2015年07月18日

白鳥が繋ぐ物語 「ス・ワ・ン」

swan.jpg篠井英介さん・深沢敦さん・大谷亮介さんのプロデュースユニット「3軒茶屋婦人会」。
三人芝居と女形にこだわった作品を上演し続けて今年で12周年なのだそうです。

ずっと観たいと思っていたのですが、なかなか予定が合わなかったり諸事情で観に行けず、今回が初見。
やっと会えたよ、3人に。


3軒茶屋婦人会6 「ス・ワ・ン」
作・演出: G2  3軒茶屋婦人会
出演: 篠井英介  深沢敦  大谷亮介
演奏: YUHKI  川本悠自

2015年7月18日(土) 2:00pm 近鉄アート館 D3列センター


異なる時代と場所に生きる3人の女性がおりなす時空を超えた3つの物語のオムニバス。
その3つの物語を繋ぐのは、スワン。

1614年 フィリピン ルソン島。
徳川幕府の禁教令によって迫害されルソン島に流された高山右近の妻と娘、そこに訪ねてくる小西行長の娘を描いた「ルソンの壺」

2011年 中国 深圳。
iPhone工場でラインの監督だった婚約者の自殺の真相を探ろうと工場で働く女が2人の同僚に聞き込みをする「広東の林檎」

1956年 日本 赤坂。
キャバレー ラテンクォーターで働く3人のホステスがコーラストリオを組もうと夢見る「炎のスワン・シスターズ」

笑いもまぶしてありますが、物語はいずれもシリアスで結末はほろ苦い。
登場する女たちはいろんな状況に翻弄され、ギリギリ崖っぷちのところでもがきながら必死に生きています。

それでも敬虔なキリシタンのはずが「夫とともにパライソに行きたかっただけ」と信仰の理由を語り、「父上が亡くなったら日本に帰りましょう」と微笑み合う母娘も、婚約者の死の真相を知り、硬い表情で彼が亡くなって以来やめていた化粧を始める中国の女性も、殺されたヤクザの恋人の血がべっとりついた封筒に入ったドルを握りしめ、爆発して燃え上がるキャバレーから必死に脱出するホステスも、みんな強くてたくましい。

はくちょう座 → スワンソング → スワン・シスターズ と繋がっていく構成も素敵だったな。

二話の「スワンソング」は、死ぬ間際の白鳥は最も美しい声で歌うという伝説から、詩人や作曲家などの生前最後の作品を言うそうですが、ここでは自殺した男の婚約者への最期の手紙であり、遺書であり、作家志望だった彼が原稿用紙に書き遺した「遺作」となっています。
日本で働くことを夢見ていた彼が綴る「日本では落し物が戻ってくる、人はぶつかっても互いに謝る、人も鉄道も時間に正確、売っているものはみんなホンモノ、店員は丁寧で親切・・・」という手紙を篠井英介さん演じる招娣が静かに朗読するのを聞いていて、あぁ、日本って何ていい国なんだろうと思ったりも。

三話のキャバレーのオーナーとして「いろんなとこに繋がってる」と語られる人物は、日本のフィクサーと言われた人の名前がリアルに思い浮かびましたが、キャバレー跡に建てられる予定のホテルの名前が「ニュー・ジャパン」と言わせるあたり、あざとい(笑)。


3人の役者さんはメイクや扮装はつくり込んでいて、声はそのままですが、女優さんとして全く違和感ありません。
それぞれ個性的ですが、個性に合わせた、というより一作ずつその役になり切っていてスゴイ。
女装をネタに無理に笑いに走ろうとしたりせず、下品にもならず、真摯に“女優”として舞台に立っていることにとても好感。
本編、カーテンコール通じて、篠井英介さんの所作の美しさがとても印象的でした。

三話では歌も聴かせてくれて楽しかったな。深沢さん相変わらずいい声です。
最後に白いマーメイドドレスを着た3人が歌う「ス・ワ・ン・ソ・ン・グ」はオリジナルのようですが、劇中で篠井さん演じる美津子がよく口ずさんでいる曲として3人で歌い踊る曲は何だったかな。聞き覚えがあるんだけど曲名が思い出せないあせあせ(飛び散る汗)

時には劇中の効果音になり、歌のシーンではバンド演奏にもなるウッドベースとフリューゲルホーンのジャージーな生演奏もよかったです。


位置情報 終演後、楽屋口で面会待ちする人の列のそばを通りかかった時、係の方が「もう少しお待ちください。厚化粧してますんで」とおっしゃっていたのを聞いて思わず吹き出しちゃいました。



♪本当は 希望なんて信じてない  でもあたし 輝きたいの のごくらく度 わーい(嬉しい顔) (total 1404 わーい(嬉しい顔) vs 1407 ふらふら)
posted by スキップ at 22:24
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