2017年03月13日

たどり着いたのは、故郷への思い 「ミュシャ展」


mucha.jpgミュシャといえばアール・ヌーヴォーというイメージで、特に好きという訳ではないのですが、「スラヴ叙事詩」には以前から興味があって、できれば見てみたいと思っていました。
今回、その「スラヴ叙事詩」全20作品がチェコ国外としては世界初公開で日本にやって来て、「これを逃すともう一生見られないかも」と、見に行きたい気持ちはあったのですが、「すごく並んでいたり中に入っても混み合ってたらなぁ・・・」と腰が引けていました。

が、コクーンで観るお芝居が午後2時30分開演で、もし1時間並んだとしても時間的には余裕があるし、こういう展覧会は会期の後の方になるほど混むものねーと、思い切って行ってきました。


国立新美術館開館10周年 チェコ文化年事業
「ミュシャ展」
国立新美術館 企画展示室2E
2017年3月11日(土) 10:45am


会期: 2017年3月8日(水)~6月5日(月)
公式サイトはこちら

   
この展覧会が始まって最初の週末ということで、混雑情報があまりわからず、電車の中でTwitterを検索して「もうすごく並んでる」というツイートを読んでビビリながら10:40頃到着。
チケット売場に行列はできていましたが、事前に公式サイトでチケットを買っていましたので、並ぶことなくすんなり入場できました。
会場内はそれなりに混雑していましたが、「スラヴ叙事詩」は作品がとても大きく、展示スペースもゆったりしていますので、全くストレスフリー。
むしろ、それ以外の普通サイズの作品の方が見にくかったな。


会場に入ると、冒頭のフライヤーにもなっている「原故郷のスラヴ民族」から始まって、「スラヴ叙事詩」20作品を一気に見ることができます。
見応えたっぷり。
音声ガイドを借りて1作ずつ丹念に見ていると1時間くらいあっという間に過ぎてしまいます。
3つのコーナーに分かれているのですが、最後のコーナー 5作品は撮影可能エリアとなっていました。

こちらに全20作が紹介されています。


ミュシャが故国への強い思いから晩年の16年をかけて描き上げた「スラブ叙事詩」。
画集などで見たことのある作品もありましたが、さすがに実物の大きさと迫力。
画面からほとばしるような感情に圧倒される思いだったのですが、今回、より強く感じたのは”悲しみ”。
特に心に残ったのはこの作品 「グルンヴァルトの戦いの後」

戦争の「勝利」を描いているのですが、とてもそんなふうには感じられません。
勝利の翌朝、戦闘で死んだ多数の人馬を見つめて、勝利の代償に愕然とするポーランド国王 ヴワディスワフ2世。
たとえ勝者であっても敗者であっても、人と人が争って血を流す戦いの虚しさ、民衆の悲しみがひしひしと伝わってくるようで、しばらくこの絵の前から動くことができませんでした。

亡命を余儀なくされたプロテスタントの指導者 コメンスキーがオランダ・ナールデンの海岸から故郷の方角を見ながら息絶えた姿を描いた「ヤン・アーモス・コメンスキーのナールデンでの最後の日々」もとても心に残りました。



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撮影OKコーナーはこんな感じ。


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さすがにこのエリアが一番混み合っていましたが、
私のiPhoneのカメラでもこれくらいには撮れます。
ラストの作品 「スラブ民族の賛歌」
「スラヴ民族は人類のために」とサブタイトルがつけられていました。
最後にふさわしい、希望が感じられる作品です。


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こちらは「スラヴ菩提樹の下でおこなわれるオムラジナ会の誓い」
という作品の下部左右の部分。こんな接写もできたり。
それぞれミュシャの娘さん、息子さんがモデルなのだとか。
周りの人物が細部まで描かれていないのは、この作品が未完成だからそうです。


「スラブ叙事詩」見終わった後いささか脱力してしまったのですが、この後のコーナーは、
1. ミュシャとアール・ヌーヴォー
2. 世紀末の祝祭
3. 独立のための闘い
4. 習作と出版物
と続いてこちらも見どころたっぷり。

「『四つの花』カーネーション、ユリ、バラ、アイリス」から始まるアール・ヌーヴォーのコーナーが普段よく目にするミュシャのイメージで、見たことがある作品が並びます。
ミュシャはサラ・ベルナールのポスターを手掛けたことで一躍世に出たことは有名ですが、その「ジスモンダ」はじめ「ロレンザッチオ」や「ハムレット」などのポスターも楽しかったです。
これまでそんなにじっくり見たことありませんでしたが、ちゃんと芝居のタイトルやサラ・ベルナールの名前、ミュシャのサインも入っていて、「芝居のポスターなんだ」と改めて思いました。

知らなかったミュシャもたくさん。
ロダンとも交流があったという彫刻、コルナ紙幣や郵便切手のデザイン、市庁舎の天井画や壁画、ブレスレットに指輪など、本当に多才な人だったのだなぁと改めて知りました。
思い切って行って、本当によかったなと思いました。



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国立新美術館は初めて訪れました。
10年とまだ新しいのでどこも綺麗で広々としていてよい美術館。
東京には本当にたくさんの美術館があって、こういうところを見るとやはり東京こそが日本の首都であると同時に文化の中心なのだなと思います。


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別フロアでは「草間彌生 わが永遠の魂」展も開催中。
時間がなくて見られませんでしたが、こんなふうに外の展示もあって何だか得した気分です。

6874.jpg 6872.jpg

右側は「木に登った水玉 2017」ですって。




おみやげと自分用にクリアファイル数種購入・・・グッズ売場が一番並んでいました のごくらく地獄度 (total 1178 vs 1180 )



posted by スキップ at 23:05| Comment(0) | TrackBack(0) | エンタメ et. al | 更新情報をチェックする
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