2020年11月21日

祝10周年 「妄想歌舞伎」


mosokabuki2020.jpg

松本幸四郎さんが毎年楽しそうにやっていらっしゃる妄想歌舞伎。
本当は去年が10周年のはずでしたが台風で中止になったため、11回目の今年が10th Anniversaryとなりました。
とはいえこの状況下、ありがたいことに配信で拝見しました。

妄想歌舞伎は日曜日の夜開催ということが多く、なかなかこれだけのために状況という訳にもいかず、私が過去にたまたまタイミングよくナマで観ることができたのは1回だけ。調べたら2012年の第3章でした(こちら)。もう8年も前なのかぁ~。



松本幸四郎&君野倫子 presents
「妄想歌舞伎 11章 〜1回休んだけど10周年〜」

出演: 松本幸四郎  君野倫子(サンフランシスコからZOOM参加)
司会: テリー植田
2020年11月7日(土) 7:30pm 東京カルチャーカルチャー
(11月19日 配信アーカイブ視聴/配信時間: 2時間10分)



10周年ということで、まずは第1回目に登場したいろいろな扮装をした8人の幸四郎さんのコマ割りの写真が映し出されました。
長髪だったり女装もあったり・・・今より少しスマートな幸四郎さん、どんな拵えでも素敵だな(贔屓目)。
「10回全部来てる人」とテリーさんが会場に振ると何人も手が挙がったらしく「おお~」という雰囲気の中、
「10歳年とったということですよね」とその人たちに対してぼそっとつぶやく幸四郎さんw

今年は2025年大阪万博のアンバサダーに就任ということで名刺もつくっていただいたけれど使うところがない。今日だ!ということで来場者に配られた模様。いいな、それ私もほしいです。

「この10年で一番印象に残ったことは?」と質問された君野倫子さんは「歌舞伎 on Ice」とおっしゃっていました。
「あの後、実現されましたし」と。ほんと、歌舞伎フェイスパックもそうですが、とてつもない妄想と思っても実現しちゃう幸四郎さんの凄さよ。


これまでの10年

妄想歌舞伎の10年を振り返るのかと思いきや、10年間の舞台を1年1作ずつ振り返るものでした。
幸四郎さんがリストアップされた作品は

2010年 「染模様恩愛御書」 (日生劇場版/初演は2006年 松竹座)
2011年 「江戸宵闇妖鉤爪」(松竹座版/初演は2008年 国立劇場)
2012年 「大當り伏見の富くじ」
2014年 「陰陽師」
2015年 「伊達の十役」
     ラスベガス Kabuki Spectacle 「Koi-Tsukami」
2016年  歌舞伎NEXT 「阿弖流為」
     ラスベガス Kabuki Spectacle 「KABUKI LION」 獅子王
2017年 「東海道中膝栗毛」
     「氷艶 HYOEN 2017 -破沙羅-」
2019年  三谷かぶき 「月光露針路日本 風雲児たち」
     蝙蝠の安さん
2020年 「幸希芝居遊」


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2020年11月18日

大阪に文楽が帰ってきた その② 錦秋文楽公演 第2部


kinshubunrakunozakimura.jpg第1部終演後、近くでランチした後再び文楽劇場に戻って第2部。
おなかいっぱいになって寝てしまうかもキケンと思いましたが、とてもおもしろかったので大丈夫でした。


令和2年度(第75回)文化庁芸術祭主催
錦秋文楽公演 第2部 
「新版歌祭文 野崎村の段」
「釣女」

2020年11月16日(月) 2:00pm 国立文楽劇場 3列下手


取れた席がたまたま1部と同じ3列12番。
床から遠いしどうかな~と思っていましたが、下手ブロックの一番センター寄り通路側の席でとても見晴らしのよいお席でした。
文楽はとにかくお人形が観たい派なのでかぶりつきを取りがちなのですが、これくらいの方が字幕も楽々見えていいかな。


