2015年05月26日

サイラモナム~ル♪ 月組 「1789 -バスティーユの恋人たち-」

1789.jpg2012年にパリで初演されたフレンチ・ロック・ミュージカル。
今回の宝塚公演が日本初演ですが、同じ小池修一郎先生の潤色・演出で、2016年には東宝版として上演されることが決まっています。


宝塚歌劇月組公演
かんぽ生命 ドリームシアター  スペクタクル・ミュージカル
「1789 -バスティーユの恋人たち-」
Produced by NTCA PRODUCTIONS,
Dove Attia and Albert Cohen
International Licensing & Booking,
G.L.O, Guillaume Lagorce
潤色・演出: 小池修一郎
出演: 龍真咲  愛希れいか  飛鳥裕   星条海斗  憧花ゆりの  凪七瑠海  美弥るりか  珠城りょう  早乙女わかば  海乃美月  暁千星/美城れん  沙央くらま ほか

2015年5月3日(日) 3:00pm 宝塚大劇場 1階5列下手/
5月23日(土) 11:00am 1階12列上手



1789年初頭、官憲に理不尽に父親を銃殺された農家の青年ロナン(龍真咲)はパリに出て、パレ・ロワイヤルで、デムーラン(凪七瑠海)、ロベスピエール(珠城りょう) 、ダントン(沙央くらま)ら革命家と知り合い共感して活動に協力するようになります。
一方、ヴェルサイユ宮殿では、ルイ16世(美城れん)や王妃マリー・アントワネット(愛希れいか)をはじめ取り巻きの貴族たちが華美な生活を続けていました。病弱な王太子の養育係オランプ(早乙女わかば/海乃美月)は、ある夜王妃のお供でお忍びでパレ・ロワイヤルに出かけ、ロナンと出会います・・・。



1789年7月14日は宝塚ファンには(宝塚ファンでなくても)周知の日。
フランス革命が勃発した日であり、オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェが落命した日です。
そんな1789年7月14日に始まり、7月14日に終わる物語。


見応えありました。
フランス革命を、ちょうど「ベルサイユのばら」とは逆の、革命を起こす側の視点から描いた作品。
主人公は農民出身の名もなき青年。
社会の不条理に怒り、革命に身を投じていく彼やまわりの若者たちを中心にしながら、反対側の王族側や周囲も含めた、この時代に生き、革命に翻弄されていく人々を描いています
そこに、ロミオとジュリエット的な、敵対する者同士の恋もからめて。

ロナンが主人公とはいうものの、群像劇という色合いが濃い作品。
誤解を恐れずに言えば、カリスマ性のある抜きん出たトップスターという訳ではない龍真咲さんと月組の個性にその群像劇がよくハマっていて、この作品が月組で上演された理由がわかるような気がしました。今回のキャスティングの特徴として、
「トップコンビが恋人役(相手役)ではない」という点が挙げられます。
オリジナル版を観ていないのでよくわからないのですが、マリー・アントワネットにトップ娘役の愛希れいかさんを配したことで、この役をよりふくらませることができ、革命を起こす側と起こされる側、民衆 vs 貴族 の構図により深みが増したのではないかと思います。

そして、そのマリー・アントワネットを演じた愛希れいかさんがすばらしかったです。
美しくて品のある容姿、細やかな演技、そして歌。
アントワネットがパレ・ロワイヤルでフェルゼンと ♪もう~ あと戻り できないの わたし~ と歌う 「許されぬ愛」がとても好きなのですが、ちゃぴちゃん、いつの間にこんなに歌がうまくなったの?と驚きました。
遊興に興じていた頃と、後半とではドレスの雰囲気や髪型も変わるのですが、声のトーンも変わって、フェルゼンへの思いもすべて断ち切って、フランスの王妃として全うする矜持を見せてくれました。

ただ、それでも。

やはり宝塚ではトップの相手役はトップ娘役が演じるのが好きですし、そうあるべきなのではないかなと思います。
オランプ役は愛希さんに似合うと思いますし。
(となるとアントワネットは誰?という悩みは残りますが。)


