2019年04月17日

三月大歌舞伎 夜の部


moritsuna.jpg三月大歌舞伎 夜の部
2019年3月27日(水) 4:30pm 歌舞伎座 
1階4列センター



一、近江源氏先陣館  盛綱陣屋
出演: 片岡仁左衛門  中村雀右衛門  
中村錦之助  片岡孝太郎  大谷廣太郎  
中村種之助  中村米吉  片岡千之助  
中村勘太郎  寺嶋眞秀  市川猿弥  
中村歌六  片岡秀太郎  市川左團次 ほか
(上演時間: 1時間43分)


大坂の陣で徳川方と豊臣方に分かれて戦った真田信幸・幸村兄弟をモデルにした物語。
佐々木高綱は一子小四郎(勘太郎)を兄の佐々木盛綱(仁左衛門)に生け捕りにされ、無謀な攻撃を仕掛けて討ち死にします。盛綱が主君 北条時政(歌六)の前で首実検すると偽首とわかりますが、小四郎が「とと様」と叫んで自害するのを見て、高綱が子に自害を言い含めて仕組んだ作戦だと見抜きます。盛綱は命を捨てる覚悟を決め、本首だと時政に告げるのでhした・・・。

家のため、忠義のためとはいえ、年端のいかない子どもが犠牲になる話は甚だ苦手・・・という訳であまり好んで観る演目ではありません。小四郎を金太郎(現 染五郎)くんがやった時も、それが理由で思い腰があがらなかった記憶。

が、今回。
理性ある誠実な武将でありながら情にも厚い佐々木盛綱・・・仁左衛門さん すばらしかったです。
姿形の美しさもさることながら、表情豊かな細やかな演技に目を奪われっ放しです。



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2019年04月11日

三月大歌舞伎 昼の部


kabukiza201903.jpg歌舞伎座の三月大歌舞伎 奇数日になかなか予定が合わず、千穐楽にやっと観劇となりました。


三月大歌舞伎 昼の部
2019年3月27日(水) 11:00am 歌舞伎座 
3階2列下手



一、 女鳴神
龍王ヶ峰岩屋の場
出演: 片岡孝太郎  中村鴈治郎  
市川猿三郎  市川猿四郎 ほか
(上演時間: 1時間3分)


ご存じ「鳴神」の女性版。
松永弾正の娘 鳴神尼(孝太郎)が、父の仇敵である織田信長に恨みを抱き、雨を降らさぬ行法を用いて龍神を滝壺に封じ込めてしまいます。龍王ヶ峰の岩屋に引き籠る鳴神尼のもとへ、美男の雲野絶間之助(鴈治郎)が訪ねて来ると、心奪われた鳴神尼は夫婦固めの盃を交わします。鳴神尼が色香に惑っている隙に絶間之助は行法を破ろうと・・・。

鳴神尼を色香で惑わす雲野絶間之助が鴈治郎さんかぁ~、もうちょっと痩せた色男の方がよいのでは・・・と観る前は思っていたのですが、こう言っては失礼ながら、観ているうちに鴈治郎さんがだんだんカッコよく見えてきて、演目自体もおもしろかったです。

「鳴神」の男女を置き換えて、物語はほぼそのままですが、少し違うところがあって、雲野絶間之助の話を聞くうち、彼は鳴神尼がかつて夫婦の約束をした恋人 登美若丸だということがわかる、という設定・・・と思わせておいて実は織田信長の家臣で、登美若丸とそっくりだったためこの役を担った、やっぱりスナイパーだったという顛末。寝入ってしまった鳴神尼に詫びを言うところがいかにも誠実そうで、鴈治郎さんにぴったりでした。
鳴神尼がぶっ返って憤怒の鬼神となって暴れた時、登場する押し戻し(佐久間玄蕃)が鴈治郎さんの二役で、くっきり演じ分けていらっしゃいました。

onnanarukami.jpg孝太郎さんの鳴神尼は位の高さを感じさせながら女性としての色気も。
このポスターにもなっている隈取りになった姿もめちゃ怒っているのだけど、ムスッとした表情がどことなく可愛くて、「怒ってる、怒ってる」と思わず笑ってしまいました←

