2019年08月06日

REON YUZUKI one-man show 「LEMONADE」


lemonade.jpg柚希礼音さんは1999年に宝塚音楽学校を卒業して初舞台を踏み、今年で芸歴20周年。
その記念の年に様々な挑戦を私たちに見せてくれていますが、この作品もその一つ。
初めてのひとり舞台です。


REON YUZUKI one-man show 
Musical 「LEMONADE」

作・演出: 小林香
音楽: 江草啓太
振付: 川崎悦子  Oguri (s**t kingz)
美術: 石原 敬   照明: 高見和義
音響: 山本浩一   映像: 石田 肇
出演: 柚希礼音

2019年7月13日(土) 5:00pm シアター・ドラマシティ 8列センター/
7月15日(月) 12:30pm 5列下手
(上演時間: 1時間40分)



岬の先端にあるサナトリウムの一室が舞台。
この部屋で療養しているのは映(はゆる)。
自身の広告代理店 ハユル・アドを立ち上げ忙しく充実した日々を送る中、血液疾患で倒れ、無菌室での治療を経てこのサナトリウムに移った彼女は悩みを抱えていました。自分とは別の人格-リラとブルーが突如現れるのです。医師のカウンセリングを受けながら自分が多重人格であることを受け入れられない映。ある日彼女は、このサナトリウムが天文台だった頃の管理人 Billの古い日記を見つけます・・・。


「ひとり芝居に多重人格とはまたうまいこと考えたなぁ」というのが最初の感想。
しかも、オトコが一人まじっている(笑)。

東京公演の情報を一切シャットダウンして臨みましたので、映がリラに変わり、さらにブルーが現れて、舞台上で鏡に向かって髪をかきあげジェルでなでつけ、スーツに着替え、ネクタイをしめて・・・とナマ変身すところでは「え、そんなの聞いてないよ~」となりました。
そうして現れたブルーがまた超クールで、あの低音ヴォイスの歌声響かせ、セクシーなダンス踊って見せてくれて、今でも現役男役十分イケるやん!!という感じ。


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2019年08月05日

ミュージカル・オペラ・クラシック 幸せな融合 「オン・ザ・タウン」


onthetown.jpg毎年楽しみにしている佐渡裕プロデュースオペラ。
今年は、バーンスタインのミュージカル「オン・ザ・タウン」です。
昨年から生誕100周年記念コンサートで世界各地で指揮をされてきた佐渡さんが、「その集大成にはぜひ兵庫で彼の作品を上演したい」という思いがあったのだそうです。
原語歌唱、フルオーケストラによる本格的な舞台上演は、日本国内では今回が初めてなのだとか。

4月に同じ兵芸で開催された「バーンスタイン生誕100年 佐渡 裕 音楽の贈りもの ~We love L.B.」でも、この「オン・ザ・タウン」から4曲披露されて、とてもよかったので、本番を楽しみにしていました。


佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2019 
ミュージカル 「オン・ザ・タウン」 ON THE TOWN

音楽: レナード・バーンスタイン
指揮: 佐渡裕
演出/装置・衣装デザイン: アントニー・マクドナルド
ムーヴメント・ディレクター: ルーシー・バージ
振付: アンシュリー・ペイジ
出演: チャールズ・ライス  アレックス・オッターバーン  ダン・シェルヴィ  
ケイティ・ディーコン  ジェシカ・ウォーカー イーファ・ミスケリー  
スティーヴン・リチャードソン ラリー・サマーズ アンナ・デニス ランソワ・テストリー ほか
合唱: ひょうごプロデュースオペラ合唱団
管弦楽: 兵庫芸術文化センター管弦楽団

2019年7月14日(日) 2:00pm 兵庫県立芸術文化センター
KOBELCO大ホール 2階2LB列
(上演時間: 2時間40分/休憩 25分)



舞台は1940年代のニューヨーク。
ブルックリン海軍造船所に停泊する軍船から休暇で憧れの大都会ニューヨークの街へ繰り出した3人の水兵たち。
許された休暇は24時間。そのまる1日の物語。

ゲイビーは地下鉄で見かけた「ミス改札口」のポスターの美女 アイヴィに一目ぼれ。
他の2人も協力して、3人は別行動でアイヴィを探すことにします。
チップはタクシーの女性運転手 ヒルディと、オジーは自然史博物館で文化人類学者のクレアに出会い、それぞれひとときのアヴァンチュールを楽しみ、ゲイビーはカーネギー・ホールのスタジオでついにアイヴィを見つけますが・・・。


