
二か月連続興行となった今年の南座顔見世。
今年1月から始まった高麗屋襲名披露興行の掉尾を飾る興行でもありますが、そればかりではなく、昼夜ともに充実の演目が並んで、本当に贅沢な時間を過ごしました。
南座発祥四百年 南座新開場記念
京の年中行事 當る亥歳 吉例顔見世興行 東西合同歌舞伎 夜の部
二代目 松本白鸚
十代目 松本幸四郎
八代目 市川染五郎 襲名披露
2018年11月7日(水) 4:30pm 南座 1階4列下手/
11月25日(日) 1階8列センター
第一、寿曽我対面
出演: 片岡仁左衛門 片岡孝太郎 片岡愛之助
上村吉弥 中村壱太郎 片岡秀太郎 ほか
(上演時間: 45分)
おめでたい興行の幕開きの定番の一つ「寿曽我対面」ですが、仁左衛門さんの工藤祐経、五郎十郎は愛之助さえんと孝太郎さん、秀太郎さんの舞鶴、吉弥さんの大磯の虎、壱太郎さんの化粧坂と、ここまで上方役者が揃った「曽我対面」も珍しいのではないかしら。終盤、友切丸持ってやってくる鬼王新左衛門は進之介さんだったし(←1年に1回くらいしかお見かけしないけれど他の時は何やってるんだろう)。
仁左衛門さんの工藤はさすがの貫禄で存在感たっぷり。
やっぱり工藤がどーんと構えていないとこの絵面は成立しませんので、華のある座頭の役だと思いました。
それにしても仁左衛門さん、十月歌舞伎座では五郎(助六)で、やんちゃ力発揮して「股くぐれ~」とかおっしゃっていましたよね(笑)。
愛之助さんは昼の「鈴ヶ森」に続いて「やればできる子」発動。
隈取もキマッて血気盛んな五郎を力演でした。
吉弥さんの大磯の虎がとても綺麗で、最初、壱太郎くん化粧坂少将と奥に並んで座っている時、「あのべっぴんさんは誰?」とオペラグラスでガン見してしまいました。吉弥さん、このごろは老け役されることも多いですが、冴えわたる美貌は衰えを知りません。
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