2015年11月17日

もうひとつの世界 もう一人の自分 「ブロッケンの妖怪」

brokken.jpg生瀬勝久さんが学生時代から憧れていた竹中直人さんに声をかけて始まったという「竹生企画」。
2011年の第1弾 「ヴィラ・グランデ 青山~返り討ちの日曜日~」は観ていなくて、今回初見です。
霧と虹の上に実在のものがもう一つ現れたように見える「ブロッケン現象」がモチーフとなった作品。


「ブロッケンの妖怪」
作・演出: 倉持裕
出演: 竹中直人  生瀬勝久  佐々木希  大貫勇輔  
安藤聖  田口浩正  高橋恵子

2015年11月7日(土) 5:00pm サンケイホールブリーゼ 
1階C列センター


ストーリー: 絵本作家の打越(竹中直人)と担当編集者の黒柳(生瀬勝久)、打越の浮気性を心配する恋人の桃(安藤聖)の3人が、行き詰った打越の創作意欲をインスパイアするために「ブロッケン現象」が見えるという孤島にやってきます。
彼らが滞在する洋館には、女主人の日ノ原虹子(高橋惠子)、娘の小真代(佐々木希)、使用人の稲井(大貫勇輔)、そして屋敷の船乗り・泊(田口浩正)などがいました。彼女たちは何か秘密を隠し、打越たちを早く帰らせたがっているように思えました。そんなある日の嵐の夜・・・。


「ホラーコメディ」ということですが、ホラーではなかったな(笑)。
ちょっぴりミステリーテイストのコメディという感じ。

休憩なしの1時間50分。
前半は人物紹介という感じで次々登場人物が出てきますが、ケラケラ笑いながらも比較的静かに進んでいきます。
それがあの嵐の夜、一気に物語が展開。

雷光の中に浮かび上がる洋館の姿がどんどん大きくなって近づいてくる様は観ているこちらまでゾクゾクしました。
その謎が解明されて、前半何となく不自然に思えたりちょっとひっかかったりした洋館の住人たちの行動などすべての伏線が綺麗に回収されるあたり、さすがに倉持さん、うまいです。ブロッケン現象を「建物」ばかりでなく、そこに住む人たちもそっくりコピーしたところがミソで、ここからは二役(同じ人物なのではあるけれども)演じ分ける役者さんの腕の見せどころ。
高橋恵子さん、安藤聖さん以外はすべて表とウラの二人の人物を演じ分けるので、一粒で二度おいしい的な舞台。

その演じ分けが一番鮮やかだったのは稲井の大貫勇輔さん。
オリジナルの世界では、まるでホテルのベルボーイのように礼儀正しく端正で従順な使用人。
ところがもう一方の世界(仮にウラとします)では黒シャツに黒パンツ、今やこの屋敷の主となったブラック稲井。
凶暴で言葉遣いもまったく違う・・・このギャップは萌えましたね。
大貫くん、得意のダンスを封印しても(ちょっぴり踊るシーンあったけど)、役者さんとして舞台に存在していました。

生瀬勝久さんの黒柳も表とウラではかなりキャラクター変わっていましたが、どちらも既視感ある生瀬さん(笑)。
私は断然ウラ黒柳が好みです。
ツンツンに立てた髪、パンクTシャツ革ジャケット、細身の黒パンツの腰にはチェーン。
楽しそうにハジけていました。
最後のどんでん返ーし!には笑っちゃいましたが。

一方の竹中直人さんの打越は、表もウラも、見た目も雰囲気も話し方も大きな差はありません。
話す内容とちょっとした仕草や行動で別の人物と感じさせなければならない分、より高度な演技力が要求されるところだと思いますが、さすがでした。
どんなに勝手でわがままで女好きでも、愛嬌たっぷりで可愛らしさを失わないところ、芸術家の閃きを感じさせるところもさすがでございました。
私の席の横の通路が“沼”で(笑)、そこにハマって足をとられていらっしゃいました。


あの霧の向こうに現れる「もうひとつの世界」とそこにいる人々は、
こちらの住人の心がつくり出したものなのか
そしてそれは何がそうさせたのか
日ノ原夫人が言っていた「向こうの人と対話する」はどんな状況なのか
いろいろギモンも残り、それに対する答えは提示されません。
が、ま、楽しかったからいいか、な舞台。


でも、欲を言えば、せっかく竹中さんと生瀬さんの共演なのですから、二人が丁々発止とやり合う演技を観てみたかったな の地獄度 ふらふら (total 1469 わーい(嬉しい顔) vs 1470 ふらふら)
posted by スキップ at 23:18
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