女性版なので仕えるお坊さんたちももちろん尼さんで、猿三郎さんが白雲尼、猿四郎さんが黒雲尼という珍しい女形で息のあったコンビぶりが楽しかったです。



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2019年02月24日

よき親子 厳しき師弟 六盛 歌舞伎サロン「高麗屋、三代同時襲名」


rokusei20190223.jpg不定期開催の六盛歌舞伎サロンは今回で29回目。
前回(2017年)に続いて、高麗屋親子二代のご登壇。
襲名前だった前回は松本幸四郎さんと市川染五郎さん、今回は松本白鸚さんと松本幸四郎さんとして襲名後初の歌舞伎サロンご出演です。


創業百二十周年記念
第二十九回 六盛 歌舞伎サロン
「高麗屋、三代同時襲名」

ゲスト: 松本白鸚  松本幸四郎
聞き手: 鈴木治彦

2019年2月23日(土) 5:00pm 京都岡崎 六盛



前回のレポはこちら


第1回目からずっと司会を勤めていらっしゃる鈴木治彦さんは今年何と90歳なのだとか。
少し痩せられて、さすがにお歳は召されましたが、明るくお元気なご様子、トークの質問コーナーではマイクを持って会場内を質問者のところへ回って走り寄っていらっしゃいました。

お歳のせいかいく分マイペースになられたようで、元よりマイペースの白鸚さんと治彦さん お二人を向こうに回して、こちらも本来はマイペースのはずの幸四郎さんがあれこれ気を遣って、「20分経ったら席を交代するんですよね?」と言ったりするの、何だか可愛くておかしかったです。

トークは前半は治彦さんがお二人に質問しながら進行、後半は客席の質問にお二人が答える形でした。以下は印象に残った応答の備忘メモ。


六盛歌舞伎サロンと京都
白鸚さん: 京都は旧くから観ていただいているお客様がたくさんいらっしゃる、私の父、祖父の時代からも。今日もそんなお客様がたくさんいらしていただいて、とても有り難いことです。
父の先代白鸚は京都ではよくもてましてねぇ。

幸四郎さん: 日帰りで終わるのを反省してほしい。イベントが1日で完結してしまう。まずは前日打ち合わせをして、当日も終わったら新幹線に間に合わない時間で帰れない、というくらいにしてほしい(笑)。


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2019年01月27日

壽初春大歌舞伎 夜の部


image2.jpg正面にはまだ門松が飾られていました。
歌舞伎座の門松は「寸胴」と呼ばれる切り口が水平のタイプ。

「八海山しばらく飲んでないなぁ」と横目で眺めながら(←)、夜の部です。


壽初春大歌舞伎 夜の部
2019年1月13日(日) 4:30pm 歌舞伎座 
3階2列上手


一、 絵本太功記  尼ヶ崎閑居の場
出演: 中村吉右衛門  中村雀右衛門  松本幸四郎  
中村米吉  中村又五郎  中村歌六  中村東蔵 ほか
(上演時間: 1時間18分)


主君 小田春永(織田信長)を本能寺で討ち果たした後の武智光秀(明智光秀)と、その母 皐月、妻 操、息子 十次郎とその許嫁初菊、そして真柴久吉(羽柴秀吉)の物語。

「悲劇」が前提にある物語で、ずーっと哀切な場面が続いて苦手な演目です。
その上、歌舞伎でも文楽で観ても必ずどこかで意識失うという(←)
ところが、今回寝なかった。多分初めて(←←)

吉右衛門さん渾身の光秀すばらしい。
重厚で大きさと迫力、圧倒的な存在感がありながら、完全無欠のスーパーヒーローではなくて、迷いも弱さもあって、家族を思いやる深い情愛も感じさせる、血の通った「人間」光秀を描出。

十次郎は幸四郎さん。
前髪の美少年(←美少年という言葉にやたら反応)。
討死覚悟で出陣しようとする十次郎と泣いてすがる初菊にウルウル。
戦拵えをして再び登場する十次郎が匂い立つような若武者でホレボレ。
瀕死の重傷を負った十次郎を抱きかかえた光秀の「ててじゃ、ててじゃ」にナミダ。

