2018年01月31日

その路の先にあるものは 雪組 「ひかりふる路/SUPER VOYAGER!」


hikarifuru.jpg雪組トップ 望海風斗さん。真彩希帆さんお披露目公演。
ただ今絶賛東京公演中ですが、私が観たのは1ヵ月以上も前の宝塚大劇場です。

宝塚歌劇 雪組公演
ミュージカル 「ひかりふる路 ~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~」
作・演出: 生田大和
レヴュー・スペクタキュラー 「SUPER VOYAGER!」
-希望の海へ-

作・演出: 野口幸作
出演: 望海風斗  真彩希帆  彩風咲奈  梨花ますみ  彩凪翔  朝美絢  永久輝せあ/夏美よう  沙央くらま ほか

2017年11月14日(火) 11:00am 宝塚大劇場 1階27列下手/
12月7日(木) 11:00am 1階4列センター
(上演時間: 3時間/休憩 30分)



「ひかるふる路」

宝塚歌劇の登場人物としては超有名人のマクシミリアン・ロベスピエール。
フランス革命を背景に、「自由・平等・博愛」という理想に燃えた若者が頂点へ上りつめ、恐怖政治へと駆り立てられ仲間を粛清し、自ら破滅する物語。

ルイ十六世の裁判、処刑から始まり、ジロンド派の陰謀によって盟友であるダントン(彩風咲奈)との間に亀裂が生じ、彼を排除して恐怖政治の独裁者へと進んで行くロベスピエール(望海風斗)。
それと平行して、革命で家族や婚約者を殺され、ロベスピエールに殺意を抱いてパリへやってきた貴族の娘・マリー=アンヌ(真彩希帆)との運命的な恋が描かれています。
フランク・ワイルドホーン全曲書き下ろし、という、「歌えるトップコンビ」にこの上ない贅沢な作品。
聴き応えのある楽曲を望海さん、真彩さんが歌いあげて耳福。


ロベスピエール、ダントン、デムーランというとどうしても「1789」を思い出してしまいますが、高い志を胸に掲げ、ともに歩んできた3人が辿る末路が知っていてもやはり切ない。

ロベスピエールの独裁と粛清が激しさがどうしようもなくなった時、「ジョルジュを呼びましょう」というリュシル(デムーランの妻・彩みちるちゃん とてもよかった)。
追放されていたダントンが戻ってきてロベスピエールを食事に誘って説得を試みるも失敗→処刑されるまでの流れがこの物語の中で一番好きでした・・で、一番泣くポイントでもあります。
捕えられたダントンが「すまん。失敗した」という視線の先には同じように捕えられたデムーラン(沙央くらま)とリシュルがいて、「ううん」というようにちょっと笑顔でダントンを迎えて、「先に行ってるぜ」とロベスピエールに言葉を遺して処刑されていくダントン。
ダントンは処刑されることに対してロベスピエールに対する怨みなどは一切なくて、ただ彼を止めることができなかった=救うことができなかったことだけが心残りだったのかな。自分の思いを全部ロベスピエールにぶつけて、やりきった感に満ちた最後。

彩風咲奈さん演じるダントンがべらぼうにカッコよかったです。
ダントンという役も、それを演じる彩風さんも。
男気あって行動するタイプで、女の扱い上手くて色気もあるけど愛妻家。
咲ちゃん、「ルパン三世」の次元あたりから感じていましたが、めちゃめちゃいいオトコになりましたなぁ。


周りには信頼できる人は誰もいなくなり、・マリー=アンヌの真実もわかって絶望するとともに本当の自分を取り戻したロベスピエール。
「粛清されるべき人物がいる」と遺した言葉どおり、処刑台に上ることになります。
牢獄で再会したマリー=アンヌが「ただ一つの誤算はあなたを愛してしまったこと」と愛を確かめ合いながらお、釈放される彼女の背中を押し、自分はただ一人断頭台へ上っていくラストも、宝塚にありがちな2人で昇天・・というのとは違っていてよかったです。
最初にルイ十六世が上っていった階段を、最後にはロベスピエールが同じように上って行く、というラストがとても印象的でした。


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ギロチンをイメージしたと思われる開演前の幕。
物語の中ではギロチンそのものはビジュアルとして登場せず、ホリゾントの赤で表現する演出もよかったです。


