2018年10月09日

宿敵でまたとない友 「ナイツ・テイル」


knightstale.jpgプリンスと呼ばれる二人-堂本光一くんと井上芳雄くん初共演で話題沸騰のミュージカル。
「レ・ミゼラブル」はじめ数々の作品を手がけてこられたジョン・ケアードさんにとっても、日本の劇場に向けて新たなミュージカルを書き下ろし、演出されるのはこれが初めてのことだそうです。

当然チケ難で、全く取れる気がしない・・・と思っていたのですが、最初にエントリーした先行であっさり取れて
 

流麗な楽曲とのびやかな歌唱、ふんだんに盛り込まれたダンス、迫力たっぷりの戦闘シーンや殺陣、洗練のキャスト、ウイットとユーモア・・・祝祭感にあふれた、とても贅沢なミュージカルでした。


ミュージカル 「ナイツ・テイル -騎士物語-」
原作: ジョヴァンニ・ボッカッチョ 「Teseida」
    ジェフリー・チョーサー 「騎士の物語」
    ジョン・フレッチャー/ウィリアム・シェークスピア 「二人の貴公子」
脚本・演出: ジョン・ケアード
音楽・歌詞: ポール・ゴードン
編曲: ブラッド・ハーク
振付: デヴィッド・パーソンズ
日本語脚本・歌詞: 今井麻緒子
出演: 堂本光一  井上芳雄  音月桂  上白石萌音  
岸祐二  大澄賢也  島田歌穂 ほか

2018年9月27日(木) 1:00pm 梅田芸術劇場メインホール 1階8列(5列目)上手
(上演時間: 3時間5分/休憩 25分)



image1 (8).jpg
いつになくリキ入って「ナイツ・テイル」仕様の梅芸



image1 (7).jpg  image2 (4).jpg

光一くんの前はいつも写真を撮る人だかり



物語: アーサイト(堂本光一)とパラモン(井上芳雄)はテーベの騎士で従兄弟同士。厚い友情を誓い合い、騎士としての誇りと名誉を何よりも大切に生きていました。戦争により敵国アテネの大公シーシアス(岸祐二)に捕虜として捕えられ、同じ牢獄で過ごしていた2人は、ある日シーシアスの美しき妹・エミーリア(音月桂)を牢獄の窓から見かけて同時に恋に落ちてしまいます。
親類により保釈金が支払われたアーサイトはアテネから追放されますが、残ったパラモンがエミーリアに近づくのではないかと気ががりで、テーベへ戻る道中に出会ったジェロルド(大澄賢也)率いる森の一座にダンサーとして加わり、エミーリアの誕生祝賀の宴に出演する機会を得ます。一方パラモンは、食事の世話をしてくれる牢番の娘(上白石萌音)の手引きで脱獄します。エミーリアに再会したアーサイトは、ヒポリタ(島田歌穂)の計らいもあって彼女に仕えることになりますが、シーシアスやエミーリア達と狩猟に出かけた森でパラモンと再会します・・・。


フレッチャー・シェイクスピア合作の「二人の貴公子」といえば、宝塚歌劇月組 バウホール公演 「二人の貴公子」(2009年3月/龍真咲・明日海りお主演 まさみり なつかしい)や蓬莱竜太脚本、栗山民也演出、中村獅童・片岡愛之助主演という鳴り物入りの「赤い城 黒い砂」があります(観たのにどちらも感想書いてない

今回はそれを原案にしたジョン・ケアードさんのオリジナルということですが、設定はほぼ同じで、牢番の娘のくだりを含む結末が変更されていて、祝祭劇の色濃い明るい物語になっています。元々「喜劇」に分類されている戯曲なのでユーモアもたっぷり。

アーサイトとパラモンは同じ女性 エミーリアを愛してしまって、「僕が先に(彼女を)見た」と意地を張り合い、自分がいない間に相手が彼女に近づくのではないか?と猜疑心を募らせたりもしますが、結局二人の友情や互いへの信頼が揺らぐことはありません。
まさに「宿敵でまたとない友」という訳です。

