2017年03月22日

あなたこそ我が家 星組 「スカーレット ピンパーネル」


sp20171.jpg星組新トップコンビ 紅ゆずる&綺咲愛里 お披露目公演。

紅ゆずるさんは2008年 日本初上演となった星組公演 ラストチャンスの新人公演で主役を務め、これをきっかけにスター路線を走ることとなり、綺咲愛里さんは2010年再演の月組公演で初舞台を踏んだという、2人にとって縁が深く、思い入れのある作品でお披露目できるのは幸せなことだと思います。


宝塚歌劇星組公演
ミュージカル 「THE SCARLET PIMPERNEL (スカーレット ピンパーネル)」
原作: バロネス・オルツィ
脚本: ナン・ナイトン
作曲: フランク・ワイルドホーン      
潤色・演出: 小池修一郎
出演: 紅ゆずる  綺咲愛里  礼真琴  七海ひろき  万里柚美  美稀千種  壱城あずさ  如月蓮  天寿光希  音波みのり  夏樹れい   十碧れいや  麻央侑希  瀬央ゆりあ  綾凰華  有沙瞳  天華えま  星蘭ひとみ ほか

2017年3月12日(日) 3:00pm 宝塚大劇場 1階19列上手/
3月19日(日) 3:00pm 1階4列下手
(上演時間 3時間)


2008年 星組
2010年 月組
2016年 東宝版
東宝版観た後の2008年星組版BD感想 


1794年 フランス革命最中のパリ。
ロベスピエールを頂点とするジャコバン党の恐怖政治の時代。
無実の貴族たちをいわれなき処刑から救うために立ち上がったスカーレット ピンパーネルことイギリス貴族のパーシー・ブレイクニー(紅ゆずる)とその仲間たちの活躍を、 パーシーの妻で元はフランスのトップ女優マルグリット(綺咲愛里)、彼女の元恋人で公安委員のショーヴラン(礼真琴)を中心に、王太子ルイ・シャルル(星蘭ひとみ)の救出劇など絡めて描きます。


sp3.jpg



冒頭 ギロチンの前で低く始まる民衆たちの重厚なコーラス。
パーシー邸の図書室がみるみるデイドリーム号に変わっていき、ピンパーネル団が結束していく出航シーン。
パーシーとマルグリットが婚礼衣装で幸せいっぱいに歌う「あなたこそ我が家」。
ショーヴランが民衆を率いて重層的に聴かせる「マダム・ギロチン」、印象的な「謎解きのゲーム」のメロディに乗せて繰り広げられる華やかな宮廷の仮面舞踏会・・・
ストーリーのおもしろさに加え、心に残るメロディ、華やかな衣装、スピーディな舞台転換・・・あ~ やっぱりスカピン好き!と思いました。

そして、その「スカピン好き」には「宝塚版の」が加わるのです。
昨年、東宝版を観た後 宝塚版のBDを観た時の感想にも書いたのですが、ストーリー運びが自然で、宝塚らしい華やかさに写実的な部分や笑いもあって、本当によくできた潤色と演出だと思います。


ワイルドホーンの楽曲はどれも名曲ですが、今は「あなたこそ我が家」が頭の中をグルグル。
   今日から君がすべて ありのままの君を
   この胸に抱きしめよう 一緒に年をとろう
幸せの絶頂にいるパーシーとマルグリットが結婚式で歌い、いろいろな曲折を経て、最後にまた一緒に歌う曲。
他に好きなナンバーあるのにこの曲が心に残るということは、今回の「スカーレットピンパーネル」がピンパーネル団の活躍はもとより、パーシーとマルグリットという夫婦の愛と絆の再生により重点が置かれた(・・ように私が感じた)からだと思います。


