2015年08月05日

ここから始まる あべの歌舞伎 「晴の会」


soranokai.jpg片岡松十郎、片岡千壽、片岡千次郎・・・ともに上方歌舞伎塾の第一期生で、松嶋屋門下として上方歌舞伎ではお馴染み、実力も折り紙つきの三人による「晴の会」。
上方歌舞伎を応援する者として、花形狂言の第二部を不本意ながら諦めてでも観たかった舞台です。
しかも会場は、三面客席の近鉄アート館!

舞踊三題と上方落語をベースにした新作歌舞伎という二幕。
三人とこの公演を支える人たちの熱意が感じられるとてもよい舞台でした。


あべの歌舞伎 「晴(そら)の会」
監修: 片岡秀太郎
演出・振付: 山村友五郎

2015年8月1日(土) 4:00pm 近鉄アート館 B3列センター



一、舞踊   
   長唄 浦島
   片岡千次郎

   地唄 たぬき
   女狸: 片岡千壽/宮守: 片岡松十郎

   長唄 橋弁慶
  弁慶: 片岡松十郎/牛若丸: 片岡千次郎



いずれもこれまで何度か観たことがある舞踊ですが、3人の個性にそれぞれの役がとてもよく合っていて、踊りが三題続いても観ていて飽きないし楽しかったです。
三人とも踊りはしっかり。
「たぬき」の千壽さんの女狸が色っぽくて可愛くて、後ろの列に座っていらした方が、「女性?女性なの?」とおっしゃっていたのが印象的でした。
「橋弁慶」の松十郎さんの弁慶も凛々しくて立派だったな。


二、 上方落語 「宿屋仇」より
  新作歌舞伎 浮世咄一夜仇討 (うきよばなしひとよのあだうち)
   作: 城井十風
  万事世話九郎: 片岡松十郎/紀州屋女中: 片岡千壽 /客 源兵衛: 片岡千次郎



これ、とてもおもしろかったです。傑作ムード

まず、脚本が本当によくできていたと思います。
もとになった落語の「宿屋仇」を知らないのですが、脚本を書かれた城井十風さんは落語家の桂吉坊さんのペンネーム。
吉坊さんといえば、先日「中之島文楽」のトークの司会をされていた方で、歌舞伎や古典芸能にも造詣が深いとあって、あちこちに歌舞伎の名場面や台詞が出てきたり、劇中劇仕立てでガラリのムードが変わったり。
源兵衛さんが「ごじゅう~りょう~」と言った時には大笑いしてしまいました。

それから演出。
一枚の衝立を3面使って、宿屋の外と二つの部屋になるのがシンプルなのだけどとてもよく出来ていて、しかもそれを折りたたんだり広げたりするのが女中 いさきの千壽さんで、結構重そうな衝立を操るの大変そうでまた笑いを誘います。
アート館の三面客席ならではの演出で、上手下手の客席通路に世話九郎と源兵衛がそれぞれ立って言い合ったり。
観客に道を尋ねたり、客席も一緒になって手拍子したり。
心憎いばかりでした。

もちろん役者さんも。
武士と町人と宿屋の女中。
凛々しく見栄え良く、だけど少し融通がきかない松十郎さんの万事世話九郎。
洒脱で調子よくて、いかにも町人な千次郎さん源兵衛。
働きもので世慣れていて客あしらいもお手のものの千壽さんいさき。
それぞれの役が3人の個性にピタリとハマっていて、楽しいったらありゃしない。
劇中劇で全くタイプの違う女性を演じた千壽さんの色っぽいこと。綺麗な海老反りも見せてくれました。

そうそう、千壽さんといえば、プログラムのプロフィール欄の当たり役に「大當り伏見の富くじ」の小春が・・・犬犬ですけど。
あれ、ほんっと可愛かったなぁ。


出演の3人ばかりでなく、後見を務めた祐次郎さん、りき彌さんの見事なサポートも見逃せません。
開演前と終演後のロビーでは秀太郎さんがずっと立ってらして皆さまにご挨拶。

ひたむきに頑張る3人を、みんなで盛り立ようという温かさが感じられた公演。
観終わってとても幸せな気分になれました。


IMG_0465.jpg

ロビーにはたくさんの祝花が届けられていて華やかでした。
プレイベントとして子どもたち向けのワークショップがあったり、初日には鏡開きをされたり。
上方歌舞伎関係者の期待の大きさも伺われました。



「晴の会」これが最初の一歩。ぜひ二回、三回と末永く続きますように のごくらく度 わーい(嬉しい顔) (total 1413 わーい(嬉しい顔) vs 1413 ふらふら)


posted by スキップ at 22:58
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