

「柚希礼音の宝塚人生は、皆さまのおかげで最高のダイヤモンドタイム、ダイヤモンドロードとなりました」
2015年5月10日。
柚希礼音さんが宝塚歌劇団を卒業した日。
大階段を黒紋付に緑の袴の正装で降りてきた柚希さんのご挨拶の一節です。
「皆さまのおかげで」と柚希さんは言ったけど、
それはあなた自身がまぶしく輝く光を放ち続けたから
あなたこそ 柚希礼音その人こそダイヤモンド
昨年8月19日に退団が発表されてから、この日が来るのはわかっていました。
運動会、武道館、デイナーショー、そしてさよなら公演・・・
一つまた一つと愛おしい時間を過ごして
心の準備も覚悟もできていたつもりでした。
だけど
泣いたり笑ったり笑ったり泣いたりしてラストデイを1日過ごしても
柚希さんをもう宝塚の舞台で観ることはできないのだとは信じられないような
これが現実ではないような不思議な気持ちでした。
3月9日の宝塚大劇場の千秋楽では
「なんだか1日中ふわふわと夢の中にいるようでした」と書きましたが、
それともまた違った感覚でした。
そんな私が一気に柚希さんの不在を感じたのが冒頭右の画像。
昨夜11時過ぎの東京宝塚劇場です。
ほんの3時間前まで12,000人のファンで溢れかえっていた場所。
人々のざわめきと、青いペンライトの光と。
もちろん私もその中の一人でした。
フェアウェルパ-ティからの帰り道、再び通りかかったこの場所が
あまりにも静寂に包まれていて、
「あぁ、本当に全部終わってしまったんだ」と実感し、
涙がブワっと溢れたのでした。
ラストデイの朝は雲ひとつない青空。
前日(5/9)は柚希さんが楽屋を出るころには雨がポツポツ落ちてきて
「雨降ったねぇ」
「でも明日は晴れる!」
とおっしゃっていた通りになりました。
「やっと晴れ男役の本領発揮」とフェアウェルでも笑顔でした。
星組生や退団する生徒さんたちと同期のOGさんたち(白華れみちゃんや夢乃聖夏さん、それに涼紫央さんのお顔も)が続々と楽屋入りし、
退団者は下級生の逢月あかりさんから順に。
白いお洋服に身を包んだ皆さんはとても晴れやかな笑顔。
鶴美舞夕さんが入られる時、かけ声をかける会の方たちが泣いていらして、思わずもらい泣き。
夢咲ねねさんの白いドレスが風になびいて、まるで天女のようでした。
柚希さんの登場は10:00少し前だったかな。
ブルブルルル~と車のエンジン音が響き、
有楽町側から1台の黒い車が近づいてくると「きゃ~っ!!」という悲鳴のような歓声。

翼を広げるようにガルウィングのドアが両側とも開いた!!
また大悲鳴

BMW i8 という車だと後で知りました。
助手席で笑顔を振りまくキラキラ白いスーツの柚希さん。
本当にステキでした。
車から降り立ったその足にはゴールドの靴(笑)。
本当に晴れやかな笑顔で
白いお花のゲートの前で全方向に投げキッスをして、
歓声を巻き起こしてゲートを入って行かれました。
劇場ロビーでの生徒さんたちだけのイベントは、私の並ぶ場所からは見えなかったけれど、
退団者は「本日の主役」のタスキをかけられて
運動会の応援合戦を再現していた模様。
千秋楽の舞台は残念ながらチケットが取れず、
TOHOシネマズ日本橋でライブ中継を観ました。
(私もお願いしたお友だちも抽選全滅だったけど、唯一会社の後輩が当ててくれた!)
「黒豹の如く」の冒頭
♪あああ~ ああああ~
という紫りらちゃんの歌声からすでにウルウル

観るのは16回目でしたが、今までになかった感覚で、やはりラストデイならではだなぁと思いました。
あまりアドリブの入らないお芝居ですが、
英真なおきさん扮するバンデラス叔父さんが将校クラブで、
帰らなければならない柚希さんアントニオを引き止める場面で、
「いいじゃないか~、今日ぐらい」
とおっしゃっていました。
そして真風さんには、「これからもがんばれよ!」と。
英真さん、温かい。
すっかりお楽しみアドリブコーナーになってしまったような(笑)「Dear DIAMOND!!」の
ドルチェ・ヴィータのシャウトは
柚 「せん」
紅 「しゅう」
真 「らく」
柚 「楽しかった」
紅 「あなたがいたから」
真 「レジェンド!」
紅 「柚希最高!」
真 「星組最高!」
紅 「柚希と夢咲 ゴールデンコンビ!」
柚 「愛してるぜ」(with 吐息)

