2020年03月28日

Bittersweet 「ボディガード」


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右の画像でお姫様抱っこされているの柚希レイチェルなの


ケビン・コスナー&ホイットニー・ヒューストン主演で1992年に公開されて大ヒットした映画「ボディガード」 私も大好きでした。
この映画がミュージカル化されて、柚希礼音さんが新妻聖子さんとともにW主演するという情報が公開された時、めちゃテンション上がったものです。

心待ちにしていた初日(3/19)が中止となり、続いて3連休(3/20-22)も中止が発表され、3月24日にようやく初日を迎えた公演。
3月26日にやーっと観られた、と思っていたら、この週末はまた公演中止。結局大阪は予定されていた13公演中5公演のみの上演となり、私も1回しか観られませんでした(涙)。
4月3日開幕予定の東京公演も、先行きはまったく不透明ですが、1回でも多く上演できて、1人でも多くの方に観ていただけますように。


bodyguard3.jpg.jpegミュージカル「ボディガード」日本キャスト版
原作: ローレンス・カスダン
   (ワーナー・ブラザース映画「ボディガード」)
脚本: アレクサンダー・ディネラリス
訳詞: 森雪之丞   翻訳: 阿部のぞみ
編曲: クリス・イーガン
演出・振付: ジョシュア・ベルガッセ
美術: 二村周作   照明: 勝柴次朗   
衣装: 十川ヒロコ  
出演: 柚希礼音  大谷亮平  AKANE LIV  
佐賀龍彦  水田航生  大山真志  福長里恩  
内場勝則 ほか

2020年3月26日(木) 1:30pm 梅田芸術劇場 
1階10列センター  (上演時間: 2時間35分/休憩25分)



ホイットニーの楽曲やショーアップされたダンス場面もふんだんに盛り込まれた華やかなミュージカル。
ライブ&ショーの場面は衣装も華やかでダンスは迫力たっぷりで見ごたえ聴きごたえ十分。
この部分だけでも何度も観たいくらい。

レイチェルの姉 ニッキーが「妹への嫉妬心から見知らぬ男にレイチェル殺害を依頼した」という部分が「ストーカーからの手紙に一度だけレイチェルになりすまして返事を書いた」と改変されている以外はほぼ映画と同じ設定とストーリーでした。

映画でファンに囲まれたレイチェルをフランクがお姫様抱っこして救出するシーンもちゃんと再現されていて、ひょ~っとなりました。
ラスト近くでレイチェルをかばって銃弾を受け倒れたフランクを「この人、私のボディガードなのっ!」とレイチェルが叫ぶシーンが映画そのままで、ここでも

お姫様抱っこの場面は、レイチェルのライブと迫りくる不気味なストーカーを対比させる形で描いていて、照明の効果とともに演出が冴え渡っていました。
ファンに取り囲まれて華やかなステージを展開するレイチェルがストップモーションになるたびにストーカーが階段の上、途中、ステージ傍へとひたひたと近づいて来て、そこに心拍音のような効果音が重なって、結末がわかっていても緊張感が漲り、まるで映像を観ているようなシーンになっていました。

あの♪エンダ~~ こと I WILL ALWAYS LOVE YOU はラストにレイチェルがフルコーラス聴かせてくれますが、劇中では結構意外な使い方されていました・・・まさかフランクのエンダ~が聴けるとはね。


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2020年03月20日

その意気に応えて 「偽義経冥界歌」 ライブビューイング


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劇団☆新感線39興行 いのうえ歌舞伎「偽義経冥界歌」は、2019年春 大阪・金沢・松本で興行、今年2020年春に東京・福岡と年またぎの変則上演。
昨年フェスティバルホールで観劇してワタクシ的にはこの作品については「完結」していて、東京公演を観に行くつもりもライブビューイングを観る予定もありませんでした。
それでも、新型コロナウイルス感染拡大防止の一環で2月28日から休演していた公演を、3月19日から再開、そしてライブビューイング決行に踏み切った劇団☆新感線の意気には、新感線ファンとして応えない訳には参りません。