望海風斗さん。
お芝居も歌もさすがの安定感で、見惚れ聴き惚れます。
トップ就任、本当におめでとう!
ダントンの裏切り(と思っている)からの「恐怖政治だ!」に目覚めるあたりがちょっと唐突すぎる感じがしましたが、これは望海さんではなく、脚本や演出の問題。

真彩希帆さんも歌うまさんでのびやかで綺麗な声。
望海さんとの声の相性もよくて2人のデュエットは本当に耳福。
殺意と恋の間で揺れ動くマリー=アンヌは難しい役ですがお芝居も上手い・・・恨み忘れて好きになるの早過ぎない?と思いましたが、これも脚本の問題。
ショーになるとちょっと埋もれてしまう感がありますので、メイクや髪型、がんばってね。

熱血漢の彩風ダントンと対照的な怜悧なサンジュスト朝美絢さんも印象に残りました。
お芝居終わって休憩になって、「あれ?ナギショー出てなかったやん」と配役確認しに行って、マノン・ロラン夫人: 彩凪翔 と知ってひっくり返りそうなくらい驚く。
あのいかにもクセ者の夏美ようさんタレーランといわくありげな色っぽい美女がナギショーだったのね!




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「SUPER VOYAGER!」

「VOYAGER(ヴォイジャー/航海者)」をテーマに、望海風斗のトップスター就任と新生雪組の「船出」を盛大に祝福する颯爽絢爛なレヴュー作品・・・ですって。
「望(HOPE)」「海(OCEAN)」「風(WIND)」「斗(BIG DIPPER)」と望海さんの名前を場面に入れて、新トップスターをフィーチャーしたつくり。
望海さんのこれまでの足跡をたどる「DIARY」の場面なんて、サヨナラ公演かと思いましたワ。

沙央くらまさん、朝美絢さんの美女、永久輝せあさんの超絶スタイルのダルマ、綾凰華さんの白い衣装のロケットボーイ(銀橋ロケット 迫力ありました!)など、さながら「女装まつり」の印象。

中でも、朝美絢さん赤いドレスのがマリアンヌに扮する「WIND」の場面。
11/14に観た時、私はA席でその前のS席は年配のおじちゃんおばちゃんの団体さんだったのでした。
宝塚のショー的にはお約束のよくある「女を取り合う刃傷沙汰」で、「これはだいもんかあーさのどっちが撃たれるヤツやな」と思いながら見ていると、案の定、手に手を取って・・というところで撃たれて倒れるあーさ。
そこで一斉に「あ~あ」と声を挙げるおじちゃんおばちゃんたち。
「かわいそうになぁ」と口々につぶやくおばちゃんたちに、「浮気はしたらあかんっちゅうことや」とおじちゃん。
ショーの一場面、それも台詞のないダンスシーンにこれだけ入り込んでもらえて、野口先生も本望であろ。

野口先生といえば、テーマ曲の歌詞が「俺が目覚めさせてやる MOUTH TO MOUTH」とか「腰GUI GUI GUI」とか「壁DON DON DON」とか並んでいるのですが、そういう作風なのかな?(笑)


客席降りのポンポン振りとか、望海・真彩の「第九」とか、彩風さんが黄色いジャケット着て踊りまくる場面とか、沙央くらまさんの卒業ソングとか、彩凪・朝美中心のジャニーズみたいな「暴風雪」とか(この場面の役名、ショウやジュンやセアはまだしも、陽向春輝=ハルキチ 眞ノ宮るい=ウエンツって)、彩風さんのマタドールとか、「アンダルシアに憧れて」の男役群舞とか、見どころ連打で2回ではとても目が足りませんでした。

パレード:
エトワール 沙央くらま
永久輝せあ
朝美絢
彩凪翔
彩風咲奈
真彩希帆
望海風斗

一人ずつ降りでシンプルなパレード。
望海さん、真彩さん 改めてトップおめでとう。
そして彩風さん、二番手羽根おめでろう。


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公演カクテルは雪組カラーをイメージして、フランスのリキュール酒「シャルトリューズ」とキウイシロップ、ソーダを合わせたもの。
ポンポンももちろん買ったさー。



ロベスピエールは物語によって描かれ方が様々 のごくらく地獄度 (total 1870 vs 1872 )



posted by スキップ at 23:40| Comment(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
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