ちなみに、ここ、
前日は 「フォーエバー宝塚」
前楽は 「ありがとう!」
でした。

宝塚の柚希さんは宝塚の千秋楽では、同期の南海まりさんがつくってくださったという赤い薔薇と白いオーガンジーのような大きなコサージュをつけていらっしゃいましたが(このライブ中継のフライヤーの画像が宝塚の千秋楽)、東京ではかなりシンプルな真紅の薔薇でした。
ねねちゃんは宝塚の時と同様、リボンチョーカーの左サイドに薔薇をつけて。
デュエダンの時、ひとつ落ちてしまってドキドキしましたが。
もちろん劇場でナマで観たかったけれど、
前日に友の会優先公演と前楽、さよならショーを劇場で観ていましたので
ライブ中継で細かい表情までアップで観られるのは、これはこれでとてもよかったです。
さよならショーで For good を歌った時の柚希さんの綺麗な涙も見られたし。
終演後のパレードでは、私たちの前にちょうど退団者の会の人たちが並ぶ位置でした。
逢月あかりさん、海隼人さん、鶴美舞夕さん、音花ゆりさん、夢咲ねねさん
皆さん 会の方に向かってのメッセージも聞くことができてラッキーでした。
音花さんの会のかけ声がすばらしくて、音花さんも感極まって思わず涙。
そして私ももちろんまたもらい泣き。
柚希さんが出て来られたのは午後8:00前くらいだったかな。
緑の袴姿で、舞台で贈られたお花とはまた別の、白いカラーの花束を手に。
カラーの凛とした雰囲気が柚希さんによく合っていて、
本当に晴れやで清々しい笑顔が輝くようで、とても綺麗でした。
ちゃんと有楽町側のファンが並ぶ端っこまで笑顔を振りまいてくれて
プレス席正面へ。
ちょっと振り向くたびにきゃ~

「ちえちゃん だ~い好き」という私たちのかけ声に、
とびきりの笑顔で応えて手を振っていかれました。
フェアウェルパーティではいつものユルくてカワイイちえちゃんトークでしたが、
ここへ来てまだ「へぇ~、そんなことがあったんだ・・」というお話も披露してくださいました。
柚希さん到着前に会場スクリーンに流れていた写真集メイキングDVDで
海に入って無邪気にはしゃぐ柚希さんの姿が本当に可愛らしくて
あの精悍な男役とのギャップもはなはだしく(笑)。
お隣の席のマダムも「かわいいねぇ~」とおっしゃっていました。
お疲れだと思うのに、椅子が低くて端の方の席の人たちが「見えない~」と言うと
「私、大丈夫だから立ってます」と立ったままお話してくださったり。
最後の最後まで、本当にファン思い過ぎて・・・。
思わぬゲストも登場して、
とてもよい温かいフェアウェルパーティでした。
最後はやっぱり泣いちゃったけど

こうして私のラストデイが終わりました。
宝塚でも東京でも、こんなにたくさんの人数とその動きをコントロールする
ファンクラブのスタッフの方たちはどんなに大変だっただろうと思います。
深くお礼を申しあげたいです。
そしてこの期間、
職場をはじめ周囲の理解や、家人や自分自身の健康、その他もろもろ
いろんなことに都合がついて、私が観たいと思った柚希さんをすべて
観ることができたこと、心から感謝の気持ちでいっぱいです。
そして誰よりも
最後のその瞬間まで
全身全霊の舞台を私たちに見せてくれた
柚希礼音さんに、
ありったけのありがとうを贈りたいと思います。
ちえちゃん 本当に本当にありがとう。
♪夢のような たから~づかぁ で
ちえちゃんに出会えて、
ちえちゃんがつくり出す男役を見続けることができて
ちえちゃんを最後まで見送ることができて
本当に幸せでした。
柚希礼音さん 千秋楽ご挨拶全文
夢のような宝塚。
その中はみんなの想い、情熱、志がつまっていた。
だからこんなにも宝塚を愛したのかもしれない。
子供の頃は人前に出ることが苦手だった私を
宝塚がここまで育てて下さいました。
努力した先の喜びを知ったから、精進をし続けることができました。
やり遂げる心さえあれば、どんなことにも挑戦できることを知りました。
感謝の気持ちがあれば、何もかもありがたいことを知りました。
自分を認め信じなければ 、誰も信じてくれないことも知りました。
芸を磨き、精神を磨きながら歩き続けられましたのも
私と出会ってくださいましたすべての皆様が私にそれを教え続けてくださったからです。
柚希礼音は、すべての皆様の愛によって育てていただきました。
大好きな英真なおきさん
そして、愛する、大好きな星組の仲間一人ひとり、先生方、スタッフの皆様、
そして何よりも、どんな時も、雨の日の風の日も、
どんな時も私の心のそばにいてくださり、
そして全力で応援してくださいましたファンの皆様、お客さま
こんなにも愛おしいと思える方々に出会えたことが私の一生の宝物です。
柚希礼音の宝塚人生は、皆様のお陰で
最高のダイヤモンドタイム、ダイヤモンドロードとなりました、
言いつくせない感謝の気持ちを込めて
本当にありがとうございました。