2017年10月14日

一人二役復活! 「髑髏城の七人」 Season 風


dokurojokaze.jpg3月30日に上演が始まった「髑髏城の七人」も3シーズン目に突入。

鳥のキャストが発表された時点で中島かずきさんが「残る風か月かではオリジナル通り捨之介と天魔王を一人二役にする」とおっしゃっていて、とても楽しみにしていました。
その二役をやるのが松山ケンイチくんというのは予想のナナメ上を行くキャスティングでしたが。

9月22日に舞台を観て、感想書けないでいるうちにライブビューイングも観ちゃったので、合わせての感想を。


ONWARD presents 劇団☆新感線 「髑髏城の七人」 Season 風 
Produced by TBS 
作: 中島かずき
演出: いのうえひでのり
美術: 堀尾幸男   照明: 原田保 
衣装: 前田文子  竹田団吾   音楽: 岡崎司 
殺陣指導: 田尻茂一  川原正嗣 
アクション監督:  川原正嗣 
映像: 上田大樹 
出演: 松山ケンイチ  向井理  田中麗奈  橋本じゅん  山内圭哉  
     岸井ゆきの  生瀬勝久  河野まさと  逆木圭一郎  
     村木よし子  礒野慎吾  保坂エマ ほか

2017年9月8日(土) 2:00pm IHIステージアラウンド東京 2列センター/
ライブビューイング: 10月5日(木) 12:30pm なんばパークスシネマ シアター5
(上演時間 3時間40分/休憩 20分)



一人二役、すなわち、捨之介と天魔王がともに織田信長の影武者だった設定も復活。
「影武者でありながら生き残った者(捨之介)と影武者を犠牲にして生き残った者(沙霧)の対比が鮮明。
「捨之介は絶対女を斬ったりなんかしない」の場面と台詞も復活。

・・・と、「あぁ、やっぱり一人二役好きだぁ~」と思う場面が多々あって、「髑髏城は断然一人二役」派のワタシとしてはうれしい限り。
その一方で、捨天を別の役者さんが演じるのに慣れてしまっている自分を発見して少しとまどいも感じました。
それは、もしかしたら、中島かずきさんにもいのうえひでのりさんにもあったのではないかと思ったり(おこがましい)。


たとえば、前述した場面。
髑髏城で捨之介のなりをした天魔王を見て、「捨之介は絶対女を斬ったりしない」と沙霧だけが天魔王であることを見抜くシーン。
2011年 ワカドクロで捨之介・天魔王を小栗旬くんと森山未來くんで分けると発表された時、「え?じゃあ あの『捨之介は女を斬らない』ってとこはどうなるの?」と相方に言ったくらい、沙霧がこの人物が捨之介ではなく天魔王だと見抜くこの場面は大切に思っています。
ワカドクロ以降、「女にはわかるものよ」という言葉で片付けられる見破りのシーンに何となくモニョッてもいたので、今回この場面の復活は大変喜ばしい。
が、その後に、鎧と仮面をつけられた捨之介が現れてまた沙霧だけが「捨之介だ」と見破るシーンが重ねられるのですが、この場面、必要ですか?
これは、捨之介と天魔王を別人がやる(つまり顔が違う)時のため2011年版からつけ加えられたものではなかったのか。
しかもこの場面があるために、捨之介は蘭兵衛の最期の瞬間にその場にいないなんてことになるし。

今回、メイクも衣装もかなりリアル寄りで、蘭兵衛も天魔王も「鳥」と違ってちゃんと黒髪で(笑)、天魔王は髭もたくわえてとても信長に似せた造形。
それでも皆が天魔王を見て「捨之介!?」と驚くのは顔が瓜二つという前提があってこそで、そこがこの一人二役設定の醍醐味でもあり、役者さんの力量が発揮できるところでもあるでしょう。
だからその顔をわざわざ隠すようなシーンは無駄だし、それならばむしろ、一幕の早い段階で天魔王の顔を観客に見せておく方がよかったのではないかと思った次第です。
一度だけ捨天の早替りがあって、前方席だったこともあって歌舞伎を見慣れている目には「あ、あそこで別の人と変わった」とか思いながら観ていたのですが、近くの席からも「おお!」とどよめきが起こっていましたので、それはそれで効果あったかと。

松山ケンイチくんの二役はどちらもよかったですが、特に捨之介は、女好きでちょっぴり調子よくて私が思うオリジナルの捨之介に近い役づくりで好きでした。
「蒼の乱」で経験もあるし、NHK大河ドラマで主演していたくらいなので殺陣の基礎も習得済みでしょうが、それにしてもキレッキレの動きには驚きです。
終盤に見せた側転はあまり綺麗な形ではなかったですが(舞台を観た時にたまたまかな、と思いましたがライビュでも同じだったのであれが精一杯なのかも)、足を惜しげもなく晒しての回転技とか躍動感たっぷり。
口跡よく台詞の声もよく通るし、捨之介の拵えのまま天魔王と身バレするところなんて声色も表情も瞬時に一変して二役の演じ分けも鮮やか。
劇中2回、歌舞伎ふうの見得をする(口調も)ところがありましたが、あれはいらないかな(多分 演出なのでしょうけれど)。

