2017年02月22日

松竹座 二月花形歌舞伎 午前の部


shochikuza201702.jpg松竹座の二月に花形歌舞伎って何だか久しぶり~と思って自分のブログ検索したら、2013年以来4年ぶりでした。

昼夜ともに時代物の義太夫狂言+舞踊という組み合わせ。
狂言はいずれも大歌舞伎で観るような重厚な大作で、花形役者さんたちの意欲と精進の成果の見せどころです。


大阪松竹座新築開場二十周年記念
二月花形歌舞伎 午前の部
2017年2月19日(日) 11:00am 松竹座 3階2列センター



ご挨拶

柝が入ると幕前に紋付袴で正座した中村梅枝さん。
よいお声の口上で始まりました。

この日は祇園町総見で、上手下手の桟敷席には春らしい綺麗な色のお着物をお召しの芸妓さん、舞妓さんがズラリと並んでとても華やかだったのですが、「本日は祇園の芸舞妓さんたちが大勢客席に」と紹そのことにもちゃんと触れて、「皆様、幕が開くまではいいですが、幕が開いてからはどうか前を向いて舞台の我々をご覧になってください」と笑いも取って上々。
本当に何をやってもソツなくお上手です。


一、義経千本桜
   渡海屋/大物浦
出演: 尾上松也  中村壱太郎  尾上右近  中村種之助  坂東新悟  中村歌昇 ほか


壇ノ浦で西海に沈んだはずの平知盛(松也)が渡海屋銀平という船宿の主人となって女房お柳(壱太郎)とともに安徳帝をお守りしながら、源義経(新語)一行を待ち伏せし復讐を企てますが、返り討ちに逢い・・・。


若手花形が真っ向から挑んだ碇知盛。
知盛筆頭に、お柳実は典侍の局、義経、弁慶、入江丹蔵、相模五郎・・・それぞれの役が期待以上の出来で、若さと気迫あふれる舞台を見せてくれました。


このところ大きなお役が続いて松竹の期待の大きさが伺える尾上松也さん。
今年の浅草歌舞伎で演じた「吉野山」があまり芳しい評判を聞かなくて、「今ふんばって期待に応えないと」という懸念の声も漏れ聞こえてきました。
でもそんな不安を吹き飛ばすような快演。

元より声よし姿よしの役者さんですが、颯爽と登場して入江丹蔵や相模五郎をやり込める銀平も、知盛の正体を顕す勇壮な白装束も、矢折れ力尽き血まみれの凄絶な姿も、スケール大きくとても絵になります。
端正な顔立ちに白塗りも隈取も映えて、歌舞伎絵のような美しさ。
大詰めの勇壮な碇担ぎ、そして背中からの身投げも3階から観ると両足裏が綺麗に見えて、お見事でした。
口跡もよい役者さんですので、台詞に感情を乗せても言葉がきちんと聞こえます。
銀平の大きさ、おおらかさ、平家を滅亡へと追い込んだ義経への凄まじいまでの憎悪、安徳帝の言葉を聞いての諦観、そして哀切・・・知盛のドラマがくっきり浮かび上がりました。

女房お柳 実は安徳帝の乳母 典侍の局は中村壱太郎さん。
前半の世話物っぽいお柳と、後半で十二単を纏った典侍の局の気品ある凛とした姿の対比も鮮やか。
お柳さんが銀平 Love♡な感じで銀平がどれほど日和見に長けているかをどや顔で自慢するところでは客席やんやの拍手。
壱太郎さんも口跡のよい役者さんですが、感極まると声がより高めにシフトして少し割れてしまう時があるのが今後の課題でしょうか。

義経の坂東新悟さんが少ない出ながら気品にあふれ、声もよく、人物の大きさや慈悲の心も見えて印象的。
ふわりと美しい中に憂いがあって、いかにも悲劇のヒーローの雰囲気を纏い、義経のこの先の運命にも思いを馳せてしまいました。

弁慶は中村歌昇さん。
吉右衛門さんに習ったのかな?時折吉右衛門さんの弁慶が思い浮かびました。
教わったことを一つずつきっちり体現してみせた弁慶。最後の幕外の法螺貝の響きが切なかったです。

相模五郎の中村種之助さん、入江丹蔵の尾上右近さん。
2人とも踊り巧者で身体能力が高いので動きが軽やかで美しく、シャープ。
銀平に投げ飛ばされた後の魚づくしも楽しく聴かせてくれました。
「大物浦」のご注進も悲壮感漂いながら力強く、すばらしかったです。
特に、小柄で可愛いイメージのある種之助さんの大きさに目を見張りました。


戯曲本来のすばらしさ、おもしろさはあるものの、花形だけでここまで完成度の高い舞台を見せてくれたことに感激。
若さが勝ちすぎる場面もありますが、歌舞伎の未来は明るいです。
10年後かもっと先になるかもしれませんが、歌舞伎座でこの座組でまたこの演目を観られる日を楽しみにしています。


二、三人形
出演: 中村梅枝  中村種之助  坂東新悟


江戸 吉原仲之町。
若衆(梅枝)、傾城(新悟)、奴(種之助)の三体の人形が箱から出され、それぞれに魂を持って踊り始めるという常磐津舞踊。

絵面も美しく華やかで、楽しい舞踊でした。

最初に若衆を観て、「あのイケメンは誰?」と思ったら梅枝さんでした。
女方を見慣れていますが、立役もステキ。
所作が優美でしかも色気もあるという若衆。
ほんとに何でもできるな(本日2回目)。

新悟さんの傾城はしっとり艷やかな美人さん。
首が長く、裾広がりの着物のラインが美しかったです。

そして奴の種之助さん。
身体能力の高さ、体幹の安定ぶりが感じられる舞踊。
軽やかにリズムを刻む足拍子、キビキビと軽やかな手足の動き。
廓へと向かう奴の浮き立つような気持ちにピタリとハマって見せ場たっぷりでした。



どちらの演目も時間が許せばもう1回観たかったな のごくらく地獄度 (total 1709 vs 1711 )



posted by スキップ at 22:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 歌舞伎・伝統芸能 | 更新情報をチェックする
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