しばらく舞台から遠ざかっていることもあって、オープニングで Judas Priest が流れ始めたら、背中ゾクゾクしました。

それにしても、こういう状況とはいえ、新感線(しかもJの人が2人も出ている)のライビュチケットが当日でも買えるというのはいささか隔世の感があるというか、何となく切ない。


2020年劇団☆新感線39興行・春公演
いのうえ歌舞伎 「偽義経冥界歌」 ライブビューイング
作: 中島かずき
演出: いのうえひでのり
美術: 二村周作  照明: 原田保  衣装: 竹田団吾  音楽: 岡崎司
出演: 生田斗真  りょう  中山優馬  藤原さくら  粟根まこと  山内圭哉  
早乙女友貴  右近健一  河野まさと  逆木圭一郎  村木よし子  山本カナコ  
村木仁  川原正嗣  三宅弘毅  橋本さとし ほか

2020年3月20日(木) 6:00pm TOHOシネマズなんば 本館スクリーン8
(上映時間: 3時間45分/休憩 25分)


舞台を観た感想はこちら
最後に観たのが2019年3月20日でしたのでちょうと1年ぶりでした。



ストーリーやキャストの感想は、昨年の舞台の時書きましたので繰り返しは避けるとして、
素直に、観てよかったと思いました。

20日間休演していたとは思えない完成度。
全体でお稽古されていたのか個人に任されていたのかわかりませんが、いつでも幕を開けられるよう、心も体も日々舞台とともにあったことは明らか。
しかも休演で「舞台に立ちたい」という飢餓感がよい方に作用して、役者さんたちの爆発力がすばらしかったです。
本当にこの日のライブビューイングを観られてよかった。いろいろ調整してエイヤッと観に行った自分をほめたい。


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2020年03月04日

届かぬはずの月 「カリギュラ」


calligula.jpgフォーチュンに思いを馳せながら、同じように孤独な、こちらの暴君の感想を書きかけだったことを思い出しました。

「カリギュラ」は蜷川幸雄さん演出、小栗旬くん主演版が強烈に印象に残っていて(調べたら2007年だった。13年前って・・・驚くばかり)、当時 小栗旬くん人気絶頂のころでチケット取るのがとても大変だった記憶がありますが、今回の菅田くんもそれに勝るとも劣らない人気ぶりで、「よくチケット取れたねぇ」とたくさんの人に言われました。若いファンのお嬢さんたちの観劇マナーが話題にもなりましたが、私が観た日は全く問題なくて、2時間40分 緊張感途切れることなく舞台に集中することができました。


「カリギュラ」
作: アルベール・カミュ
翻訳: 岩切正一郎
演出: 栗山民也
美術: 二村周作
照明: 勝柴次朗  音楽: 金子飛鳥  衣裳:前田文子
出演: 菅田将暉  高杉真宙  谷田歩  橋本淳  秋山菜津子  原康義 ほか


2019年12月5日(木) 6:30pm 神戸国際会館こくさいホール 1階2列(最前列)上手
(上演時間: 2時間40分/休憩 20分)


ローマ帝国三代皇帝カリギュラの物語。
最愛の妹ドリジュラが急死して失踪していたカリギュラ(菅田将暉)は3日後に帰還すると暴君と化し、臣下から財産没収する、拷問で命を奪う、臣下の妻を略奪し公営売春宿に送る、といった暴虐の限りをつくします。奇抜な扮装をしたり奇妙な行動をとって人々から怖れられますが、3年後、ついに冷徹なケレア(橋本淳)率いる臣下たちに暗殺されるまでを描きます。

劇作家であり哲学者でもあるカミュの紡ぎ出す台詞はとても哲学的で難解。
前回も今回も、正直のところすべて理解できたとはとても思えません。
けれども、カリギュラの狂気の沙汰には人々の偽善を突く真理が込められていたり、臣下や国民はカリギュラから大切なものを奪われたことで、それが大切だということに気づく・・・平穏な時にはその幸せに気づかない・・・まるで今の私たちじゃない。
為政者の暴虐を周り誰も止めることができない状況も、どこかの国の今と似通っていて、背中にナイフを突きつけられたようなヒヤリとした感触を覚えます。


