2019年09月09日

宝塚歌劇宙組 全国ツアー公演 「追憶のバルセロナ」


sorazentsu2019.jpg宝塚友の会はもちろん、数々の先行全敗で、「全ツの梅田って、ほんと、チケット取れなくなったよね~」と嘆くことしきりだったのですが、直前になって「チケットご用意できました」のご連絡があって、 と行って参りました。


宝塚歌劇宙組 全国ツアー公演
ミュージカル・ロマン 「追憶のバルセロナ」
作・演出: 正塚晴彦
出演: 真風涼帆  星風まどか  芹香斗亜  寿つかさ  
花音舞  凛城きら 星吹彩翔  桜木みなと  和希そら  
留依蒔世  遥羽らら  華妃まいあ  天彩峰里 ほか

2019年9月1日(日) 4:30pm 梅田芸術劇場メインホール 1階21列下手
(上演時間: 1時間35分)



舞台は19世紀のスペイン。
バルセロナの貴族の嫡子フランシスコ(真風涼帆)は、宣戦布告してきたフランス軍に立ち向かうべく親友のアントニオ(芹香斗亜)と共に参戦します。激しい戦闘の中でフランシスコは瀕死の重傷を負い、旅芸人一座の娘イサベル(星風まどか)の献身的な介抱によって一命を取り留めますが記憶を失ってしまいます。一座と行動を共にしながらやがて記憶を取り戻したフランシスコは伝説の英雄“黒い疾風”に扮してバルセロナへと潜入したフランシスコは、今やフランスの協力者となったアントニオと、彼の妻となったかつての許嫁セシリア(華妃まいあ)の姿でした・・・。


2002年に絵麻緒ゆうさん主演の雪組で上演された作品。
私は子どもの頃から宝塚を観ていますが、ある時期、全く観ていない期間があって、その時期のことを勝手に「宝塚暗黒時代」と呼んでいます。この作品はその暗黒時代の上演なので観ておらず、今回初見です。

19世紀にフランスから宣戦布告された半島戦争時代のスペイン。戦争で散々に打ち負かされてはいても、あくまで抵抗の姿勢を貫くか、フランスとの融和で生きる道を見出すか、スペイン国内が二つに分かれた時代を描いています。
史実や思想的な背景があっていかにも正塚先生らしい作品ですが、そのドラマ性とともに、ロマのスパニッシュから始まり、スペイン兵 vs フランス兵の戦闘を描く群舞、舞踏会やカーニバルなど華やかなダンスシーンもたくさん盛り込まれ、見応えある作品でした。


スペインという国への熱い思いを胸に、誇りを失わずフランスと対峙しようとするフランシスコ。
共和制となったフランスに新しい時代を感じ、フランス軍に協力することで共存していこうとするアントニオ。
「黒い旋風」は市民を扇動しバルセロナを戦場にしていると批判するアントニオ。
祖国を守ろうという強い意志を捨てて生きることは無意味だと主張するフランシスコ。
かつて共にスペインのために戦いながら違う道を生きることになった二人が互いの思いをぶつけ合うシーン、すばらしかったな。
真風さんと芹香さんの互いに一歩も譲らぬ丁々発止のやり取りがとても熱く、迫力たっぷりでした。
どちらが正しいとか間違っているとかではなく、それぞれ国を思いながら対立しなければならない二人が切ない。

真風涼帆さんは、冒頭の品よい王子様キャラ→記憶を失って頼りなげな風情→野性的なロマ(ジプシー)→スペインのために立つ!といった様々な顔を見せてくれて、それらがまた全部ハマって、当たり役の一つに数えられるのではないでしょうか。
酒場でフランス兵たちと乱闘する中で剣を使い、覚醒するフランシスコ、ホレボレするほどカッコよかったなぁ。
どの衣装も似合うビジュアルと立ち姿の美しさ、押し出しの華やかさも強み。
以前は口跡が甘いと思っていた台詞も気にならなくなって、本当に立派なトップさんになったなぁ。

芹香斗亜さんのアントニオがまたよかったな。
ノーブルで頭も育ちもよくて誠実で。
フランス軍に協力する道を選んだなりの苦悩も切なくて、フランス軍に幽閉されたフランシスコとセシリアのお父様を何とか説得して助けようと心を砕く様も説得力ありました。
フランシスコが戦死した(とみんな思っている)後、セシリアに「私はあなたが一番望む場所にいて、あなたを待っています」なんて言う言葉と表情が素敵すぎて、そりゃセシリアも惚れてまうやろ~ですわね。

星風まどかさんのイサベルは勝気で一途なロマの女性。
黒塗りのメイクもよく似合っていて、こんな役もできるのね~。
態度にはアリアリ出ていますが、口ではなかなか「好き」って言わずに強がるところもカワイイ。
フランシスコに「ついて行く」と言って「危ないからダメだ」と言われても、「この子、絶対行くよね」と思わせるところも(笑)。
歌もダンスもビジュアルも高値安定。
セシリアの華妃まいあさんはこの公演が退団公演。
冒頭のフランシスコの婚約者としての場面は、大丈夫か?と思ったくらい感情の見えない台詞まわしでしたが、後半、アントニオの妻としてフランシスコに再会して以降は品よい奥様ぶりで葛藤も苦しみも感じられてよかったです。

甘いマスクに精悍さも加わった桜木みなとさんのロベルト。
場をなごませるような少しおとぼけが何ともかわいい和希そらさんのフェイホオ。
ひげのイケおじで歌がうまくて誰?と思って後で調べた留依蒔世さんのミゲル。
クールビューティに悪役が映える凛城きらさんのジャン・クリストフ。
軽妙ながら存在感抜群の寿つかささんのイアーゴー。
個性的な脇役がそれぞれ場を見せて、物語を重層的なものにしていました。


いつかスペインからフランス軍を追い出す日まで、祖国を愛して強い意志をもってそれぞれ生きて行こう、的な明日への希望を託したラスト。
アントニオやロマの仲間たちがそれぞれ去り、イサベルと二人きりになって、初めて自分の口から「ずっとそばにいてくれ。変わっていく世の中の中で、俺にとって唯一変わらない存在だ」と告げるフランシスコ。幸せいっぱいの笑顔を浮かべて「自分のことのようにあんたのことを考えてるよ」と応えるイサベル。

ここで二人が歌い始める
♪ たとえどんな 苦しみがあろうと
 この時代を 生き抜いてみせよう~

を聴いてピクッとなる・・・この曲、知ってる・・・。

2014年 宝塚歌劇100周年の記念に「TAKARAZUKA BEST SELECTION 100」 という宝塚歌劇の名曲100曲を集めた5枚組CDが出たのですが、その中に入っていた曲でした。
絵麻緒ゆうさん&紺野まひるさんの歌で聴いていたのね。



→ ショーの感想につづく

posted by スキップ at 23:05| Comment(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
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