2018年12月01日

死にゆく鳥が綺麗な声で歌うように  「修道女たち」


shudojo.jpgケラリーノ・サンドロヴィッチさんが劇団ナイロン100℃とは別に活動しているプロデュースユニットKERA・MAPの第8弾。

「宗教とは無縁な私が聖職者の物語を描きたいと欲するのは何故だろう」とフライヤーに記されたとおり、神を信じ、信仰の中で祈りながら生活を送る修道女たちとそれを取り巻く人々を描く群像劇です。


KERA・MAP#008 「修道女たち」
作・演出: ケラリーノ・サンドロヴィッチ
音楽: 坂本弘道  美術: BOKETA
出演: 鈴木杏  緒川たまき  鈴木浩介 伊勢志摩  
伊藤梨沙子  松永玲子  みのすけ  犬山イヌコ  高橋ひとみ

2018年11月24日(土)12:30pm 兵庫県立芸術文化センター 
阪急中ホール A列センター
(上演時間: 約3時間15分/休憩 15分)



6人の修道女たちが横一列に並んで祈りの歌を歌うところから物語は始まります。
修道女たちは、奇跡を起こした殉教者の聖地とされる山荘へ巡礼の旅に出る準備をしています。彼女たちの会話から、この1年の間に43人の仲間が毒殺されたこと、6人のうち2人は多額の寄付をして修道女になった母と娘であること、この修道院の運営が困窮していることなどが明らかになります。山荘に着いてからも、国王がこの宗教を邪教として弾圧したことから村人は門戸を閉ざし、彼女たちを取り巻く状況の厳しさが伝わってきます。山荘で彼女たちを迎えたのは村の娘 オーネジー(鈴木杏)と彼女に思いを寄せる帰還兵テオ(鈴木浩介)。オーネジーは修道女の一人 シスター・ニンニ(緒川たまき)が大好きで彼女に会えるのを心待ちにしていました・・・。


出発前の修道院に亡くなった修道女の兄が妹の墓参に訪れたものの、別のシスターのお墓に参っていたり
そのシスターが亡霊となって山荘に現れ、シスター・アニドーラ(松永玲子)と恋愛関係だったことが発覚したり
大やけどを負ったシスター・ダルの顔が元通りに戻ったり
オーネジーが小屋番のドルフ(みのすけ)を殺したり(→実は死んでおらず、テオが殺す→も死んでいない)
テオが戦地で噛まれた虫がもとで身体が木になっていったり

・・・と様々な事象が起こりますが、この芝居の白眉は、修道女たちが村人から差し入れられた葡萄酒を飲む場面。


続きがあります
posted by スキップ at 22:49| Comment(0) | 演劇・ミュージカル | 更新情報をチェックする