2017年04月28日

魔法の粉


shochikuzahanagata200902.jpg婦人画報の連載「歌舞伎の底力」は、見開き2ページですが、いつも楽しみに読んでいます。

今月(6月号)は市川猿之助さんご当登場。
記事の中にとても心に残る記言葉があって、Twitterでつぶやいてたくさんリツイートもしていただいたのですが、自分の記録としてここにも記しておきたいと思います。


話題は松竹座 五月花形歌舞伎から。
中村勘九郎さん、七之助さんと大阪で共演するのは8年ぶりという猿之助さん。
ご兄弟とは2001年から10年間、ほぼ毎年「新春浅草歌舞伎」で共演していて、「同志」と言い合う仲だそうですが、お2人のお父様 勘三郎さんとの共演はわずか。

「伯父(猿翁さん)と中村屋(勘三郎さん)は認め合っているからこそ近づかないみたいないい関係だったと思います。だから、僕も面と向かってお話ししたことはほとんどないのだけれど、大阪で『蜘蛛絲梓弦』を演ったとき、『あんたは舞台に出たとたん、お客に魔法の粉をかけるんだよ』と言っていただいたんです。僕は人に褒められてもあまり喜ばないのだけれど、中村屋にそう言われたたのは一生の誇り。魔法の粉を振り続けてなきゃと思っています」

・・・涙が出ました。


猿之助さんは頭脳明晰でクールで自信家でプライドが高い、というのが私のイメージで、ご自身でもおっしゃっている通り、あまり人の言葉に感激したり、その影響を受けたりすることのない人だと思っていました。
その猿之助さんに「一生の誇り」と言わしめる勘三郎さんの言葉。
そしてその言葉通り、ずっと「魔法の粉」を振り撒き続けている猿之助さん。


冒頭の画像はその「蜘蛛絲梓弦」が上演された松竹座二月花形歌舞伎のポスター。
(2009年2月) 感想はこちらこちら
猿之助さん(当時 亀治郎さん)の「蜘蛛絲梓弦」はその後 何度か観ましたが、やはり初めて観た松竹座が忘れられないな。

以前、中村獅童さんが、「おまえさんには渋谷の街を歩いている若者を歌舞伎座に連れてくる力がある」と勘三郎さんに言われて、それを肝に銘じている、とおっしゃっていたことがあって、その時もとても心打たれたものですが、勘三郎さんが折にふれて後進の役者さんたちにかけた言葉はどれも宝石のようです。

きっと勘三郎さんご自身がたくさん宝石のつまった大きな宝石箱で、その中から一つずつ、若い役者さんに似合う宝石を託していたのではないかしら。
勘三郎さんから宝石をもらった役者さんは幸せ。
若い役者さんたちにも勘三郎さんの宝石を託し続けてほしかったと心から思います。

だって、私に最初に魔法の粉をふりかけた役者さんは勘三郎さんその人なのですから。



勘三郎さん どうしていないんだよぅ の地獄度 (total 174 vs 1745 )


posted by スキップ at 22:31| Comment(2) | TrackBack(0) | 歌舞伎・伝統芸能 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。いつも楽しみにさせて頂いてます。
私も、お会いできるなら、もう一度会いたいです
Posted by つる子 at 2017年05月01日 00:17
♪つる子さま

はじめまして。
いつもご訪問いただきありがとうございます。

勘三郎さん。
言ってもせんないことと思いつつも、こんな記事を読むと
勘三郎さん恋しがとまらなくなります。
でも、勘九郎さん、七之助さんはもちろん、猿之助さんはじめ
たくさんの役者さんの中に、勘三郎さんの芸と心意気は
受け継がれているのでしょうね。
Posted by スキップ at 2017年05月01日 23:39
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