2017年01月26日

祝 芝翫襲名 「壽初春大歌舞伎」 夜の部


shochikuza201701.jpg一月の松竹座は中村芝翫さんと3人のご子息の襲名披露興行。
新春ということも重なって、ロビーは華やいだ雰囲気でした。


中村橋之助改め 八代目中村芝翫 
 中村国生改め 四代目中村橋之助
 中村宗生改め 三代目中村福之助
 中村宣生改め 四代目中村歌之助 襲名披露

大阪松竹座開場二十周年記念
壽初春大歌舞伎 夜の部

2017年1月21日(土) 4:00pm 大阪松竹座 3階2列センター



一、鶴亀
出演: 坂田藤十郎  中村橋之助  中村福之助  中村歌之助


能の「鶴亀」を長唄に移した祝祭的なおめでたい舞踊劇。
藤十郎さんの女帝を囲んで、鶴に橋之助くん、亀に福之助くん、従者が歌之助くんという布陣です。

鶴、亀はそれぞれ頭に鶴と亀の飾りがついた冠をかぶっていて、鶴、亀柄の入った着物を着ていて、見た目にも楽しい舞踊でした。
藤十郎さんの女帝は神々しく厳か。
三兄弟はきちんとお行儀よい踊り。
実はワタクシは三兄弟の中で国生くん(つまり橋之助くんね)しか把握できていなかったのですが、この演目は登場人物4人だけだし役柄もシンプルなので、お陰で3人の区別がつくようになりました(←そんな感想?💦)   


shochikuzashikan.jpg


二、襲名披露 口上

白虎や鷹、波などが力強く描かれた背景の襖絵がとても斬新で印象的でした。
あんな背景画、これまで歌舞伎の口上で見た記憶ないような。

口上の仕切りは藤十郎さん。
上手から、仁左衛門さん・東蔵さん・彌十郎さん・進之介さん・孝太郎さん・鴈治郎さん・秀太郎さん・藤十郎さん・芝翫さん・橋之助さん・福之助さん・歌之助さん・児太郎さん・魁春さん・我當さん の並び。

例によって出演者をあまり把握していない私は、魁春さんが顔を上げた途端、思わず身を乗り出したほど驚く。
魁春さんを松竹座で観るなんて何年ぶり?まして口上なんて・・・。
(自分のブログ検索したら、2008年の「伽羅先代萩」以来でした。)

すごくお元気というようにはお見受けできませんが、懸命に口上を勤められた我當さん
「芝翫さんが子供の頃、一緒に映画を観に行った。男同士で映画に行ったのは、芝翫さんの他にはあと一人だけ 勘三郎さん。勘三郎さんもきっと喜んでいるはず」という彌十郎さん
「父(福助さん)も1日も早く舞台復帰できるようリハビリをがんばっている」という児太郎くん
たちにウルッとなりつつ。

下手の末席に、先代芝翫さんからのお弟子さんで昨年幹部昇進して中村梅花を襲名された芝喜松さんが列座され、芝翫さんが紹介されていて、うれしい心遣いだなぁと思いました。

芝翫さんはもちろん、口上列座の役者さんたちに雨アラレとかかる大向うがいずれも声よしタイミングよしで、さすが松竹座の大向うさん、よい仕事っぷりです。


shochikuzashikan2.jpg

襲名祝幕は佐藤可士和さん作で大阪の老舗 芝翫香寄贈。
昨年歌舞伎座でお披露目された二種類とはまた違ったデザイン。
4人それぞれの名前がモチーフになっているようです。


shochikuza201701-2.jpg三、歌舞伎十八番の内 勧進帳
出演: 中村芝翫  中村魁春  中村橋之助  中村福之助  中村歌之助  嵐橘三郎  片岡仁左衛門 ほか


