2015年07月15日

歌舞伎座 七月大歌舞伎 昼の部

kabukiza201507.jpg一般発売前から完売していた今月の歌舞伎座昼の部。
幕見にも連日行列ができて、早々と札止めになっているとか。
海老玉人気に加えて、猿之助さん、中車さんと人気役者が並んでいますが、演目もポピュラーなものばかり。
昼の部は三演目ともに獅童さんが出ていて、何気に中村獅童奮闘公演の趣き(笑)。


松竹創業120周年  七月大歌舞伎 昼の部
2015年7月5日(日) 11:00am 歌舞伎座 3階3列上手



一、南総里見八犬伝  
芳流閣屋上の場/円塚山の場
出演: 中村獅童  市川右近  中村梅玉  中村歌昇  坂東巳之助  中村種之助  
市川笑三郎  市川猿弥  市川笑也  中村松江 ほか

  
幕開きは「芳流閣屋上」。
犬塚信乃(獅童)と犬飼現八(右近)を捕らえようとす大勢の捕り方たち。
ナナメになった大屋根の上での立ち回り、大変そうです。
いや、あの上でトンボ切るとかほんと、名題下さんたち、凄いです。

信乃と源八が対峙する場面では、右近さんの重心の低さとか動きのキレのよさが目立ちました。
最後はがんどう返し。
これねー。屋根がひっくり返ったところでじんわり立ち上がった獅童さんが見えてちょっと興醒め。

歌舞伎座新開場柿葺落公演「弁天娘女男白浪」で屋根が返っていくぎりぎりまで客席に向かって見得をキメ続けた菊五郎さんの凄さに、改めて思いを馳せたのでした。場面変わって「円塚山の場」では、松江さん左母二郎に誘拐された笑三郎さん浜路。
「え?浜路って、笑也さんじゃなくて笑三郎さんなの?」と少し驚きましたが、さすがに上手くて、いつものオトコマエな姐さん風味は封印して、可憐で哀れ。

七人のだんまりもそれぞれ個性があっておもしろかったです。
ここ、配役を把握していなかったので、「お!歌昇くん」「や!種之助くん」「ま!巳之助くんもいる」と心で驚きながら目は忙しく楽しみっ放しでした。

そして、八犬士の残る一人 犬山道節こと梅玉さん 幕外の飛び六方の引込み。大きさもあってステキでした。
「梅玉さんの六方 初めて見た~」と思っていたら、後でそういうツイートをいくつかお見かけしましたので、やはり珍しいことだったのかな。
梅玉さんの部屋子の梅丸くんもこの場に。品よくお行儀よく美しい若君でした。


二、与話情浮名横櫛   見染め/源氏店
出演: 市川海老蔵  中村獅童  市川猿弥  中村歌女之丞  市川九團次  市川中車  坂東玉三郎 ほか 


仁左衛門さんの与三郎に玉三郎さんのお富を観たのはついこの間だったように思っていたのに、玉三郎さんがお富を演じるのは10年ぶりというこで、まずそのことにびっくり(笑)。
海老蔵さんの与三郎のお相手は初めてなのだとか。

本当に時が止まってしまったように変わらず美しいし色っぽいし、そりゃ与三郎も一目惚れしちゃうし、藤八さんだって横恋慕しちゃうというものです。
「見染め」から「源氏店」へと境遇が変わって、3年の時の流れと彼女自身の変化の演じ分けも鮮やか。

見染めの場を観ていて一番感じたのは、この場の終わりに与三郎が自分の羽織がずれ落ちているのにも気づかないくらいお富さんに見惚れてしまう場面で、「羽織がずれ落ちる」のって難しいんだということです。
何とも不自然だったな、ここの海老蔵さん与三郎。
仁左衛門さんはもちろんのこと、明治座花形で観た染五郎さんも、今から思えばお上手だったなぁと。

柔らかい口調の海老蔵さんはそんなに苦手ではなくて、美しさも申し分ないと思います。
鳶頭金五郎と二人で通路を練り歩くところなんて、客席かなり湧いていました。
どちらかと言えば源氏店の荒んだ与三郎の方がお得意なのかな、とイメージしていたのですが、それほどでもなかったかな(笑)。
悪ぶって凄む中、人生の辛酸を味わった哀愁とか、もっと緩急があればな、とも思いました。

獅童さんの蝙蝠安は、下卑た感じがよく出ていて、でもやり過ぎていなくて好きでした。
猿弥さんの藤八も楽しかったです。
鳶頭金五郎の九團次さん。さすがに手慣れた感じでよかったです。
歌舞伎座でこんなに大きな役もできるなんてやはり成田屋さんのご威光は・・と少し複雑な思いもしましたが。

中車さんの多左衛門は、ひとり新劇の俳優さんが混じっているみたいに感じないこともなかったですが、佇まいなどはすごく研究していらっしゃると思います。

その多左衛門さんが、出かけ際にお富さんの兄ということがわかって、「じゃあ、あなたは・・」とお富さんが気づいていきなり幕、でちょっとオドロキ目
ここはやはり、誤解が解けた与三郎が再び登場して、「お富、お前をもう離さない」じゃないと。


三、蜘蛛絲梓弦 (くものいとあずさのゆみはり)
  市川猿之助六変化相勤め申し候
出演: 市川猿之助  市川門之助  市川右近  坂東巳之助  中村獅童  市川海老蔵 ほか


これがこの日の一番のお目当て。
2009年2月 松竹座の花形歌舞伎で亀治郎さん時代に観て、とても楽して印象に残っています。
六役がどんなでどこから出て来て・・と当時のレポに詳しく書いています。
われながらGood Job!(笑)
歌舞伎座にかかるのは今回が初めてなのだそうです。

猿之助さんの高い身体能力とハイテクの舞踊、表現力を堪能。
蜘蛛の精と合わせて六変化の鮮やかな踊り分け・・・指先まで神経の行き届いた美しさ、迫力ある海老反り、軽々としたジャンプ、低い姿勢でも回転する時でも芯が全くブレることのない技術の確かさ。加えて真ん中に立って舞台を支える華。
まさに猿之助さんのための演目のよう。

猿之助さんがいろんな所から出て来るたびに驚いたり、早替りにどよめいたり、弧を描いて放たれる白い蜘蛛の糸に高揚したり、全員で床を踏みならすタップダンスのような踊りに胸高鳴らせたり。
客席は猿之助さんの思うツボです(笑)。

門之助さんの源頼光、右近さんの坂田金時、獅童さんの碓井貞光ときっちり役をこなしていて、最後を締める海老蔵さんの押し戻し。
さすがにこんな拵えはよくお似合いで華やかで力強く、隈取も美しく、短い出ながら存在感バツグンでした。



楽しくゴキゲンで打ち出されたのに、その後に観た「阿弖流為」にぜ~んぶ上塗りされたよね の地獄度 ふらふら (total 1403 わーい(嬉しい顔) vs 1405 ふらふら)
posted by スキップ at 23:17
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