2017年09月18日

マトカでは皆家族 雪組 「CAPTAIN NEMO」


nemo.jpg雪組の二番手男役 彩風咲奈さん 外箱初主演作品。
大阪公演初日には「身が引き締まる思い」と語られたインタビュー記事が流れていました。

望海風斗さんのトップお披露目となった全国ツアー公演には組長、副組長が帯同していますが、こちらの公演には、朝美絢、永久輝せあ、縣千といった若手人気男役を配し、専科からも2人特出と、雪組の御曹司ともいえる彩風さんに手厚い布陣が印象的です。


宝塚歌劇雪組公演
MUSICAL FANTASY
「CAPTAIN NEMO」・・・ネモ船長と神秘の島・・・
~ジュール・ヴェルヌ「海底二万里」より~
脚本・演出: 谷正純
出演: 彩風咲奈  舞咲りん  久城あす  朝美絢   永久輝せあ   
野々花ひまり  彩みちる/汝鳥伶  華形ひかる ほか

2017年9月17日(日) 12:00pm シアター・ドラマシティ 16列上手
(上演時間 2時間30分/休憩 25分)



「ジュール・ヴェルヌの海洋SF小説『海底二万里』に登場するネモ船長-潜水艦ノーチラス号で植民地支配を目論む国々に敢然と戦いを挑む孤高の英雄を新たな視点で描くミュージカル・ファンタジー」ということだそうです。

えっとですね。
ツッコミどころはいろいろあります。
「海底二万里」って子供の頃に読んだことあるけどこんな話だっけ?というのが一幕観終わった時点での感想(・・まぁ、私の読書の記憶力はあまりあてになりませんが)。

ポーランド貴族の末裔で、ロシア軍に家を滅ぼされたという生い立ちから、同じ境遇の人たちを助け、相手を殺したりはしないやり方で対抗していく、というのはいいとして、いくら「寡黙で謎に包まれている」とはいえ、人間味がなさすぎな感じがしますネモ船長。
マトカという島に集まった人々を「家族」と呼んで、ネモ船長を中心にみんなが一つの方向を向いているって、どこの新興宗教ですか、と思いました。
二幕終盤のマトカの危機に際してネモ船長はじめ島民全員で「我々は皆家族~」みたいに歌い上げる場面なんてその極み。
大体あの人たち、みんな自国の民族衣装着てるのはなせ?

二幕後半になると、やたら「逆鱗」(NODA・MAPの)のシーンや「回天」という言葉が頭の中に浮かんでは消えるようになりました。
何で??と考えたら、マトカに攻め込んでくるロシアの艦隊に立ち向かうノーチラス号とネモ船長にまるで人間魚雷みたいな印象を受けたからだと気づきました。


・・・と書いていたらキリがないので。


ネモ船長の彩風咲奈さんはあまり表情を変えず、感情を表に出さず、とこれまで演じてきた役とはひと味違うイメージ。
のびやかなダンスも、低い声で歌う歌も安定。
金髪ロングヘアにロングコートってスタイルがよくないと着こなすのはなかなか難しいと思いますが、小顔で手足が長く、さすがにカッコイイ。
パイプオルガン的なものを奏でるネモ船長。
そのうちの一曲でダンスのBGMにもなるのがショパンの「別れの曲」。
早霧せいなさんのサヨナラ公演のデュエットダンスに使われたのも記憶に新しく、なぜこの曲?(←谷先生にお聞きしています。)

月組から組替えしてこれが雪組デビューの朝美絢さんはイギリス海軍のエリート将校 ラヴロック少佐。
軍人としての矜持から軍服を脱ぐのを拒絶し、ネモ船長にも島民にも心を開かないという役どころがクールビューティのビジュアルにハマっていました。
少し小柄ですが、キリリと着こなした海軍の軍服もとてもよくお似合い。

永久輝せあさんは火山学者と間違えられてイギリス海軍に拉致されたロンドンタイムスの記者シリル・・実は・・という役どころ。
明るく陽気で表情豊かでよくしゃべる、とネモ船長と対極にあるような人物とばかり思っていたので、ラスト近くの身バレには少し驚きました。
それもすぐ改心しちゃう・・というかさせられちゃう訳ですが。
シリルの二面性をきっちり出していたのはさすが。
あと、フィナーレの男役群舞でのカッコよさ、表情の色っぽさが群を抜いていました。

ヒロインとなるレティシアは彩みちるさん。
25歳で、海洋学者には見えないけれど、この時代の女性はそんな感じだったのかな?
勝気で聡明な女性という印象ですが、レティシアがネモ船長に惹かれた理由はも一つよくわからないし(ネモ船長がレティシアに、という方はさらにわからないけれど)、ラストでノーチラス号に乗り込んでくるとか、どこまで自分勝手なんだと思いました。
彩みちるちゃんは可愛いし、歌は少し不安定だったけれど台詞も明瞭でよかったです。

娘役では他にインド藩王国の王女 ラニの潤花さんと、ノーチラス号に撃沈されたロシア漁船船長の妻で恨みからネモ船長を刺すヴェロニカの野々花ひまりさんが目立っていました。
「幕末太陽傳」で新人公演ヒロインを演じた野々花さんはともかく、潤花さんは102期生で研2。抜擢ですね。


宝塚でよくある「生徒は悪くない」「生徒はよくがんばってるけど脚本と演出が・・」という典型のような作品。
せっかくの主演作なのに、彩風さんは前の主演作「パルムの僧院」も私は観ていませんが、あまり評判が芳しくなかったようですし、何となく作品に恵まれていない印象でちょっと可愛そう。


昨日は台風18号が近畿圏に近づいている中だったのですが、カーテンコールの彩風さん
「マトカを出られると外は台風が近づいております。皆様どうぞお気をつけてお帰りください」ですって。


これ、チケット結構激戦だったのになぁ の地獄度 (total 1272 vs 1278 )



posted by スキップ at 22:43| Comment(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
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