夜の部の襲名披露演目。
芝翫さんの弁慶にご子息3人+橘三郎さんの四天王。
義経は魁春さん、仁左衛門さんが弁慶で付き合うという豪華版です。

橋之助さん時代にも弁慶を演じられたことがあると記憶していますが、私は拝見するのは多分初めて。
上背もあって、弁慶の山伏装束がとてもよくお似合い。
口跡よく声もよく出ているので台詞も聴き取りやすく、山伏問答もなかなかの迫力でした。
襲名披露狂言ということもあってかかなり力が入っていて汗が滴るほどの熱演でしたが、もう少し緩急がつけばさらによくなるのではないかと思いました。

最後の幕外。
弁慶の富樫への感謝の思いが、芝翫さんの観客への思いとも重なるような、万感の表情が印象的でした。
飛び六方の引っ込みは祝幕を背に、客席の大喝采を受けて。

これが一番の楽しみだった仁左衛門さんの富樫。
凛としたた佇まいの中に、知と情、厳しさとやさしさ、冷徹と温かさを兼ね備えた富樫。すばらしかったです。

私は仁左衛門さんの弁慶も大好きなのですが、富樫のよいお声を聴きながら、仁左衛門さんが富樫、弁慶、義経を語り分けた「聴く 勧進帳」のことが蘇ってきました。
いや~、今思えばあれは本当に贅沢で幸せな公演でした。

冒頭、「あれ?判官だれだっけ?」とぼんやり考えていたところに魁春さん出てきてびっくり。
この日は魁春さんに驚かされっ放しです(笑)。
口上の時も義経でも、魁春さんの赤い目はブレないのね。


個人的には昨年、木ノ下歌舞伎で”口語訳”の「勧進帳」を観て、その後、文楽で”字幕つき”の「勧進帳」を観たこともあって、自分でもちょっと驚くくらい
に詞章が耳に入ってきました。
これまでも台詞はしっかり聴いているつもりだったのですが、やさしい言葉や文字で学ぶって大切、と改めて感じたのでした。
そしてやはり、「勧進帳」はおもしろいなぁ、と再認識したのでした。


四、雁のたより
作: 金澤龍玉
出演: 中村鴈治郎  片岡孝太郎  中村亀鶴  中村児太郎  中村梅花  中村寿治郎  坂東彌十郎  中村芝翫 ほか


上方歌舞伎の演目であり、演目名にも見覚えがあったので、てっきり観たことがあると思っていたのに最後まで知らないストーリーで、観たことない演目だったーと、終演後ご一緒したお友達にも話したのに、後でブログ検索してみたら、2006年の南座顔見世で観ていました。
「えっ、そんなオチなの~?」っていう感想も同じ。
11年前とはいえ、完璧に忘れているとは・・・ワタシの記憶力。。。


鴈治郎さんの髪結三二五郎七はこういう役、お手のものという感じです。
亀鶴さんのバカっぽい若殿左司馬がおもしろおかしく、その若殿がメロメロの愛妾 司の児太郎くんが美しくてツンと横を向く様子も可愛い。

髪結のお客の若旦那を演じた芝翫さんが、弁慶の重圧から解放されたような肩の力が抜けたつっころばしっぷりで楽しかったです。
鴈治郎さんと二人 床几に腰掛けてのアドリブタイムでは、「芝翫いう役者は色っぽい話もいろいろあるようで・・」とイジられても、「もう言わんといて。やっと騒ぎも収まってきたところやねんから」と余裕で返していました。
鴈治郎さんの方も、「毎日夜の街をフラついている」と言われて、「それ、違う鴈治郎とちゃうか?」とトボけていらっしゃいましたが。

ツッコミどころはありつつも、最後は「めでたしめでたし」と明るい気分で終われる、新春公演の打ち出しにはよい演目でした。



昼の部も観たかったけど観に行く時間がなかったのぉ の地獄度 (total 1698 vs 1700 )




posted by スキップ at 23:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 歌舞伎・伝統芸能 | 更新情報をチェックする
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