1944年に初演されたミュージカル。
ドタバタコメディなのですが、いかにも古き良き時代のアメリカな雰囲気で、屈託なく明るく開放的な作品です。


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2019年07月22日

カインとアベルではなかったけれど 「黒白珠」


kokubyakuju.jpg青木豪さんの書き下ろし、演出は河原雅彦さん。
モチーフは旧約聖書の「カインとアベル」と「エデンの東」。

キャスト二の次でチケット取りましたので、主演はともかく、村井國夫・ 高橋惠子・ 風間杜夫と揃った脇を固める豪華配役に当日ロビーでポスター見て驚く(←)。


「黒白珠」
脚本: 青木豪
演出: 河原正彦
美術: 松井るみ
出演: 松下優也  平間壮一   清水くるみ  平田敦子  
植本純米  青谷優衣  村井國夫   高橋惠子  風間杜夫

2019年6月30日(日) 12:00pm 兵庫県立芸術文化センター 
阪急中ホール 1階G列センター
(上演時間: 2時間20分/休憩 15分)



物語の舞台は1994年の長崎県 大村。
真珠の加工・販売会社を経営する信谷大地(風間杜夫)には双子の息子がいます。
兄の勇(松下優也) は高校卒業後、職を転々としながら今も実家暮らし、弟の光(平間壮一) は東京で早稲田大学に通っていました。
光が突然帰郷したのと時を同じくして、脳溢血の影響で記憶が曖昧となった女性(高橋惠子)が大地のはとこ 須崎英光(村井國夫)の娘が経営するグループホームに入所してきました。彼女こそ、勇と光の母 純子で、二人が幼い頃、叔父と不倫の末、駆け落ちして家を出たと噂されていた女性でした・・・・。


舞台中央の一段高いところに教会があって、それを中心に上下左右4つの場所(父と勇が暮らす家、フランス料理店、真珠の養殖場、グループホームなど)で物語が展開します。
長崎の海辺の町の、潮の香りがするような牧歌的な雰囲気のせいか、可愛らしい方言の影響か、物語全体にどこかゆるりとした温かい雰囲気が漂っていました。

率直な感触としては、「エデンの東」でも、まして「カインとアベル」ではないという印象。
肉親間の愛憎とか兄弟が憎しみ合っているということはなく、勇はできのよい弟の光にそれほどコンプレックスを持っている訳でもなさそうですし、光を可愛がる父への葛藤を抱えている風でもありません。
一つあるとすれば、「父親の実の子ではないかもしれない」という疑念を消化できずにいることでしょうか。


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2019年07月14日

What are you fighting for ? 「マクガワン・トリロジー」


mcgowantrilogy.jpgIRA(アイルランド共和国軍) 内部保安部長 ヴィクター・M・マクガワンの3年間を描いた物語。
松坂桃李くんが孤独な殺人マシンを演じます。

ほぼ1年前に観た舞台で、感想書きかけのままになっていたのですが、「松坂桃李」で自分のブログ検索して、この作品出てこないの嫌だったの~。


「マクガワン・トリロジー」
作: シェーマス・スキャンロン
翻訳: 浦辺千鶴
演出: 小川絵梨子
美術: 二村周作  照明: 原田保  衣装: 前田文子
出演: 松坂桃李  浜中文一  趣里  小柳心  谷田歩  高橋惠子

2018年7月4日(水) 2:00pm 兵庫県立芸術文化センター 
阪急中ホール 1階A列センター
(上演時間: 2時間30分/休憩 15分)



タイトル通り、三部作になっていて、1年ずつ異なった場面が展開します。

狂気のダンス: 1984年 ベルファストのバー
ヴィクター(松坂桃李)はIRAメンバーのアハーン(小柳心)が敵に情報を漏らした疑いを持ち、彼を問い詰めます。尋問は司令官ペンダー(谷田歩)、バーテンダー パーマン(浜中文一)を巻き込んでエスカレートして・・・。

濡れた背の高い草: 1985年 メイヨー州の湖畔
ヴィクターは一人の女を手にかけるため車のトランクに乗せてこの場所に連れて来ました。
彼女(趣里)はヴィクターの幼なじみで、この場所は二人の故郷でした。

男の子たちが私の前を泳いで行った: 1986年 ゴールウェイ州の老人施設
ヴィクターは認知症の母 メイ(高橋惠子)と対面します。母はヴィクターを父や弟と間違えて、乱暴者のヴィクターが大嫌いだったと話しますが、やがて・・・。


開演前、会場に入るとデヴィッド・ボウイの"Heroes"が流れていて、いきなりテンション上がるボウイ好きスキップ。
ベルファストのバーのラジオから絶えず流れていた曲が70~80年代のUKパンクロックだったり、二部でも選曲や音楽の使い方がとても印象的でしたが、こういうのって戯曲で指定されているのかな。演出の小川絵梨子さんの用意したものなのかしら(フライヤーには 音楽: 大嶋吾郎とありました)。


三部ともヴィクターが対象となる人物を粛清する話なのですが、一部はとにかく「怖かった」という印象。
いわれのない狂気的な暴力(ヴィクターにとっては「いわれない」訳では決してないけれど)とか血まみれの惨劇とかにとても弱いということを思い知りました、ワタシ。