向井理さんはその顔の小ささにまずびっくり(←そこ?)
蘭兵衛と極楽太夫など役者さんたちが客席前ギリギリのところまで舞台前方に出て来て並んで芝居するシーンがいくつかあって、2列目センター席からは目の前だったのですが、他の誰よりも顔が小さかった・・・じゅんさん贋鉄斎も「あの顔の小さいシュッとしたヤツ」と蘭兵衛のことを言っていました。
殺陣についてはアレコレ言われている通りですが、少なくともこの役に彼を配役した側(プロデューサーとか演出とか)にもっと見せ方の工夫なり演出があってもいいのではないかと思いました・・・とは言うものの、殺陣できないからってプロジェクションマッピング相手にというのはどーなの?
殺陣より気になったのはむしろ芝居の方。
淡々としているというか、感情がまるで籠っていないように聞こえて、ああいう役づくりなのか演出なのかわかりませんが、表情も変化に乏しく、2列目で観ていてそう感じるくらいなので、果たして劇場全体に蘭兵衛の生き様を伝えられているのか甚だギモン。

そうそう、蘭兵衛といえば、「野心に生きるは遅すぎる 女に生きるは初すぎる  夢に生きるは切なすぎる・・・」の台詞が髑髏城に向かう黄泉の笛の場面に戻っていました。登場の場面で唐突に言うより断然いいよね!

田中麗奈さんの極楽太夫は綺麗ですが、普通の女の子っぽいというか、「生き地獄を見てきた」ような女性には見えませんでした。
兵庫&関八州荒武者隊に無界の里の女たちとともに「あなたの思いは叶わない」「(もらったお金で)綺麗になる!」と煙に巻くところはイキイキ可愛かったので、近寄りがたい伝説の太夫というより、可愛く親しみやすい系のキャラクターで行った方がよかったのではないかしら。

贋鉄斎は橋本じゅんさん。
古田新太→池田成志ときての登板ですからハードル高かったと思いますが、どちらかといえば古田さん版を踏襲するキャラクター(ただし男色入り)という感じで、楽しかったしさすがの安定感でしたが、「じゅんさん、もっと」と思わないでもなかったです。
もっと違う造形でもよかったのではないか、とか、そもそも今回の髑髏城で贋鉄斎が笑い担当みたいになっているのもどうかな、と。
まぁ、捨之介が訪ねて来た時、「えーっと、今の名前はL?」と言ったのには爆笑しましたが。

無界の里に行く時乗っていた馬が「黒馬鬼」だとライビュで気づきました。
舞台観た時は「クロマティ」と呼んでいると思っていたのす。その前の場面でクロマティのことを言っていたので。
黒馬鬼は「蒼の乱」でじゅんさんが演った役(馬だけど)で、将門小次郎こと松山ケンイチくんの愛馬。小ネタ効いていますワ。じゅんさんはお得意のコール&レスポンスもやってくれますが、ライビュの時は「全国の映画館のみなさぁーん!」とカメラに呼びかけてくださっていました。

この座組の中で、生瀬勝久さんの狸穴二郎衛門と山内圭哉さんの抜かずの兵庫の上手さ安定感が際立っていました。
生瀬さんって新感線初登場というのが意外でしたが、軽すぎないとぼけっぷりやラストの大物感まで、これぞ狸穴二郎衛門という感じ。ほんとに上手いなぁ。
山内圭哉さんは「鳥」の転球さんと同世代なのにちゃんと若者キャラに戻っていてよかったです。カッコいい兵庫だったな。

「花」とカブる出演者が多かったのですが、村木よし子さんと保坂エマさんが「花」とは逆の役どころだったのが印象的でした。
2人ともちゃんとハマっていてさすがです。
特に、昆羯羅の瞬尾の村木さん。このところおよし系のお笑いかつぶっ飛んだ役が続いていたので新鮮。最初誰かわからなかったくらいです。


2列どまん中で役者さんはよく見えたけれど映像の全体像はほとんど見えず。
5列目で観たときに見え難かった足元はよく見えました。
横の回転はすごく感じるけれども上下はそれほどでもなかったかな。

細かなところで不満や注文はありつつもやっぱりおもしろい髑髏城。
千穐楽のチケット取れなかったので、「風」の観劇は舞台1回、ライビュ1回で終了です。



image1.jpg image2.jpg

ロビーには松山ケンイチくんの影武者(笑)も。
花、鳥の出演者サインパネルも展示されていました。




「月」は上弦下弦ある上にさらにその後「極」って・・・のごくらく地獄度 (total 1824 vs 1829 )



posted by スキップ at 23:50| Comment(0) | 演劇・ミュージカル | 更新情報をチェックする
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