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2020年02月29日

こんなはずじゃなかった 「FORTUNE」


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果てしない欲望を満たすために悪魔と契約した「ファウスト」伝説を基にした物語。
舞台を現代のロンドンに移し、気鋭の映画監督フォーチュンの転落を描きます。
イギリスの劇作家サイモン・スティーヴンスの新作にしてこれが世界初演です。


PARCO PRODUCE 2020 「FORTUNE」
作: サイモン・スティーヴンス
翻訳: 広田敦郎
演出: ショーン・ホームズ
美術: ポール・ウィルス
ステージング: 小野寺修二  音楽: かみむら周平  照明: 佐藤啓 
出演: 森田剛  吉岡里帆  田畑智子  市川しんぺー  
平田敦子  菅原永二  根岸季衣  鶴見辰吾 ほか

2020年2月20日(木) 6:30pm 森ノ宮ピロティホール L列上手
(上演時間: 2時間50分/休憩 20分)



物語: 映画監督として成功をおさめた41歳のフォーチュン(森田剛)は、幼い頃自分を捨てた父親が自殺するという、心に喪失感を抱えて生きていました。才能ある若きプロデューサーのマギー(吉岡里帆)に好意を抱きますが、夫と幸せな結婚生活を送る彼女から拒絶されます。焦燥に駆られ、謎の女ルーシー(田畑智子)の誘いに乗ってある「契約」を交わすフォーチュン。するとフォーチュンの願いは次々とかなえられていきます・・・。


ゲーテの「ファウスト」は「若きウェルテルの悩み」とともに高校時代に読んだ(読まされた)ことがありますが、難解すぎて理解できず。内容もあまり覚えていません。
ただ、「ファウスト」という主人公の名前が「幸福な」を意味するラテン語名ファウストゥスに由来するということは印象に残っていて、「だから『FORTUNE』なのね!」と観る前は思っていました。
そして、劇中、フォーチュンのお父さん(鶴見辰吾)から「ルシファー」という言葉が出てきて初めて「あ、ルーシーはルシファーなのか。堕天使じゃん」と思い至った次第です(気づくのが遅い)。

そういえばここの台詞、「神様とルシファーが喧嘩して、それが人間の『意識』なんだ」みたいな内容だったと思うのですが、「うん?どういうこと?」と考えているうちに流れてしまって、咀嚼できなくて残念。戯曲(「悲劇喜劇」に掲載されているらしい)読んでみようかしら。


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2020年02月25日

阿部サダヲの凄み 「キレイ -神様と待ち合わせした女―」


kirei2020.jpg2000年に松尾スズキさんがミュージカルに初挑戦した作品。
その後、2005年、2014-15年と再演を重ねて今回が4演目です。
初演は観ていなくて2005年の再演から観始めたのですが、それでももう15年になるのねー(遠い目)。


「キレイ -神様と待ち合わせした女―」
作・演出: 松尾スズキ
音楽:伊藤ヨタロウ
音楽監督: 門司肇  美術: 池田ともゆき  
映像: 上田大樹  振付: 振付稼業 air:man
出演: 生田絵梨花  神木隆之介  小池徹平  鈴木杏  
皆川猿時  村杉蝉之介  荒川良々  伊勢志摩  猫背椿  
宮崎吐夢  近藤公園  伊藤ヨタロウ  岩井秀人  
橋本じゅん  阿部サダヲ  麻生久美子 ほか

2020年2月1日(土) 6:30pm フェスティバルホール 1階22列上手
(上演時間: 3時間45分/休憩20分)



3つの国に分かれ長く内戦が続き、大豆原料の人造人間ダイズ兵が戦う「もう一つの日本」が舞台。
誘拐され、10年にも及ぶ監禁から逃げ出した少女ケガレ(生田絵梨花)は記憶を失いながら、ダイズ兵回収業者カネコキネコ(皆川猿時)、その息子で頭は弱いけれども枯木に花を咲かせる能力を持つハリコナ(神木隆之介)、大豆でできた兵士・ダイズ丸(橋本じゅん)、回収されたダイズ兵を食用として加工する食品会社の社長令嬢・カスミ(鈴木杏)たちと出会い、波乱万丈の人生を送りながら、自ら封印した忌まわしい過去に立ち向かっていきます。
そんなケガレを見守るのは成人したケガレ=ミソギ(麻生久美子)とその夫である大人になったハリコナ(小池徹平)・・・。