「新版歌祭文 野崎村の段」
義太夫
中 豊竹睦太夫・野澤勝平
前 豊竹呂勢太夫・鶴澤清治
切 豊竹咲太夫・鶴澤燕三 ツレ 鶴澤燕二郎
人形配役
娘おみつ 豊松清十郎  親久作 吉田和生  久三の小助 吉田簑紫郎  
丁稚久松 吉田文昇  娘お染 吉田一輔  下女およし 吉田蓑之  
おみつの母 桐竹勘壽  油屋お勝 吉田簑助  船頭 吉田玉翔 ほか
(上演時間: 1時間36分)



物語: 油屋の丁稚 久松が商いの金に手をつけたというあらぬ疑いをかけられて野崎村の義父 久作の元へ戻され、久作は女房の連れ子 おみつと久松を結婚させることにして、元々久松に気のあるおみつが大喜びする中、久松と恋仲の油屋の娘 お染が久松を訪ねてきて・・・。


文楽でも歌舞伎でもよく上演される演目ですが、今回はおみつの母が登場するパターンで、平成21年(2009)以来なのだとか。
この形は初めて観るなと思ったのですが、おみっちゃんがなますつくるために大根切るところで、「そうそう、ここ七之助くん 包丁使うの下手だったよね~」と思い出しましたので、「野崎村」自体が歌舞伎で観たことはあっても文楽で観るのは初めてだった模様です。


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2020年11月17日

大阪に文楽が帰ってきた 錦秋文楽公演 第1部


kinshubunraku2.jpg国立文楽劇場 公演再開第1作。
最前列と床前のブロックの9列目まで空席、センターブロック前方席は2席おき、他のブロックは1席おきという万全の体制をとっての上演です。ロビーも客席もとても静か。

少し早く劇場に着きましたので、開演前の三番叟からありがたく拝見しました。


令和2年度(第75回)文化庁芸術祭主催
錦秋文楽公演 第1部 
「源平布引滝」

  矢橋の段/竹生島遊覧の段/
  九郎助住家の段
義太夫
矢橋の段: 豊竹亘太夫・野澤錦吾
竹生島遊覧の段: 実盛 竹本津國太夫  小まん 竹本南都太夫
         左衛門 竹本文字栄太夫 塩見忠太 竹本碩太夫  
         平宗盛 竹本咲寿太夫/竹澤團吾
九郎助住家の段: 中 豊竹小住太夫・鶴澤寛太郎
         次 豊竹靖太夫・野澤錦糸
         前 豊竹呂太夫・鶴澤清介
         奥 竹本錣太夫・竹澤宗助
人形配役
小まん 吉田勘彌  塩見忠太 桐竹亀次  宗盛公 桐竹紋秀  
飛騨左衛門 吉田文哉  斎藤実盛 吉田玉男  船頭 吉田玉峻  
九郎助女房 吉田簑一郎  葵御前 吉田清五郎 倅太郎吉 桐竹勘次郎
百姓九郎助 吉田文司  瀬尾十郎 吉田玉也 ほか

2020年11月16日(月) 10;30am 国立文楽劇場 3列下手
(上演時間: 2時間18分/休憩 15分)



「源平布引滝」の「義賢最期」をとばして、義賢から「源氏の白旗」を託された小まんが琵琶湖へと逃れ、平家方の船に救い上げられたものの斎藤実盛の白旗ごと腕を斬られて絶命。小まんの父 九郎助の住居に匿われている義賢の妻 葵御前の詮議に実盛と瀬尾十郎が現れて・・・という歌舞伎でいうところの「実盛物語」の部分までが描かれています。


「義賢最期」や「実盛物語」は歌舞伎の見取りで何度か観たことがありますが、「矢橋の段」「竹生島遊覧の段」は歌舞伎、文楽を通して多分初めて観ました。

おもしろかったです。
義賢に託された白旗を何としても守ろうとする小まんの心意気に泣けてきます。
「実盛物語」で、斬られた腕と亡骸を繋ぎ合わせると小まんが一瞬息を吹き返すのも、この二つの段を観ているとさもありなんという感じ。
小まんは肝の据わった女性で、腕っぷしも強く、追手の塩見忠太の手下たちをバンバン背負い投げする豪快さですが、如何せん多勢に無勢。琵琶湖に飛び込んだものの泳ぐのに疲れ果てて「もはやこれまでか」と言うところは切ない。
運よく宗盛の御座船に助けられたのはよいけれど、実盛から「これは平家の船」と聞かされて、お礼を言いながらも「まずいっ」という表情になる・・・ように見える・・・ところに目を見張りました。お人形なので表情は変わらないはずなのにそう見えるのは人形遣い(吉田勘彌)さん‘の細かい動きのなせるワザ。ほんと、すごいなぁ。


