2017年02月24日

松竹座 二月花形歌舞伎 午後の部


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昼夜とも2演目ずつなので通しで観ても疲れ知らずの二月花形歌舞伎。
他に日程が取れなかったこともあって、午前午後一気観です。


大阪松竹座新築開場二十周年記念
二月花形歌舞伎 午後の部
2017年2月19日(日) 3:00pm 松竹座 3階2列センター



ご挨拶

午後の部のご挨拶は中村壱太郎さん。
「歌舞伎が初めてでわかるか不安だわという方はプログラムをお買上げください。イヤホンガイドもあります。」
「一月の芝翫さん襲名披露公演は一等18,000円でしたが、今月は12,000円・・・」と有能なセールスマンぶり。

今月チケット売上げが苦戦している原因の一つは時間設定ではないかなと思っています。
午前の部はともかく、午後の部 15:00開演で18:05終演って宝塚なみ(笑)。
終演時間もっと遅くていいので、開演も17:00位にしていだければ平日でも行きやすいのに。


一、祇園祭礼信仰記 金閣寺
出演: 中村梅枝  中村歌昇  坂東新悟  中村種之助  尾上右近  中村壱太郎  中村又五郎 ほか


物語: 室町幕府執権・松永大膳(又五郎)は天下を狙い、将軍足利義輝を殺害し母の慶寿院(新悟)を金閣寺の二階に幽閉しています。そこへ敵方から降参して来た此下東吉(歌昇)が現れ、大膳の家臣になる事を願い出ます。さらに大膳は、絵師・雪舟の孫で大膳が横恋慕している雪姫(梅枝)も閉じ込め、夫の狩野之介直信(壱太郎)に代わり金閣の天井に龍を描くか、自らの意に従うかを迫ります。その両方を断られ怒った大膳は雪姫を桜の幹に縛り付け、直信の処刑を命じます。悲嘆にくれる雪姫が祖父雪舟の故事を思い出し、降りしきる桜の花びらを集め足で鼠を描くと・・・。


2015年に染五郎さん大膳、七之助さん雪姫、勘九郎さん東吉で観た時の感想(こちら)に「まるで花形歌舞伎のような配役」と書いたものですが、今回はまさにその花形歌舞伎。しかも、「前日、さらに若い浅草歌舞伎観た後だからなおさら。いつか彼らにもこんな日が来ることを願う」と続けていて、そんな日が本当に近づいているのだなぁと感慨深いです。


とはいうものの、今回の公演は大膳に中村又五郎さんを迎えての布陣。
纏う空気に重みがあって、さすがに抜きん出た別格感が漂います。
いや~、しかし、悪いよね、大膳。

女方の大役 雪姫は中村梅枝さん。
梅枝さんは女方の声も自然に出している感じで口跡もよいので、雪姫の嘆きや絶望、捕らえられた夫のために大膳の意のままになろうとする逡巡など、雪姫の心の動きがとてもよく伝わってきました。
面長で端正なお顔立ちに憂いも含み、品のある雪姫。
立ち姿も美しく、桜の花びらふりしきる中で縛られたまま決まった時は拍手が起こっていました。

此下東吉は中村歌昇さん。
本意を隠して大膳の家臣になろうとする前半と、いかにもキレ者の武将といった趣の後半との対比鮮やか。
歌昇さんを観るたびに、もう少し上背があったら、と思わないでもないですが、それを補って余りある華と技量を持つ役者さんです。

印象的だったのは慶寿院尼を演じた坂東新悟さん。
歌昇さん東吉が金閣寺の二階に上がり、二階のセットが大せりごと下ってくるのを観ながら「あれ?慶寿院尼って誰がやるんだろう。そんな人いたかな?」と考えていたら、新悟くんで驚き、さらにいかにも将軍の母といった気品ある凛とした雰囲気や、ちゃんと年齢を感じさせる佇まいにも驚かされました。


退屈するかな、と思っていましたが、最後まで集中力途切れることなく楽しめたのは、物語のおもしろさもさることながら、こんな配役の妙にもあるのでしょう。


二、河竹黙阿弥 作 「連獅子」
出演: 尾上松也  尾上右近 ほか


「右近くんの仔獅子がキレッキレッ」といろんな人から聞いていて楽しみにしていたのですが、聞きしに勝るキレッキレッぷりでした。
いや~ すごかった。

大詰めの高速毛振りになったあたりからの客席の盛り上がりったらなかったです。
始めの頃はそれほど差がわからないのですが、毛振りのスピードが増すにつれて、二畳台から右足が浮き気味になる松也親獅子に対し、右近くんの両足はまるで吸い付いているかのように二畳台からピクリとも動きません。もちろん足の位置も体の向きも終始変わらず。どれだけ体幹強いんだか。

仔獅子にあんなパフォーマンスされたら親獅子は分が悪いかといえばそうでもなくて、わが子を千尋の谷に突き落とす厳しさと、父として包み込むようなおおらかさもある親獅子でした。

宗論は坂東玉雪さんと澤村國矢さん。
品よく丁寧で綺麗な踊り。
2人のやり取りの間もよく楽しく、間狂言のお手本のようでした。


それにしても、可愛らしさと豪胆、繊細と激しさを併せ持つ仔獅子。
毛振りが終わった後、ちょっぴりドヤ顔で右手を差し出して上手から下手へぐるりと客席をなめる右近くん。おそろしい子。



楽しく打ち出された帰路、小洒落たコートをピシッと着こなした梅枝くんに遭遇。
梅枝くんに始まり梅枝くんで締めた二月花形歌舞伎 通し観劇でした のごくらく度 (total 1710 vs 1711 )



posted by スキップ at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 歌舞伎・伝統芸能 | 更新情報をチェックする
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