アハーンを追い詰めるヴィクターが、狂気というか、ぶっ壊れた感じで、常にハイテンションでまくし立てる、暴れる、殴る、時には歌う。
でも実はかなり冷静で、本当に冷酷に無慈悲にアハーンを追い詰めていて、外にいる仲間とのレシーバーでの会話を聞いているとすべて計算ずくでやっているようにも感じられます。紅茶が好きだったり、会話の中にラテン語やシェイクスピアを織り交ぜたりして、粗暴な行動とは裏腹に実は教養も高く頭もよさそう。

いやでも本当に怖かった(再び)。
ヴィクターがポテトチップスの袋をバァーン!とやった時、最前列でしたので粉々のポテトチップスがバーッと飛んで来て顔に当たった時には、背筋が寒くなりました。


image1 (6).jpg

これ、その時のポテトチップス。


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2019年06月30日

声よし所作よし姿よし 「化粧二題」


keshonidai.jpg内野聖陽さん演じる大衆演劇の座長 市川辰三が、「役者は一に声、二に所作、三に姿」と座員に言う場面があるのですが、まさにそれを地でいく内野さん。
声よし所作よし姿よし。
もちろん芝居もよくてさらに色っぽい。
惚れ直しましたっ!


井上ひさしメモリアル 
こまつ座 第127回公演
「化粧二題」
作: 井上ひさし
演出: 鵜山仁
出演: 有森也実  内野聖陽

2019年6月20日(木) 1:00pm 兵庫県立芸術文化センター 
阪急中ホール 1階E列センター
(上演時間: 1時間35分)



井上ひさしさんが渡辺美佐子さんのために書かれた女優の一人芝居「化粧」を原型として、鏡映しになる男性座長の物語を書き加えて2000年に初演された作品。
二人芝居ではなく、二つの物語をそれぞれ一人芝居で演じます。

どちらもさびれた芝居小屋の楽屋が舞台。
化粧前に座り、白粉を塗り、眉を描き、紅を引き、衣装をつけ、と舞台に出る仕度をしながら展開します。
先に有森也実さん演じる女座長 五月洋子、続いて内野聖陽さんの市川辰三が登場しますが、共通するのは「母と子」の物語ということ。

五月洋子は子を捨てた母。
市川辰三は母に捨てられた息子。


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2019年06月29日

分かる/分からないで語れない物語 「獣の柱」


kemononohashira2019.jpgこれは世界に「なんで?」と問いかけるところから始まる話で、「なぜこんなことが起こるのか」という不条理になんとか解釈や物語で受け止めようとする話で、なので「分かる」ということは無いですよ。問いを受け取り、どう解釈するかだけで。そもそも物語は、分かる/分からない、で語れないです。


公演全日程終了後に前川知大さんがTwitterでこんなふうにつぶやいていらっしゃいました。
私ももちろん観終わった後だったのですが、いや~、そうだよなぁと思いました。

それはある日突然地上に降り注ぎ、人々にとてつもない幸福感を与え、そして支配する、巨大な柱の物語。


イキウメ 「獣の柱」
作・演出: 前川知大
美術: 土岐研一  音楽: かみむら周平
出演: 浜田信也  安井順平  盛隆二  森下創  大窪人衛 /
村川絵梨  松岡依都美  薬丸翔  東野絢香  市川しんぺー

2019年6月16日(日) 2:00pm サンケイホールブリーゼ 1階C列センター
(上演時間: 2時間15分)



2013年に上演された「獣の柱 まとめ*図書館的人生(下)」(感想はこちら)の再演。
2008年の短編「瞬きさせない宇宙の幸福」がオリジナルということですが、そちらは未見です。


四国の山村で暮らす天文マニアの二階堂望(浜田信也)が拾った隕石は、見る者にとてつもない幸福感を与え、思考能力を奪い、やがて死へと導く不思議な力を持っていました。渋谷のスクランブル交差点で起こった事故の原因が同じものにあると感じ、天文マニア仲間で農業を営む山田輝夫(安井順平)、望の妹で小説家の桜(村川絵梨)ととともに桜の元夫 新聞記者の有馬(盛隆二)に話をしに行きますが、望は忽然と姿を消します。1年後、世界の人口密集地に巨大な柱が次々と降り注ぎ・・・。


前川さんご自身が「柱の設定は変わりません。ただ、今回は、柱に関する解釈をより明確な形で提示したいと考えています」とおっしゃっていた通り、物語や登場人物はほぼ2013年版と同じ。
二つの時代が時空を超えて交錯し、柱の謎解きと、柱の力に屈したり抗って立ち向かおうとする人々が描かれているのも同様です(時代設定が前回は2008年・2096年、今回は2001年・2051年という違いはあったけれど)。


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