皐月をはじめ、雀右衛門さんの操、米吉さんの初菊、歌六さんの久吉、又五郎さんの佐藤正清(加藤清正)という最強の布陣で見応えある一幕でした。


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2019年01月26日

壽初春大歌舞伎 昼の部


kabukiza201901.jpg歌舞伎はじめはお正月飾りも華やかな歌舞伎座。
昼夜ともに祝祭感ある演目が入っていて、日常ではすでにはるか彼方なものとなってしまったお正月気分をまた味わえて何だか得した心持ちでした。

壽初春大歌舞伎 昼の部
2019年1月13日(日) 11:00am 歌舞伎座 
1階1列センター



一、再春菘種蒔 舌出三番叟 
出演: 中村芝翫  中村魁春
(上演時間: 29分)


三番叟は数々観ていますが、「舌出三番叟」は初めて、しかも芝翫さん、魁春さんという座組も多分初めて拝見するもので、なかなか新鮮でした。

芝翫のきびきびとした三番叟、魁春の艶やかな千歳・・・魁春さんのお着物、綺麗だったなぁ。
三番叟にあの鈴をシャリ~ンと鳴らされると、おめでたくも神聖な気分になります。
華やかでお正月気分を盛り立てて、幕開きにぴったりの舞踊でした。


二、吉例寿曽我
鴫立澤対面の場
補綴:今井豊茂 
出演: 中村福助  中村七之助  中村児太郎  中村梅花  
中村福之助  中村松江  中村芝翫 ほか
(上演時間: 35分)


初春に上演されるのが吉例の「曽我狂言」ですが、親の敵である工藤祐経を討つという大望成就のためにやってきた曽我兄弟の前に現れたのは工藤祐経の奥方 梛の葉という設定で、曽我物の中でこちらも初めて拝見。

全身白を纏った黒衣さん(とは言いませんよね)がいて、「あれ?今の黒衣さん、白だった?」と我ながら訳のわからないことを心中でつぶやいて二度見したのですが、この演目は「雪の対面」という通称で、舞台一面が雪の場面となっているため、黒衣さんとともに雪衣さんが出るのも特徴なのだそうです。


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2019年01月04日

當る亥歳 吉例顔見世興行 夜の部


kaomise201812.jpg

2018年の南座顔見世は11月 12月の2ヵ月連続興行。
11月は高麗屋三代襲名で特別な趣きでしたが、12月は昼の部 開演が10時30分で終演は16時5分、16時50分に開演する夜の部の終演時間は21時55分と、「南座の顔見世が帰って来たぁ」感アリアリ。


南座発祥四百年
南座新開場記念
白井松次郎  大谷竹次郎  追善
當る亥歳 吉例顔見世興行 夜の部
2018年12月5日(水) 4:50pm 南座 3階2列センター



第一、義経千本桜
木の実/ 小金吾討死/ すし屋

出演: 片岡仁左衛門  中村時蔵  中村扇雀  片岡孝太郎  片岡千之助  
片岡松之助  坂東竹三郎  片岡秀太郎  市川左團次  中村梅玉 ほか
(上演時間: 2時間25分)


仁左衛門さんで松嶋屋型のいがみの権太を観るのは久しぶりと思って調べたら、2011年9月 浪切ホールで観て以来でした。

10月の「助六」もそうでしたが、まずは仁左衛門さんの変わらない若々しさにオドロキ。
私は仁左衛門さんのやわらかな上方ことばが大好きなのですが、権太はそのやわらかさに威勢の良さと愛嬌も加わり、何とも言えない味わい。強請りたかりをしても悪態をついてもどことなく可愛げがあって憎めない。姿形のよさは言わずもがなですが、品もあって裕福な商家の出という育ちの良さが感じられます。

口では憎たらしいことを言っても心の底では妻の小さんのことを愛しているのが感じられるし(小せんの秀太郎さんとも息ぴったり!)、息子の善太郎にはほんとにメロメロっていうくらい愛情を注いでいるのがよくわかります。権太が善太郎に見せる何とも愛情あふれた表情を見ていて、あぁ、ボタンの掛け違えさえなければこの家族は笑ったり泣いたりケンカしたりしながら、市井の片隅で仲良く暮らしていったのだろうなぁと思うと本当に切なくなりました。「木の実」でこの善太郎との場面があるので、後の「すし屋」での悲劇がより一層際立ちます。


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