2017年08月08日

花形狂言2017 「HANAGATA 忠臣蔵 外伝」


hanagata2017.jpg毎年楽しみにしている花形狂言。
今年はごまのはえさん新作のお芝居仕立ての趣向でした。
「忠臣蔵」の少し脇の人物にスポットをあてた三話からなるオムニバス。


花形狂言2017
HANAGATA 忠臣蔵 外伝

作・演出: ごまのはえ
出演: 茂山千五郎  茂山宗彦  茂山茂  
茂山逸平  茂山童司

2017年7月22日(土) 3:30pm 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール 1階G列センター
(上演時間 2時間)


ホリゾントに5つの家紋(浅野家・大石家・徳川家・上杉家・足利家 かな)があしらわれただけのシンプルな舞台。
狂言の衣裳で、所作や登場の口上は狂言ですが、あとは普通のお芝居。
5人が手を変え品を変え、といった趣きでいろんな役を演じ、それぞれの個性も大いに発揮されていて、とても楽しくアハハとよく笑いました。


「常識人 梶川与惣兵衛」
出演: 茂山宗彦  茂山逸平 茂山千五郎

吉良上野介に斬りかかった浅野内匠頭を「殿中でござる!」と止めたことで有名な梶川与惣兵衛(宗彦)。
「余計なことをした」と世間の目は冷たく、奇しくも内匠頭の百ヵ日法要の日、梶川家では夫婦喧嘩が始まります・・・。


「殿中でござる!」の再現を盛り込んで与惣兵衛が見得をしたり附けが入ったりして歌舞伎テイストな場面も。
やったこと、言っていることは正当なのに何となく後ろめたさも感じているような宗彦くんの与惣兵衛と、完全におしりの下に敷いてるっぽい逸平くんの妻おちよの間合いが絶妙。さすがご兄弟です。

そして、息子 吉之進の千五郎さんですよ。
ちーんと座ってひと言発するだけで笑いが起こるキャラ。反則でしょ(笑)。


「死神 間瀬孫九郎」
出演: 茂山茂  茂山千五郎  茂山童司

「死神が病人の枕元に座っていたらもう死んでしまう。足元に座っていたら助かる」と死神から教えられた間瀬孫九郎(茂)はそれを使って大変評判の医者となります。ある日、さるご大家に内密で呼ばれた孫九郎は、そこに伏している老人の枕元に死神がいるのを見て・・・。


落語「死神」がベースになっていて、童司くんの噺家が語り始める趣向。
これがちゃんと上方風の噺家さんでね。皆さん本当に何をやっても達者です。

孫九郎は茂くんで、「茂山茂 パーマ失敗」とか呪文風に言ってました。
くるんくるんパーマでちょっと大泉洋チックだったかしら。

現代風にアレンジしてありながら、ちゃんと「死神」で、きっちり「忠臣蔵」と絡めるオチ。
うまい作劇だなぁと思いました。
駕籠の場面の演出ではどよめきが起きていました。
宗彦くん、逸平くんが黒子で何役も兼ねて大活躍でした。


「名優 寺坂吉右衛門」
出演: 茂山逸平  茂山千五郎  茂山茂  茂山童司  茂山宗彦

見事本懐を遂げて切腹し一躍時代のヒーローとなった赤穂浪士。
寺坂吉右衛門(逸平)の実家の摂津のつくり酒屋では義兄の岡田嘉右衛門(千五郎)と番頭米吉(宗彦)が「吉右衛門」という名前の酒を売って儲けようと企んでいました。そこへ死んだはずの吉右衛門が帰ってきて・・・。

童司くん演じる弥生ちゃん(吉右衛門の姪)が見た目も言動も今風のぶっ飛んだキャラクターで楽しかったです。
しかも演劇の勉強をしていて、当時女性は芝居には出られなかったので戯作の道を選び、近松門左衛門と知り合う・・・とか背景の小ネタもばっちり。
弥生ちゃんの一計で劇中劇を演じることになり、総出演でやる討ち入り場面。
主な赤穂浪士の顔写真の団扇を駆使して少人数で四十七士と吉良側の人間を演じる演出にも拍手喝采。
ちょっと「ちかえもん」思い出したりも。


台詞は現代的なのだけれど、皆さんさすがに声はよく出るし、古典芸に裏打ちされた安定した力量を感じます。
時々はさみこまれる狂言や能の所作がピタリと決まるのも言わずもがな。
演劇なんだけどやっぱり「狂言」と感じられるところもすばらしいです。

カーテンコールでは皆さん「台詞がこんなに大変だ思わなかった。もう二度とやりたくない」とおっしゃっていましたが、またいつか別の演目で観てみたいな。


image1.jpg

開演前に物販の販促していたジュニアの皆さん。
「写真撮っていいですか?」と聞くとお行儀よく並んでくれました。



image2.jpg  image3.jpg

それに比べて終演後のおじさんたち(笑)。
ポーズとってくれた童司くんのこれが弥生の拵えです。



急いで帰らなければならずせっかくのお見送りゆっくり見られなかったのが心残り のごくらく地獄度 (total 1256 vs 1262 )




posted by スキップ at 23:33| Comment(0) | 歌舞伎・伝統芸能 | 更新情報をチェックする
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