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2020年10月13日

三谷かぶきをシネマ歌舞伎で観る 「月光露針路日本 風雲児たち」


cinematsukiakari.jpg昨年6月に歌舞伎座で上演された三谷かぶき「月光露針路日本 風雲児たち」がシネマ歌舞伎として帰ってきました。
ムビチケカードも買って、とても楽しみに待っていました。


シネマ歌舞伎 第36弾
三谷かぶき 「月光露針路日本 風雲児たち」
(つきあかりめざすふるさと ふううんじたち)
原作: みなもと太郎
作・演出: 三谷幸喜
美術: 堀尾幸男  照明: 服部基  衣装: 前田文子
出演: 松本幸四郎  市川猿之助  片岡愛之助  八嶋智人
坂東新悟  中村種之助  市川染五郎  中村鶴松  
市川寿猿  澤村宗之助  市川男女蔵  市川高麗蔵  
坂東竹三郎  坂東彌十郎  松本白鸚 ほか
語り: 尾上松也

2020年10月8日(木) 12:40pm なんばパークスシネマ スクリーン10
(2019年6月 歌舞伎座にて収録/上映時間: 2時間18分)



ストーリーや詳細感想は昨年昨年6月に歌舞伎座で2回観たこちら


上演時間172分(2回の幕間除く)だったものを三谷幸喜さんご自身が138分に短縮編集しての上映。
冒頭や途中にも出てきた「教授風の男」こと尾上松也くんの場面はすべてカット・・一本帆柱の船の解説はオリジナルアニメのナレーションになっていて、松也くんの声でした。
犬ぞりの場面で白樺の木に扮した松也くんが映っていましたので、上演期間の後半に収録したものだったのでしょうか。

最初に漂着したアムチトカ島までの、人物紹介的な船上の場面もかなりカットされていました。
磯吉(染五郎)が不器用で三五郎(白鸚)に叱られる場面もなくなっていましたので、磯吉が三五郎の息子ということもわかりにくかったかなー。
それでも、光太夫(幸四郎)を中心に、庄蔵(猿之助)、新蔵(愛之助)、磯吉(染五郎)とそれを取り巻く人々の芝居にフォーカスされてすっきりまとまり、一つの映像作品として違和感なく楽しむことができました。

カメラアングルは比較的オーソドックスで、映像ならではのアップで表情が見られる、というのはあっても、「こんな角度から!?」というオドロキはあまりなかった印象です。
大詰でエカテリーナ号が日本に向けて出航する際、薄いブルーの大きな布が舞台側からふわりと客席頭上を駆け抜けて行く時は、始まりから終わりまで全部映っていて、3階から観るのとも、1階で自分があの蒼い海の底にいた時とも違った視点でおもしろかったです。


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2020年10月07日

九月大歌舞伎 第三部 「双蝶々曲輪日記」 引窓


kabukiza9gatsu.jpeg九月は本来ならば秀山祭の月。
第三部は秀山ゆかりの狂言として「双蝶々曲輪日記 引窓」が上演されました。

この演目はこれまで何度も拝見していますが、上方狂言という印象が強く、播磨屋さんゆかりというのは少し意外な気がしました。
当代吉右衛門さんの濡髪も観たことがなくて「観てみたい」と思ったものの、先に次の観劇予定を決めていたのでスケジュール的に無理かなと当初はあきらめていました。が、上演時間を予想して「ええ~い!ダッシュで行けば何とかなるでしょ」と観ることにしました(実際何とかなってダッシュしなくても余裕で行けた)。