1回目観た時、プロローグで紅ゆずるさんが銀橋渡りながら「ひとかけらの勇気」を歌うのを聴いていて思わず落涙。
自分ではそれほど紅さんに思い入れがあるとは思っていませんでしたので、この涙に我ながら驚きました。トップになるまで、いろいろあったからね~。
この曲は初演時、ワイルドホーンさんが安蘭けいさんの声を聴いてそれに合わせて作曲された曲。
安蘭さんも二代目の霧矢大夢さんも歌唱力には定評がありますので、紅さんにはプレッシャーだったでしょうし、客席で聴く私も固唾を呑んで見守る雰囲気だったのですが、見事に歌いきっていました。
この曲に限らず、紅さん、本当に歌が上達したと思います。

手足が長くてスタイルがいいのでどんな衣装もよくお似合い。
パーシーは人を煙に巻くような人物でいつも余裕たっぷりといった風情もよく出ていました。

また、紅さんを語る上で「笑い」」の部分もハズせないところで、今回もパーシーがショーヴランに舞踏会のための衣装をアドバイスする場面で本領発揮。
3/19のベネフィットワン貸切では、「僕はベネフィットワンの会員だからポイントで買ってあげよう」「君は会員じゃないのかい?」など、ドッカンドッカン笑いを取っていました。
客席も期待しているフシがありますが、個人的にはあまりストーリーから乖離しすぎるアドリブは好みではないので、そのあたりのバランスは考慮していただきたいところです。

紅さんは立ち姿はもちろん、椅子に座る姿がとても美しいとかねがね思っているのですが、肖像画の場面で、マルグリットが「あなたを見つめると」を切なく歌っている時に、パーシーがソファに座って紅茶を飲みながら周りの令嬢たちと談笑している姿がとても品よく、笑いながらも時折マルグリットを見てふっと憂いのある寂しげな表情を浮かべるところもとても素敵でした。

マルグリットの綺咲愛里さんも大健闘ではないかしら。
どちらかといえば可愛いタイプのルックスですが、メイクや髪型を工夫して大人の女性の雰囲気がよく出ていました。
紅さんとはこれまでに何度も相手役として組んでいるので雰囲気もぴったり。歌ものびやかでよく声が出ていました。
ちょっとショーヴランにキツすぎるかなぁ、と思わないではありませんが・・・これは私がショーヴラン贔屓のせいもありますが、2人はやはり、一度は心を(もしかしたらカラダも)許しあった仲だと思っているので、「俺を愛したことはないのか?」とショーヴランに聞かれた時、けんもほろろという感じではなく、一瞬の躊躇というか、迷いが入り込んでもよいのではないか、と。

そして、ショーヴラン、礼真琴くんです。
もう、すばらしいのひと言。
小柄で少年っぽい雰囲気の礼くんに合わせてか、今回のショーヴランは、革命後のフランスの成り行きにも、マルグリットへの思いも、より青臭い青年の造形。ちょっと不器用で無骨だけど結構ピュアでかなり一途。
そしてその激しい感情の起伏を台詞で歌で、目の表情で、存分に聴かせ、見せてくれます。

私は「マダム・ギロチン」のあのイントロを聴くと条件反射で柚希礼音さんの声で再生されるくらい「柚希ショーヴランが歌うマダム・ギロチン」が大好きなのですが、礼真琴くんがこれまででただ一人、そのことを忘れさせてくれました。大げさでなく聴いていて背中ゾクゾクしてトリハダ立ったもんね。あの小さな体のどこにこんなパワーが、と思うくらい迫力と凄味のある歌唱。

この曲に限らず、「鷹のように」(あのラストの銀橋のキメポーズ!)も「君はどこに」も「謎解きのゲーム」も「栄光の日々」もフィナーレで歌う「ひとかけらの勇気」も、ひとたび礼くんが歌い始めると聴き惚れます。
ほんと、すばらしいのひと言!(大切なことだから2回言いました)。



3人分だけでめちゃ長々と語ってしまいましたので、それ以外のキャストや場面は次回につづく・・・


posted by スキップ at 23:06| Comment(0) | TrackBack(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック