
髑髏城には8回も登城したのに、鋼鉄城へは7月23日の開城から2ヵ月遅れて初めての登城です。
ONWARD presents
SHINKANSEN ☆RS 「メタル マクベス」 disc 2
作: 宮藤官九郎
(W. シェイクスピア 「マクベス」 松岡和子翻訳版より)
演出: いのうえひでのり
音楽: 岡崎司
振付&ステージング: 川崎悦子
美術: 堀尾幸男 照明: 原田保
衣装: 伊賀大介 中野幸子 映像: 上田大樹
出演: 尾上松也 大原櫻子 原嘉孝 浅利陽介 高田聖子 河野まさと
村木よし子 木場勝己 逆木圭一朗 市川しんぺー 徳永ゆうき 岡本健一 ほか
2018年9月20日(木) 12:30 IHIステージアラウンド東京 7列下手
(上演時間: 3時間55分/休憩 20分)
「メタル マクベス」の初演は2006年。
宮藤官九郎さんが初めて劇団☆新感線に脚本を書いた作品です。
「シェイクスピアの『マクベス』」の世界観は変えず、2206年の退廃した近未来と、空前のバンドブームに沸いた1980年代の日本を二重構造に置き換え、役名もギターのメーカー名からヒントを得たというロックテイストあふれる大胆な脚本」 というのが当時の謳い文句。
シェイクスピア好きとしては、「うわぁ、マクベスってこんな風にできるんだ」と驚き、クドカンワールド全開しつつ、しっかりマクベス、がっつり新感線な舞台に、「クドカン、天才!」と感嘆したものです(感想はこちら)。
今回は、未来が「世界が崩壊した後の2218年の豊洲」に置き換えられていましたが、ここと80年代バンドブーム期という二つの世界を行き来しながら、「マクベス」の世界感を表現するという骨子はそのまま。
長いし、ここいらないんじゃない?と思うギャグ場面も散見されますが、「やっぱりよくできてるな~」というのが私の第一印象です。
独特のクドカンワールドの好き嫌いはもちろんのこと、シェイクスピアの「マクベス」を知らない人にこの作品の面白さがどれくらい伝わるのか量りかねるところではありますが-実際、グレコの「帝王切開で生まれた」のくだりで、笑い声や「そんなオチ~?」という声も聞こえましたので、「マクベス」読んだことない人多いのではないかな。でもそれはそれで何も先入観持たずに観られて楽しそう-異なる二つ時代、設定の中で形は違えど二組のカップルの栄光と転落がデュアルに描き出されることで、ランダムスター(マクベス)夫妻の悲劇がより色濃く浮かび上がり、二人が手に入れようとした王国が脆くも崩れ去っていく切なさが痛いくらいに感じられました。
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