2017年07月30日

一人はみんなのために 月組 「All for One」


allforone.jpg宝塚で三銃士モノといえば、2011年雪組「仮面の男」の悪夢を思い出しますが、そこはエース 小池修一郎先生。
「三銃士」からは外れることなく、銃士たちが活躍する冒険活劇で王室ものでラブコメ。
まさしくロマンチック・アクション・ミュージカル。
楽しかったぁ


宝塚歌劇 月組公演
三井住友VISAカード シアター
浪漫活劇(アクション・ロマネスク)
「All for One」 ~ダルタニアンと太陽王~
脚本・演出: 小池修一郎
出演: 珠城りょう  愛希れいか  美弥るりか  宇月颯  暁千星  憧花ゆりの  
綾月せり  夏月都  早乙女わかば  海乃美月 風間柚乃/一樹千尋  沙央くらま ほか

2017年7月17日(火) 1:00pm 宝塚大劇場 1階3列センター/
7月28日(金) 1:00pm 1階9列上手
(上演時間 3時間)



物語の舞台は17世紀フランス。
若き国王ルイ14世(愛希れいか)の剣術指南に銃士隊のダルタニアン(珠城りょう)が任命されますが、ルイ十四世はバレエに夢中で剣術には興味を示さず、不興を買って指南役を解任されてしまいます。ルイにスペイン王女マリア・テレサ(海乃美月)との縁談が持ち上がる中、ダルタニアンは酒場でルイーズという娘に出会います。マザラン枢機卿(一樹千尋)によって銃士隊が解散に追い込まれる中、再び王宮に呼ばれたダルタニアンは、そこでルイ十四世の重大な秘密を知ることになるのでした・・・。


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この演目が発表された時、「ルイ十四世には重大な秘密が・・」というところで、「あー、ルイ十四世が女だったという設定なのね。そして多分ルイ役やちゃぴなのね」と思ったものです。
そしてその通りだった訳ですが、それを知っていてもやはり楽しい。

実際、物語上でも「ルイは女」であることは結構早い段階で観客には明らかにされ、母のアンヌ、マザラン枢機卿、乳母のマドレーヌと本人だけしか知らないこの秘密を、ダルタニアンが知ることになり、ルイの従姉妹で彼に思いを寄せるモンパンシェ公爵夫人にバレて・・・という展開。
まぁ、その秘密のバレ方もワンパターンではあるのですが(笑)。

そんなルイ十四世の秘密を軸に、王家乗っ取りを画策するマザラン枢機卿 vs 王家を守護する銃士隊 という活劇部分がしっかり描かれていて、そこにダルタニアンとルイーズの恋模様、マザランの甥ベルナルドの横恋慕、生まれてすぐ行方不明になった双子の男の子(本当のルイ十四世)も都合よく見つかって・・という盛りだくさんの内容ながら、すっきり整理されていて混乱することなくテンポよく物語は進み、歌はもちろん、群舞や殺陣もまじえて華やかな展開。小池先生、さすがの作劇です。

それから、小池先生といえばやはり盆やセリといった舞台機構の使い方が本当に上手い。
「眠らない男・ナポレオン」の時にもありましたが、舞台上で芝居が進行している時に上がったままの大セリが下りて来て、その動いているセリ上では銃士隊の面々が隊列組んで踊ってる、なんてゾクゾクします。
大詰、階段のある王宮を大セリで回しながら銃士隊、護衛隊入り乱れての大立ち回りなんて迫力も楽しさも満載です。

  
「若いトップだからトップの上級生も多い組構成。そんな層の厚い今の月組にぴったり」と小池修一郎先生が選ばれたという題材。
そんな先生の期待通り、今の月組にキャスティングがピタリとハマり、主役のダルタニアンだけが突出しているのではなく、皆それぞれにイキイキ活躍の場がある群像劇。
若いトップを大きく温かかく支えようという雰囲気も伝わってきて、まさに「一人はみんなのために、みんなは一人のために」の世界を体現しているようです。

珠城りょうさんは、ガスコンの精神を持ち続け、まっすぐで無骨なイメージのダルタニアンがまさにハマり役。
男っぽく包容力たっぷりで、銃士隊の軍服もよく似合い、ロン毛オールバックにしてちょっぴりシケ垂らした髪型もステキ・・・当たり役の一つになると思います。
いや~、あの壁ドンね
7/28に観た時、上手端の方の席だったので、あの壁ドンを本当に間近で観ることになって・・・ヤラレましたワ。

上背があるので殺陣も迫力たっぷり。
同じく上背ある月城かなとさんとのラストの一騎打ち、見応えありました。
歌唱ではあのタッパだし、もっと声張れるでしょ? フィナーレのダンス センターで踊っている時、もっとグイグイ前に出る感じでもいいんじゃない?と思わないでもないですが、そんなお行儀よい生真面目さも珠城さんの個性なのだと思います。

そうそう、ダルタニアンがアラミス神父を訪ねて行った時、「国王は女なんだ」ってあんなにあっさりしゃべっちゃっていいのか?(笑)