猥雑でグロテスクで熱い狂乱の中で、どこか醒めた目線。
まるで絵空事のような世界を繰り広げながら、戦争や民族差別といった重いテーマ。
歌とダンスと笑いを散りばめなから、全編を支配する切なさ。
弱者を思い切り笑い飛ばしながら、包み込む優しさ。
松尾スズキさん 真骨頂です。

↑ これ、前回観た時(2015年1月)の感想に書いたのですが、その世界観はまんま健在でした。

♪人間とは多面体であって 鯨を保護した同じ手で
便所の壁に嫌いな女の電話番号書いて 「2000円でヤらせる女」とか
 (「ここにいないあなたが好き」)
・・・のように、人は善も悪も、喜びも哀しみも、幸せも不幸も、キレイもケガレも、清濁すべて併せ持っている生きものなんだという普遍的なテーマをまた突きつけられた思いでした。

そしてあのクライマックス。
自ら封印した過去に対峙し、地下室から扉を押し開け脱出するケガレ。
女神像を倒し、扉をこじ開けて地下に降りていくミソギ。
少女時代のケガレと大人になってからのケガレ(ミソギ)・・・異なる時間軸の中で生き、交わることのなかった二人の時間と空間が交錯する場面。
映像を観ているような感覚にもなり、何度観てもシビれる演出です。


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2020年02月21日

キモはキヌ子 「グッドバイ」


goodbye2020.JPGケラリーノ・サンドロヴィッチさんの名作戯曲を才気溢れる演出家たちが新たに創り上げるシリーズ「KERA CROSS」。
昨年の鈴木裕美さん演出「フローズン・ビーチ」に続く第二弾は生瀬勝久さんの演出です。
 

KERA CROSS 第二弾
「グッドバイ」
原作: 太宰治
脚本: ケラリーノ・サンドロヴィッチ
演出: 生瀬勝久
美術: 石原敬   照明: 松本大介   
音響: 大木裕介  音楽: 瓜生明希葉
出演: 藤木直人  ソニン  真飛聖  朴璐美  長井短  能條愛未  
田中真琴  MIO YAE  入野自由  小松和重  生瀬勝久

2020年1月25日(土) 5:00pm シアター・ドラマシティ 14列上手
(上演時間: 3時間5分/休憩 15分)



ケラさん演出版(2015年11月)の感想はこちら


物語: 戦後まもない混乱期の東京。
雑誌編集者の田島周二(藤木直人)は闇商売で儲けたカネで何人もの愛人を抱えていましたが、疎開していた妻子(真飛聖/MIO・YAE)を呼び寄せるのをきっかけに、女関係を清算し、闇商売からも足を洗って、まっとうな人生を送ろうと決意しました。
闇商売で知り合った永井キヌ子(ソニン)というかつぎ屋の美女に妻のふりをしてもらい、愛人たちの元を訪ねて別れ話を切り出します・・・。


太宰治の未完の作品にケラさんが独自の解釈で物語を書き加え、ハートウォーミングなハッピーエンドの喜劇に着地させた物語。
だめんずの色男 周二を中心に、愚かしくも愛すべき人々の営みを温かく見守るような、そして少しシニカルな視線も交えて描く脚本がまず秀逸だなぁと改めて思いました。ほんっと、ケラさんってば。

周ニの子どもが双子になったり、場面が省略されたりといった変更はありましたが、基本的に客穂は同じ。
同じ原作・脚本でありながら、演出とキャストが変わるとこんなに印象が違ってくるという舞台の醍醐味を味わいました。
オープニングの役者紹介、映像を使っていつもスタイリッシュなケラさんの向こうを張ったアナログ版みたいな演出に生瀬さんの矜持を感じたりも。


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