劇 宙組公演 三井住友カード ミュージカル
「アナスタシア」
ANASTASIA THE MUSICAL
脚本:TERRENCE McNALLY
音楽:STEPHEN FLAHERTY
作詞:LYNN AHRENS
潤色・演出: 稲葉太地
音楽監督・編曲: 太田健
編曲: 高橋恵
振付: 御織ゆみ乃 若央りさ 平澤智 百花沙里 三井聡
装置: 國包洋子 衣装: 河底美由紀 映像: 石田肇
出演: 真風涼帆 星風まどか 芹香斗亜 寿つかさ 美風舞良
凛城きら 桜木みなと 和希そら 紫藤りゅう 留依蒔世
遥羽らら 瑠風輝 優希しおん 天彩峰里 潤花 亜音有星 ほか
2020年11月7日(土) 1:00pm 宝塚大劇場 1階29列下手/
11月8日(日) 3:30pm 1階3列センター/11月15日(日) 11:00am 1階16列センター/
11月24日(火) 1:00pm 1階13列下手/12月4日(金) 1:00pm 1階15列センター/
12月14日(月) 1:00pm 1階11列上手
(上演時間: 3時間5分/休憩 35分)
物語の舞台は20世紀初頭のロシア。
1906年 サンクトペテルブルクの王宮でロシア帝国皇帝ニコライ二世(瑠風輝)の末娘アナスタシア(天彩峰里)がパリへ旅立とうとしている祖母 マリア皇太后(寿つかさ)からオルゴールを贈られる場面から始まって、1917年 美しく成長したアナスタシア(星風まどか)と両親、姉たちが舞踏会で踊る中、突然、銃声が響いてボリシェヴィキたちが乱入してくるロシア革命へと続きます。
そして、10年後。サンクトペテルブルクがレニングラードと名前を変えた1927年。
悪事に手を染めながら革命後の混乱を生き延びてきた詐欺師のディミトリ(真風涼帆)は、ボルシェビキの追跡から元貴族ヴラド(桜木みなと)を助け、ともに行動するようになります。皇族の末娘アナスタシアが生きていて、見つけたものにはマリア皇太后から莫大な報奨金が出るという噂にディミトリたちもアナスタシアに似た人物を探し出し報奨金を騙し取ろうと計画・・・そこへ過去の記憶を失ったアーニャ(星風まどか)がやって来ます。「パリで誰かが私を待っている。パリに行くための出国許可証が必要」というアーニャをディミトリたちはアナスタシアに仕立てようと考え・・・。
プロセニアムに縁どられた舞台。
本のページをめくるように物語が進んで、ラストは本が閉じられて fin. の文字。
この物語が本の中の世界、ファンタジーであることを感じさせてくれます。
ふんだんに使われている映像は、「そうそう、舞台で映像使うならこうでなくちゃ」という効果的な使い方。
ほぼ歌いっ放し。いずれも名曲揃いの楽曲に応える宙組生たちのソロもコーラスも歌唱のすばらしさ。
美しい衣装と適役好演。
すべてがピタリとハマって、とてもクオリティの高い舞台を見せていただきました。
唯一残念だったのは、宝塚歌劇の作品としては主要キャスト以外の役が少なかったことかな。
あれもこれもと書いていたらとりとめなくなってしまいましたので、せっかく素敵なナンバーの数々に彩られていることもあり、プログラムに掲載されている Musical List の曲順に楽曲と場面の感想などを綴りたいと思います。

続きがあります