愛希れいかさんのルイ十四世もこれまた当たり役・・・というか、元男役だったちゃぴちゃんのための役のようです。
ポスターだけ見た時は女帝のような感じかと思ったのですが、細身で少年のような雰囲気ながら凛としたルイ十四世も、ドレスを着た可愛いルイーズも品を失わず、男として育てられ男のふりをし続けなければならない悩みも自然に見せてくれました。声の切り替えも鮮やか。
歌もダンスも上手いし、本当にいい娘役さんになったものです。


ポルトス 大胆不敵
アトス 沈着冷静
アラミス 世紀の色男

という三銃士がまたみんな個性的でいいのよ。

暁千星くんのポルトスは、大酒飲みで力持ちの荒くれ男にはあまり見えませんが、可愛い笑顔で明るくのびのび楽しそうに演じていました。
酒場で最初に護衛隊ともめた時、つべこべ言ってるベルナルドに「うるさいっ!」って酒樽投げつけるところおもしろかったな。
それにしても「反撃の巨人~タイタン~」って(笑)。
「子どもに人気あるんだ」ってご満悦なのも可愛かったです。

美弥るりかさんのアラミスは、元神父でイケメンで女ったらし。
このあたりはいかにも持ち役といった感じです。
銃士隊解散後、イケメン神父として女性たちの懺悔を聞く場面。銀橋ソロからの客席降りで、7/17に観た時、
3席隣に花組の夕霧らいさんが座っていらして、アラミス神父、歌いながらじっと見つめてソフトタッチの顎クイしていました。らいさんも負けじとやり返し。美弥さん、舞台に戻る時は別方向にバチコーンと盛大にウインク飛ばしていかれました。
スペイン兵になりすましている時のしゃべり方がスカピンのグラパンそっくりで笑っちゃいましたが。

そして宇月颯さんのアトスですよ。
もう、ひげつけたビジュアル含めてめちゃ好み。
ひとり、大人のオトコ。精悍で男っぽくて思慮深くて集団をまとめる力もあって、男性としても超好み(絶賛)。
宇月颯さん、元々好きな男役さんですが、宇月さんにとってもアトスは当たり役になったのではないかしら。

銃士隊と敵対する護衛隊の隊長でありダルタニアンの恋敵でもあるベルナルドはこれが月組デビューの月城かなとさん。
美貌がますます冴えわたって、黒ずくめの衣装にマントもよくお似合い。
いつも部下を4人引き連れていて、「るろうに剣心」の蒼紫かっ!と心でツッコミました。
珠城さんのところでも書きましたが、ともに長身なので珠城さんと並ぶと迫力倍増で、二人とも端正ながらタイプが違ったお顔立ちなのでいろんなタイプの役の組み合わせが観られそうでこれからも楽しみです。

男役でもう一人目立ったのは「本当のルイ十四世」ことジョルジュの風間柚乃さん。
100期生期待のホープですが台詞もたくさんあって大抜擢ですね。
面差しが少し真風くんに似ていました。
いきなりみんなにかしずかれる役どころ。プレッシャーもあると思いますが堂々。

ボーフォール公爵がこらから帝王教育を、と言った時、「剣はわたくしが」とアトス、、「色ごとはわたくしが」とアラミス、そして「酒の飲み方は俺が」とポルトスが言うの、いかにも「三銃士」という感じでよかったです。

娘役ではモンパンシェ公爵夫人の沙央くらまさん(男役だけど)が存在感アリアリ。
綺麗だしコメディエンヌとしてもセンス抜群。フィナーレでも娘役として珠城さんと踊っていました。色っぽい~。
ですが、この役はわざわざ専科の男役さんを充てなくても自組で対応できなかったのかな、とも思います。

月組のNo.2の娘役といえば早乙女わかばさんと海乃美月さんですが、「マザランの6人の姪の中にめちゃ華やかな美女がいる!」と思ったらわかばちゃんでした。モンパンシェ公爵夫人、わかばちゃんでもいけたのではないかしら。
海乃さんはスペイン王女マリア・テレサですが、本物の肖像画に似せたのであろう髪型がまずイケてなくて損をしているし、カタコトのしゃべり方がステレオタイプすぎてもう少し工夫はないものかと思いました。

マリア・テレサが王宮へ行く途中のジョルジュの一座を見かけて好感を持つ、というエピソードは、後にルイ十四世の王妃となることを思えば、フィクションと事実をうまく繋いだよく考えられた伏線だなとまたもや小池先生の作劇に関心。


華やかで明るくて楽しくて宝塚らしくて、キャストは適役揃いで最後は絵に描いたようなハッピーエンド。
何度でも観たくなる楽しさです。
プログラムのキャスト紹介の後にある集合写真(ダルタニアン・ルイ十四世・三銃士・ベルナルド・モンパンシェ公爵夫人の7人)がみんな美形でね


パレード:
エトワール 白雪さち花
蓮つかさ・宇月颯・夢奈瑠音
早乙女わかば・暁千星・海乃美月
月城かなと
美弥るりか
愛希れいか
珠城りょう



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公演ドリンクは「ブティーノ ベルフォンテーヌ」という白ワインと、その白ワインをベースにパッションフルーツのシロップを加えソーダで仕上げたオリジナルカクテル「Soleil(太陽)」の2種類でしたが、今回はカクテルをチョイスしました。
とてもスッキリしていて、今まで飲んだ公演ドリンクの中で一番おいしい! 



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posted by スキップ at 22:45| Comment(0) | TrackBack(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
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