龍真咲さんは小池先生の言葉を借りれば「青くさいところ」を持った雰囲気の人で、それがこの若者の役にリアリティを加えていました。
ロナンが貴族社会に反発して革命の仲間に加わったものの、ブルジョワの出でパンをかじりながら勉強したという彼らと、食べるものさえなかった自分の境遇を比べて「違う」と感じ、距離を置いてしまうあたりも共感できました。
台詞や歌に独特の節回しがあるのがいささか苦手なのですが、歌はどの曲も聴かせてくれました。


そのロナンの恋人・オランプは、ロナンの妹ソレ-ヌとともにダブルキャスト。
行ける日の都合だけで観る日を選んだのですが、うまく2パターン観ることができました。

5/3  .オランプ:  海乃 美月/ソレーヌ:  花陽 みら
5/23 .オランプ:  早乙女わかば/ソレーヌ:  晴音 アキ


海乃美月さんは正直なところ苦手な娘役さんだったのですが、オランプはとてもよかったです。
王太子の養育係ながら王妃の秘密の恋の手引もして、王妃のピンチを機転を効かせて救ったり、そのために陥れることになってしまったロナンを牢獄から助け出したり、と知性と行動力を兼ね備えた女性として描かれたオランプは、やや硬質な持ち味の海乃さんによく合っていました。
欲を言えば、ロナンのことを思うあまり王太子のことがおろそかになるほど恋に浮かれているようには感じられなかったことかしら(笑)。

ビジュアルでは断然好みの早乙女わかばさんも悪くないですが、海乃さんと比べると台詞の声がくぐもって聞こえてしまうのが残念な感じでした。


妖しげな魅力をふりまくアルトワ伯爵の美弥るりかさん
まるで革命派の前に立ちふさがる要塞のようなペイロール伯爵の星条海斗さん
若き理想に燃えるいかにもお育ちがよさそうなデムーランの凪七瑠海
情熱的で将来のリーダーの片鱗を見せるロベスピエール 珠城りょうさん
月組男役は人材豊富だなぁ。
あと、専科に移動したばかりの沙央くらまさんダントンの男前ぶりにも目が奪われました。

そんな中、胸キュンしたのは、ラマール(紫門ゆりや)の部下・トゥルヌマンの 輝月ゆうまくん。
この2人にロワゼルの朝美絢くんを加えたアルトワ伯爵配下の秘密警察?の3人はまるでダメダメなのですが、5/3に観た時、銀橋で3人がしゃがみこんで一番前のお客様をラマールがいじって去って行く時、一人残って「うん」とそのお客様に向かってうなずく顔がステキで思わず目が揺れるハートになりました。


フィナーレの男役ダンス Part Ⅰで、龍真咲さんの両側が珠城りょうさんと暁千星さんだったのにオドロキ目
Part Ⅱで、星条・凪七・美弥・沙央の4人が並ぶとはいえ、月組の未来体制が透けて見えるような気がしました。


楽曲はいずれも耳に残って好き。
月組はソロもコーラスも安定したクオリティで聴かせてくれます。
一幕ラストの重層的なコーラスなんてトリハダものでした。

二幕冒頭のボディパーカッションっていうのかな? 音楽なしでステップと手拍子だけの
独特なダンスシーンも印象的でした。
この場面の振付はKAORIaliveさん。
宝塚では初めての方ですが、小池先生自らのご指名だったとか。

小池先生にしては、カーテン前や書割り前がいつもよい多い印象は受けましたが、パレ・ロワイヤルで意気上がる革命派の民衆たちが思い思いに歌い踊る背後から、ペイロール伯爵率いる軍隊が一糸乱れぬという感じで整列して大セリでセリ上がってくる場面なんて、背中ゾクゾクしました。

昔 パリに旅行した時、パレ・ロワイヤルにある骨董品屋さんが気に入って、滞在中何度か足を運んだものですが、あそこでこんな物語が、と、久しぶりにまた行ってみたくなりました。


私が観た日は両日とも立見が出ていましたが、平日を中心にチケットの売れ行きは芳しくないように聞いています。力作だしおもしろくておススメなんだけどな。
来年の東宝版もできれば観に行きたいと思います。



そして ♪サ・イラ・モナム~ル が頭の中をグルグル のごくらく度 わーい(嬉しい顔) (total 1374 わーい(嬉しい顔) vs 1378 ふらふら)
posted by スキップ at 23:01
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