2019年01月04日

當る亥歳 吉例顔見世興行 夜の部


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2018年の南座顔見世は11月 12月の2ヵ月連続興行。
11月は高麗屋三代襲名で特別な趣きでしたが、12月は昼の部 開演が10時30分で終演は16時5分、16時50分に開演する夜の部の終演時間は21時55分と、「南座の顔見世が帰って来たぁ」感アリアリ。


南座発祥四百年
南座新開場記念
白井松次郎  大谷竹次郎  追善
當る亥歳 吉例顔見世興行 夜の部
2018年12月5日(水) 4:50pm 南座 3階2列センター



第一、義経千本桜
木の実/ 小金吾討死/ すし屋

出演: 片岡仁左衛門  中村時蔵  中村扇雀  片岡孝太郎  片岡千之助  
片岡松之助  坂東竹三郎  片岡秀太郎  市川左團次  中村梅玉 ほか
(上演時間: 2時間25分)


仁左衛門さんで松嶋屋型のいがみの権太を観るのは久しぶりと思って調べたら、2011年9月 浪切ホールで観て以来でした。

10月の「助六」もそうでしたが、まずは仁左衛門さんの変わらない若々しさにオドロキ。
私は仁左衛門さんのやわらかな上方ことばが大好きなのですが、権太はそのやわらかさに威勢の良さと愛嬌も加わり、何とも言えない味わい。強請りたかりをしても悪態をついてもどことなく可愛げがあって憎めない。姿形のよさは言わずもがなですが、品もあって裕福な商家の出という育ちの良さが感じられます。

口では憎たらしいことを言っても心の底では妻の小さんのことを愛しているのが感じられるし(小せんの秀太郎さんとも息ぴったり!)、息子の善太郎にはほんとにメロメロっていうくらい愛情を注いでいるのがよくわかります。権太が善太郎に見せる何とも愛情あふれた表情を見ていて、あぁ、ボタンの掛け違えさえなければこの家族は笑ったり泣いたりケンカしたりしながら、市井の片隅で仲良く暮らしていったのだろうなぁと思うと本当に切なくなりました。「木の実」でこの善太郎との場面があるので、後の「すし屋」での悲劇がより一層際立ちます。


あんなに可愛がっていたわが子を犠牲にするのってどんな思いだったでしょう。若葉の内侍と六代に見立てた妻と子に「面ぁ あげんかいっ!」と足で引っ立てる時に一瞬躊躇して意を決したようにするところとか、「煙が目にしみらぁ」と言って涙をごまかすところとか、引っ立てられる二人を見ていられなくて羽織を頭からかぶってしまうところとか、そしてもちろん、引っ立てられていく小さんと視線を交わすところとか・・・もう切なすぎて涙ナミダ
茶店で「もっとええもん買うたる」と言って善太郎から取り上げた笛の袋をいつも腰にぶらさげていて、断末魔でその笛を取り出して息絶えだえに吹く権太。苦しそうな権太の表情が涙の向こうにかすんで見えました

今回、弥助実は三位中将維盛を時蔵さん、権太の父 鮓屋弥左衛門を左團次さん、そして梶原平三景時を梅玉さんと江戸の役者さんが演じられているのが、いかにも顔見世 東西合同大歌舞伎だなぁと思いました。
弥左衛門女房お米は私が観た時は竹三郎さんでしたが、その後ご体調を崩されて休演。大事ありませんように。

小金吾が千之助くんで、若葉の内侍の孝太郎さんと揃って仁左衛門さんと親子三代共演です。
「千之助はまだ舞台経験も少ないですが、無理な荷物を背負わさないと。自分に相応な荷物ばかりを背負わしていると芸が身に付かない。30キロの荷物しか持てないところに、60キロを背負わす。60キロが持てなくても、次に挑戦したときの30キロは楽になるんです」と会見でおっしゃっていた仁左衛門さん。
確かに、いろいろ足りない部分も見えましたが、力いっぱい挑戦している姿は清々しい。この経験がきっと次の糧になると信じています。