それでは恋の行方は?となると、エミーリアは最初からアーサイトが好きで両思い、パラモンはといえばずっと自分を見つめ続けてくれていた牢番の娘の深い愛と彼女の魅力に気づく、という何とも都合のよい(笑)ハッピーエンディング。あー、シェイクスピアの喜劇って、こんな感じだよね~と思いました。

観ていてとても楽しく、大団円は多幸感にあふれています。
光一くん、芳雄くん、それぞれのファンにとっても満足な作品だと思うのですが、個人的には「もう一つ欲しい」と思ったのが正直なところ。
二人それぞれに見せ場をつくって、どちらも魅力的なイイ男にして、サラサラと流れていく感じ。
せっかく二人の共演なら、「宿敵」にならざるを得ない運命とか、愛憎相半ばするようなヒリヒリとしたライバル譚が観たかったなぁと思いました。
毒が足りないというか、どちらかが血も涙もない極悪人でもよかったなー・・・悪役フェチとしてはめちゃ萌えるところですが、悪役にまわった方のファンの人はそれでは納得できないかしら(笑)


美術や衣装、音楽は和洋折衷モード。
舞台装置は全体的にモノトーンの二階建て。「枠組み」強調な印象で、森の木も葉っぱ少なめのシルバー。
中央にはクモの巣をイメージしたような大きな木枠がありました。円形のステージでは篝火が焚かれたり。
舞台の上手下手に階段があって、役者さんはその上に立って演技もします。
そんな中、エミーリアの誕生祝の宴だけが赤・白・黄色の小さな花々に彩られて祝祭感を盛り上げます。

主役の二人のカッコいい軍服は日本の鎧や甲冑のイメージ。襟合わせなんて着物みたいな雰囲気でした。

そして音楽は、通常のオーケストラピットに、舞台奥で和太鼓や笛、津軽三味線の生演奏が加わって、何だか素敵にジャパネスク。
土着的神事や儀式を思わせるダンスシーンもあって、ジョン・ケアードさんは海外での上演も視野に入れていらっしゃるのでしょうか。


堂本光一くんの舞台を観るのは「Endless SHOCK」以来。
調べたら2006年でした(こちら)・・・12年前って

二人並んだアーサイトとパラモンを見てアテネの女たちが「あっちよ、背が低い方よ」とアーサイトのことを言う場面で客席からも笑いが起こりましたが、見た目は小柄(特に芳雄くんと並ぶと)で華奢ながら、とても華があるスターの存在感。そして王子感(笑)。
お得意の華麗なダンスはもちろん、殺陣はキレッキレ、剣を持って構える姿がとても美しくして見惚れました。
歌手とはいえミュージカルの世界ではアウェイであろう歌も思ったよりずっと力強くて、芳雄くんの声と相性がいいのかハーモニーもとてもよく響いていました。

井上芳雄くんはさすがの声量で劇場じゅう響きわたる美声に聴き惚れます。
長身に甲冑がよく映えて端正な佇まい。こちらもやはり舞台の真中に立つ人だなぁという存在感と輝きを放っていました。
光一くんとのデュオでは高音部を担当していたのかな。
お芝居の面でも光一くんとのコンビネーション抜群でいかにも「喧嘩するほど仲がいい」といった趣きのバディ感がありました。。
二人とも笑わせ部分(?)も軽くクリア。
同い年の二人・・・この二人でミュージカル作品を、ってケアードさん、何てこと考えてくれるんだと思いましたが、ご慧眼 恐れ入りました。

コケティッシュで華やか。品のある美しさばかりでなく芯の強さが感じられるエミーリア 音月桂さん
アマゾンの女王らしい誇り高さと強さの中に滅びゆく王族の苦悩も滲ませたヒポリタ 島田歌穂さん
小さな体にのびやかな歌声。健気さと信念を曲げない強さを併せ持つ牢番の娘 上白石萌音さん
-3人の女性のキーワードは「強さ」。
この物語はまた、しなやかで強く、機知に富んだ女性たちの物語でもあるなぁと感じたのでした。



image2 (3).jpg



カーテンコールの歌詞カード配布されましたが、え?ここ?と思っている間に終わっちゃった のごくらく地獄度 (total 1968 vs 1973 )



posted by スキップ at 23:13| Comment(0) | 演劇・ミュージカル | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください