2018年05月22日

4月文楽公演 第2部


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4月文楽公演 第2部は「彦山権現誓助剣」の半通し上演。

こちらの画像は4月国立文楽劇場(左)と5月国立劇場(右)のポスター。
同じ演目で同じ六助さんとお園さんですが、構図が違っているのね。


歌舞伎の「毛谷村」は見取り上演されてよく観ている好きな演目で、これを文楽で観るのはさぞ楽しかろと思っていました。
2011年には松竹座で片岡仁左衛門さんの六助で「通し狂言 彦山権現誓助剱」(あんまりおもしろくてチケット追加して2回観た)も観ていますので、物語も完璧よ、と思っていたら、まだまだ知らない場面があったのでした。


4月文楽公演  第2部 
2018年4月28日(土) 4:00pm 国立文楽劇場 1列上手

彦山権現誓助剣 
須磨浦の段 (上演時間: 48分)
太夫: 竹本三輪太夫  竹本小住太夫  豊竹咲寿太夫   
三味線: 鶴澤清友 ほか

瓢簞棚の段 (上演時間: 1時間17分)
太夫: 豊竹希太夫  竹本津駒太夫   
三味線: 鶴澤寛太郎  鶴澤藤蔵  鶴澤清公

杉坂墓所の段 (上演時間: 37分)
太夫: 豊竹亘太夫  豊竹靖太夫   
三味線: 野澤錦吾  野澤錦糸

毛谷村六助住家の段 (上演時間: 1時間22分)
太夫: 豊竹睦太夫  竹本千歳太夫   
三味線: 野澤勝平  豊澤富助
人形: 吉田玉男  吉田和生  吉田玉志  吉田勘壽  吉田玉佳  吉田玉勢 ほか



こんな場面初めて・・・だったのは「瓢簞棚の段」。


「須磨浦の段」で、お菊から父・吉岡一味斎の仇と狙われたものの返り討ちにした京極内匠。
お園(お菊の姉)は夜鷹に変装して京極内匠を探すうち、お菊のお供 友平と再会し、妹のお菊が何者かに殺されたことを知ります。友平はお菊の遺髪とその時落ちていたへその緒の入ったお守袋をお園に渡し、お菊を守りきれなかった無念を悔いて切腹します。友平が死の直前、池にへその緒を投げ込むとにわかに池の水が逆巻き泡立って、それに引き寄せられるように京極内匠が現れます。この池はかつて明智光秀が名剣蛙丸を沈めた池であり、久吉が明智の首を洗った池でもありました。そして、京極内匠は実は明智光秀の遺児だったのでした(驚)。父の亡霊に導かれた内匠が池のほとりから蛙丸を発見すると、お園の懐中の香炉(久吉所縁の千鳥の香炉)が音を発します。あやしく思ったお園は内匠に攻撃を仕掛けるが、内匠も反撃。お園は太刀筋から目の前の男が探し求めていた父の仇であることに気づきますが、内匠はひらりと彼女をかわして逃げてゆき、お園も後を追って行きます・・・。


最初に姿を現したお園(吉田和生)は夜鷹に扮していて艶やかでしっとりした大人の女性という印象。
そのお園さんが京極内匠(吉田玉志)相手に鎖鎌を振り回すのに驚愕。
お園さんといえば力持ちで武芸に秀でた女丈夫ですが、それにしても鎖鎌って(笑)。

ラストで京極内匠が瓢箪棚から跳び下りたのにもびっくり。
もちろん人形と一緒に人形を遣う玉志さんも跳び下ります。
前触れもなく突然飛び降りたので客席からもどよめきが起こっていました。
結構高さがあるのに、人形は一切姿勢が崩れず美しい立ち姿、玉志さんもすぐ立ち上がって何ごともなかったかのように去って行かれました。シビレる。

この段の語り 津駒太夫さん、三味線 藤蔵さんもとてもよかったです。
今回、語りはみんなよかったですが、もう一人印象に残ったのは「毛谷村六助住家の段」奥の千歳太夫さん(三味線は豊澤富助さん)
千歳さんの普段の語り(というのか?)とそれぞれの役になる・・特にお園さんになる時の落差がすばらしい。六助が父の決めた許嫁とわかって嫁になると迫るところは本当に乙女。身ぶりも乙女で体をくねらせて語っていて、思わず笑ってしまいました。

お園を遣う和生さんがまた可愛らしくて。鎖鎌(印象強烈なので再び)とのギャップね。
押しの強い押しかけ女房なのですが、かわいらしさ満点で、それなのに男勝りな面もチラチラのぞかせていて、三三九度のお酒を一気飲みしていて、ここでも笑ってしまいました。

六助は玉男さん。カッコいい!(玉男さんに関しては「カッコいい」しか言っていない)
玉男さんが遣うと人形ではなくて玉男さんばかり観てしまうのが難点ですが、悠々として何があっても動じない大きさや胎のすわった男気が感じられる六助。

「毛谷村」は六助の人のよさが際立っていて、それで「卑怯未練の微塵弾正」京極内匠の憎々しさも沸点に、という展開。
まぁ、武芸の達人で虚無僧姿のお園さんを偽物とすぐ見破れるのに、京極の母への孝行話に簡単に騙される六助ってどーなん?という気がしないでもないですが。
大詰は、お園、お幸から贈られた梅と椿の一枝を背に差し、お菊の遺児 弥三松を抱いていざ仇討ちへ、というカッコよくも希望の見える幕切れ。
あー、楽しかった。



4月文楽 昼夜ともに満喫 のごくらく度 (total 1913 vs 1919 )


posted by スキップ at 22:42| Comment(0) | 歌舞伎・伝統芸能 | 更新情報をチェックする
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