第二、面かぶり
出演: 中村鴈治郎
(上演時間: 20分)


初めて観る舞踊でした。
名刀鬼切丸の精霊が童子姿で現れ、子どもの遊びをとり入れた面白い振りで踊るというもの。
いや、先にそれ読まなかったので全然わからなかったけれども(笑)。
小柄でころころしておかっぱ頭でいかにも童子そのもののような鴈治郎さんが猿の面をかぶったり、衣装を引き抜きもしながらキビキビと踊る姿は観ていて楽しくも気持ちよかったです。
最後は「駆けとん駆けとん 乗りかけとん~」と馬に見立てた馬具を使ってタップダンスみたいにぽかぽか走り、笑顔で幕となりました。


第三、弁天娘女男白浪
浜松屋見世先より稲瀬川勢揃いまで

作: 河竹黙阿弥
芝翫  市川右團次  中村亀鶴  中村福之助  片岡市蔵  片岡孝太郎  中村鴈治郎 ほか
(上演時間: 1時間10分)


演目が発表された時、「愛之助さんが弁天小僧?!」と驚いたのですが、以前永楽館歌舞伎で演じられたことがあるのだとか。
思いのほか(と言っては失礼ながら)よかったです。愛之助さん、やればできる子。
すっきりした美貌で華やか。見顕ししてからは本領発揮。声もよく通り、芝居が大きくて立派な弁天小僧でした。
武家娘の時は声や話し方は少々つくり過ぎかなという印象でしたが、すっきりした美貌で華やか。
見顕してからは本領発揮。声もよく通って黙阿弥の七五調のセリフがよくキマり、芝居も大きく立派な弁天小僧でした。

右團次さん南郷力丸とのコンビ感もとてもよかったです。
芝翫さん日本駄右衛門はどっしり。
最初に出てくる狼の悪次郎がキリッとカッコよくて「誰?」と思ったら松十郎さんでした。
鳶頭清次の亀鶴さんもよくハマっていました。
十一月の「雁のたより」でちょっと小生意気な下剃の安を演じていた千太郎くんが返事が長~い丁稚でのびのび。

孝太郎さん赤星十三郎、鴈治郎さん忠信利平も加わっての「稲瀬川勢揃い」は華やか。
ちょっぴり上方み多めの白浪五人男 顔見世ならではでした。


第四、三社祭
出演: 中村鷹之資  片岡千之助
(上演時間: 15分)


終演時間遅いし、もうこれ観ずに帰っちゃおうかな・・と思いましたが、帰らないでよかった。とてもよい踊りを見せていただきました。
鷹之資くん 19歳、千之助くん 18歳。溌剌とした三社祭です。

舞踊に疎いワタシでもわかる鷹之資くんの舞踊のすばらしさ。
キビキビしているのだけど、手の上げ方、足の運び方が本当にやわらかくて、緩急自在とはまさにこのこと。
時折 富十郎さんの在りし日の姿が重なって、ウルウルしてしまう場面も。
それにしても、八月納涼歌舞伎「東海道中膝栗毛」の地獄踊りでも感じましたが、すでに成熟した感のある鷹之資くんの踊り。この先どうなっていくのでしょう。

そんな鷹之資くんに食らいつくように軽快に踊る千之助くんも立派。
若い汗が迸るような踊りで、時間が遅いのも忘れて気持ち良く打ち出されました。


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そんな千之助くんにはB’zの松本さんから竹馬が。
幕間にはとらやさんでお抹茶をいただきました。
12月15日まで限定の季節の生菓子「玉手箱」とともに。




昼の部もチケット取ってたのに重い腰がどうしても上がらなかったのぉ の地獄度 (total 1998 vs 2002 )


posted by スキップ at 22:50| Comment(0) | 歌舞伎・伝統芸能 | 更新情報をチェックする
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