2018年12月27日

この世はまるでサーカス 「音楽劇 道」


image1 (16).jpg早熟な映画少女だった高校生のころ、トリュフォーとかゴダールとか、小難しい映画ばかり背伸びして観ていた時期がありました。
フェデリコ・フェリーニ監督の「道」もそんなころに観た映画のひとう。
この映画に描かれる世界観には到底理解が及ばず、ニーノ・ロータ作曲の美しくも哀切なメロディと、ジェルソミーナ役の女優さんの無垢だけどどこか哀しげな瞳だけが印象に残っていました。

あの映画を舞台で?それも音楽劇ってどういう感じになるのかしらと興味シンシン。
しかも演出はデヴィッド・ルヴォーってめちゃ気になるやん!ということで。


音楽劇  道 La Strada
原作: フェデリコ・フェリーニ『道』より
脚本: ゲイブ・マッキンリー
演出: デヴィッド・ルヴォー
音楽:江草啓太
出演: 草彅 剛  蒔田彩珠  海宝直人  佐藤流司  
春海四方   フィリップ・エマール ほか
2018年12月22日(土) 1:00pm 日生劇場 オンステージシート 1列
(上演時間: 1時間40分)



物語: 旅芸人のザンパノ(草彅 剛)は貧しい家のジェルソミーナ(蒔田彩珠)を買い、助手にして一緒に旅に出ます。サーカス一座に参加した二人はそこで自由奔放な綱渡り芸人イル・マット(海宝直人)と出会います。イル・マットは希望を失ったジェルソミーナに、芸を教え、助言をくれる特別な存在でしたがザンパノとは犬猿の仲。ついにはナイフを向けての喧嘩となりザンパノは刑務所へ、イル・マットは一座を追放されます。一座の仲間やイル・マットから引きとめられたジエルソミーナでしたが、結局ザンパノを待ち、再び共に旅を続けることを選びます。
道中偶然再会したイル・マットをザンパノは殴り殺してしまい、その場にいたジェルソミーナはショックのあまり「道化がけがをした」と繰り返し助手として使い物にならなって、ザンパノはジェルソミーナを置き去りにしてしまいます。
数年後、ザンパノは海辺の町でジェルソミーナが死んだと聞かされ、一人海岸の砂浜に伏して号泣するのでした。


舞台の真中に大きなサークルがあって、帽子や小道具などがいくつか置いてあります。
すべてのドラマがこのサークルの中で繰り広げられます。時には登場人物がそこに座ったりもして。
舞台奥に階段状の客席(オンステージシート)があり、客席側から見たら多分サーカスの観客のように映ったのではないかしら・・・そう、舞台全体がサーカスのテント小屋のような雰囲気。出演者の衣装やメイクも含めて、どこか寓話的で幻想的な空気が漂う舞台でした。

ザンパノ、ジェルソミーナ、イル・マット、そして狂言回し的なモリール(佐藤流司)以外はサーカス団員を演じる役者さんたちが何役も兼ねていてコロス的な役割も担い、歌も歌います。舞台上手下手でバンドの生演奏。
物語の最初と最後にも登場するクラウン(ピエロ)はジェルソミーナにだけ見える存在なのだとか。
抽象的な表現もあるのですが、全体として映画「道」のストーリーをかなり忠実に舞台化した印象。


続きがあります
posted by スキップ at 23:10| Comment(0) | 演劇・ミュージカル | 更新情報をチェックする