2017年03月01日

猿若祭二月大歌舞伎 「門出二人桃太郎」


momotaro201702.jpg昼の部では山積みされていた売店のきびだんごも今月のスヌーピークリアファイルも、気づいた時には完売していて、客席の温度もかなり上がっているように感じた夜の部。


江戸歌舞伎三百九十年
猿若祭二月大歌舞伎 夜の部
一、門出二人桃太郎
  三代目中村勘太郎 二代目中村長三郎 初舞台
  劇中にて口上相勤め申し候
  作: 荻原雪夫
  出演:  中村勘太郎  中村長三郎  中村時蔵  
        中村芝翫  中村勘九郎  中村七之助  
        市川染五郎  尾上松緑  尾上菊之助  
        坂東彌十郎  中村雀右衛門  中村魁春  
        中村梅玉  尾上菊五郎 ほか 

2017年2月25日(土) 4:30pm 歌舞伎座 1階1列センター



時蔵おばあさん、芝翫おじいさんのもとへ、川上から流れてくる桃が最初は小さかったのに段々大きくなってくる初っ端から笑い声が響いて、客席全体から2人の桃太郎の登場をわくわく待ち望んでいる雰囲気に満ちあふれていました。
そして2人が登場すると、客席はもちろん舞台上も、歌舞伎座全体が祝祭ムードに包まれます。
とても温かくてやさしい空間。


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祝幕はひびのこずえさんデザイン


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私の席からはこんな目線でした


両手をピンと伸ばして指を広げて、大きく見得をする勘太郎くん。
お兄ちゃんにぴったりくっついて負けじとがんばる長三郎くん。
2人ともしっかり口を開けて大きく声を出して。
その一挙手一投足から目が離せず、一声ひと声が愛おしい。

最前列のほぼセンターという座席でしたので、桃から生まれ出るところに始まって、2人がいつも手が届きそうな目の前に並んで立つ訳です。
2人が登場するたびに口元が緩んで自然と笑顔になるワタクシではありましたが、気づいたら涙がポロポロこぼれて止まらず。
「笑いながら泣く」ヘンな人になっていました。

自分でも不思議な感覚。
よくぞここまで育って、という思いだったかもしれないし、
どれほど一所懸命稽古したんだろう、だったり
勘三郎さんが観ることができたらどんなに喜んだことか
という感情だったのかもしれません。



菊五郎さんはじめ、まわりの幹部役者さんたちが2人を本当にやわらかな笑顔で見守っていらしたのも胸熱。
特に、ワタシ的にいつもは舞台上であまり表情が変わらない印象の魁春さんの優しい笑顔が印象的でした。

染五郎・松緑・菊之助の犬彦・猿彦・雉彦は凝った化粧や扮装も含めて、目で耳で楽しませてくれて、鬼ヶ島の場面なんて、目が足らないくらいです。
それにしても、高麗屋三代で中村屋三代の桃太郎を見守ることになって、「犬は僕がやらなくていいんですか?」と松竹に直訴したという染五郎さん犬彦、ダルメシアン柄の衣下も可愛くて、細かい仕草まで犬っぽくて、ご本人ノリノリでとても楽しそうでした。


口上で梅玉さんが、「30年前、勘九郎さん七之助さんが桃太郎をやった時は可愛かったけれど今は立派な役者になった。勘太郎くん長三郎くんも30年後にはひとかどの役者になるでしょう」とおっしゃっていましたが、私は30年後を待つのは多分無理なので、せめて20年でお願いしたいと思っています。

口上といえば、勘九郎さんが誰よりも低く頭を下げて、お一人ずつ口上を述べられるたびに顔をそちらに向けて少し上げ、また下げる、を繰り返していらしたのもとても心に残りました。
染五郎さんの奥様が初日のインスタグラムに「小さい子供を1ヶ月間毎日舞台に立たせるのはいつもの何倍もの神経を使います・・・父親はある意味、自分が出るより気をつかうかもしれません」と書いていらっしゃいましたが、小さなお2人のがんばりはもちろん、お父様の勘九郎さん、お母様の愛さん、+おじ様の七之助さんにも心からおめでとうございます、お疲れさまでしたと申しあげたいです。


そしてそしてやはり
「勘三郎さんに見せたかった」
「勘三郎さん なんでこの舞台にいないんだろ」
と思わないではいられないのでした。




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2階ロビーには祝幕の目録



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30年前の(昭和62年)2人の桃太郎と58年前(昭和34年)の桃太郎


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1階の売店では廣榮堂のカワイイ元祖きびだんごもお土産に買ったのですが、
角切銀杏にひかれてこちらも購入



posted by スキップ at 22:50| Comment(4) | TrackBack(0) | 歌舞伎・伝統芸能 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あれ、ごくらく地獄度は?
Posted by ファザコンサリー at 2017年03月02日 06:45
skip様
こんばんは。同じ日に観劇しておりました!席は3階でしたが、立体感のある祝幕の実態を確認しに、幕間最前列まで行きました(笑)。歌舞伎を見始めたころ、「歌舞伎って面白いよ!」と腕をひっぱってくれたのが、今の勘九郎さんくらいの年齢だった勘三郎さんでした。立派に舞台を務めた桃太郎の二人、口上に有難く礼を尽くす勘九郎さん。歌舞伎を長く見てると嬉しいことも悲しいこともありますが、2〜30年後?この日の姿を楽しく思い出せる日が来ることを願っています。
Posted by なでしこ at 2017年03月03日 00:30
♪ファザコンサリーさま

へへへ(^^ゞ
夜の部途中だから、まとめて、と思ったのですよ。
Posted by スキップ at 2017年03月03日 05:11
♪なでしこさま

ご一緒の日でしたか。
何だかうれしいです♪

私も歌舞伎・・・というかナマの舞台の面白さを教えていただいたのは、
当時勘九郎を名乗っていらした勘三郎さんで、永遠の恩人であり
あこがれの人です。

>歌舞伎を長く見てると嬉しいことも悲しいこともありますが
本当にそうですね。
あまりの悲しみに沈んだこともありますが、今回のように
客席全体が温かくお祝いムードの包まれるのもまた歌舞伎の
よさだと思います。

30年後!
私もがんばって長生きして、勘太郎くん、長三郎くんが
今の勘九郎さん、七之助さんに負けないくらい大活躍している姿
を拝見できたらいいなと、心から願っています。
Posted by スキップ at 2017年03月03日 05:20
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