「かさね」は一等席必須でしたので、こちらは普段なら三階で観るところ、チケット代がお安いこともあって少しでも課金をと二等席奮発よ。
この日の歌舞伎座は台風12号による強風のためか懸垂幕がおろされていました。


九月大歌舞伎 第三部
秀山ゆかりの狂言 「双蝶々曲輪日記」 引窓

出演: 中村吉右衛門  尾上菊之助  中村歌昇  中村種之助  
    中村雀右衛門  中村東蔵

2020年9月24日(木) 4:15pm 歌舞伎座 1階17列下手
(上演時間: 1時間10分)



京都近郊 八幡の里。南与兵衛(菊之助)は、父の後妻である義母お幸(東蔵)と女房お早(雀右衛門)と暮らしています。仲秋の名月を明日に控えた日、幼い頃に養子に出されたお幸の実子、相撲取りの濡髪長五郎(吉右衛門)が訪れます。長五郎は主筋への義理で人を殺めてしまい、母に一目会おうとやってきたのでした。そこへ代官にとり立てられ、十次兵衛を名乗ることを許された与兵衛が帰ってきます。与兵衛に命じられた代官としての初仕事は、長五郎を捕縛することでした・・・。


吉右衛門さんの濡髪に菊之助さん十次兵衛、東蔵さんのお幸、雀右衛門のお早、役人の平岡と三原は中村歌昇、種之助兄弟とお江戸の役者さん揃いの「引窓」。
上方歌舞伎を観慣れた目にはとても新鮮。
開演してから、「濡髪吉右衛門さんだけど十次兵衛だれ?だれだっけ?」と考えていて、花道から登場する直前に「そうだ!菊ちゃんだ!」と思い出すくらい、私にとっては意外な配役でした。

濡髪を逃がそうとするお幸、十次兵衛に義理立てして捕らえられようとする濡髪、そしてお幸の思いを察して濡髪を助けようとする十次兵衛。名月が輝く夜、それぞれがそれぞれを思いやる切ない物語にナミダ


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2020年10月06日

九月大歌舞伎 第二部 「色彩間苅豆」 かさね


kabukiza202009.jpg

昨年の巡業 東コースで、初顔合わせとなった幸四郎さんと猿之助さんの「かさね」。
7月にびわ湖ホールで観て、「幕が下りた瞬間、『もう1回観た~い!!』となった演目。歌舞伎座か松竹座の本興行でやっていただけないかしら。」とその時の感想(こちら)に書いたのですが、その願いが叶えられた形。
それでも昨今の情勢を鑑み、観に行こうかどうしようか葛藤した(から案内届いてもしばらく申し込まなかった)のですが、人生明日は何が起こるかわからいなし、後悔ないようにしようと考え直して行くことにしました。

昨年は11回通った歌舞伎座。なーんと、今年初です。


九月大歌舞伎 第二部
「色彩間苅豆」(いろもようちょっとかりまめ) かさね

出演: 松本幸四郎  中村隼人  中村鷹之資  市川猿之助

2020年9月24日(木) 1:40pm  歌舞伎座 1階5列下手
(上演時間: 50分)



武家に仕えていた与右衛門(幸四郎)は、腰元のかさね(猿之助)と道ならぬ恋の果てに心中を約束した仲でしたが、かさねを残して出奔。追ってきたかさねと木下川の堤で再会します。そこへ卒塔婆と鎌の刺さった髑髏流れて来ます。与右衛門が拾って卒塔婆を折り、髑髏に刺さった鎌を引き抜くとさねは悲鳴をあげて倒れ、美しいかさねの顔が見るも恐ろしい形相へと一変します。これは、与右衛門が行った悪事の因果で、実は与右衛門はかさねの母と密通し、父を殺していたのです。与右衛門はその鎌でかさねを殺しますが・・・。


やはり歌舞伎座で観る「かさね」は格別です。
何でしょう?演目の感動は別の何かがふつふつと沸いてきて、幸四郎さん与右衛門がダンッダンッと力強く所作台踏み鳴らす音を聴いていたら涙出てきました。


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