2017年01月24日

命の使いみち 星組 「燃ゆる風 -軍師・竹中半兵衛-」


moyurukaze.jpg星組三番手? 七海ひろきさん バウホール初単独主演。
演じるのは戦国時代に黒田官兵衛とともに「両兵衛」と並び称された軍師 竹中半兵衛。
端正な容姿と若くして病で散ったことから「戦国の沖田総司」とも言われている人物です。

バウホール公演はいつもチケット難ですが、かいちゃん人気もあって今回は特にキビシかった模様。


宝塚歌劇星組公演 バウ・戦国ロマン
「燃ゆる風 -軍師・竹中半兵衛-」
作・演出: 鈴木圭
出演: 七海ひろき  真彩希帆  万里柚美  天寿光希  
音羽みのり  麻央侑希  天華えま/悠真倫 ほか

2017年1月21日(土) 11:00am 宝塚バウホール 17列センター



尾張の織田信長(麻央侑希)が美濃の斎藤龍興と対立している時代。
信長が攻めあぐねていた龍興の居城 稲葉山城を少数の兵で乗っ取ったという竹中半兵衛(七海ひろき)を臣下に迎えるべく、信長は木下藤吉郎(悠真倫)を遣いとして差し向けます。
頑なに拒んでいた半兵衛でしたが、「戦のない、民百姓が平和に暮らせる国を」という藤吉郎の言葉に共感し、信長ではなく藤吉郎のもとで働くことを承諾します。


稲葉山城攻めに始まり、金ケ崎の合戦(お市が小豆袋を陣中見舞いとした逸話もきっちり挿入)、信長による延暦寺焼き討ち、秀吉の毛利攻め、荒木村重の謀反と黒田官兵衛の幽閉、官兵衛の嫡男 松寿と半兵衛のかかわり、半兵衛が自らの軍配を松寿から官兵衛に渡すよう託すくだりまで、史実をふまえながら、半兵衛の妻 いね(真彩希帆)が実は信長と濃姫(音波みのり)の娘だというフィクションも織り込んで、戦乱の時代を流星のように駆け抜けた竹中半兵衛の半生をドラマチックに描き出しています。

結構史実に忠実なのにちゃんとタカラヅカ。
戦国時代好きでプチ歴女の血が騒ぐ(笑)。
いや~、竹中半兵衛の物語、また読みたくなりました。


男が男に惚れる的なアツい友情あり、戦の駆け引きあり、夫婦の絆あり、親子の情ありの物語ですが、一番のテーマは「命の使いみち」でしょうか。
少年時代、母の病に効く薬草を求めて隣国 尾張に侵入し、危うく殺されそうになったところを濃姫に救われ、その時諭された言葉が「命の使いみち」。
これが竹中半兵衛のその後の生き方を決定づけたと言っても過言ではなく、信長の遣いでやってきた藤吉郎に心動かされたのも、「乱世を終わらせ、民百姓が平和に暮らせる世を作ることこそ武士の務め」という言葉だったからもよくわかります。

金ケ崎の合戦を前に三郎太(天華えま)が恋人のお雛(七星美妃)に、「帰ってきたら祝言だ!」と言っているのを聞いて、「これ、死亡フラグやん・・」と思っていたら、その通りになってまんまと泣かされて、さらには皆が半兵衛の邸に帰って来たとき、お雛ちゃんが誰かを探している後ろ姿に、「あの子、三郎太を探してるやん」とまた涙。


七海ひろきさんは甲冑を着て壇上に登場するオープニングから目を奪われるカッコよさ。
すごく声を張ったり、熱くなったりしない印象があるのですが、その持ち味に半兵衛のキャラクターがよくハマっていました。
正直のところ歌唱はもうひとふんばり感がなくもないですが、ともすれば一本調子に聞こえがちな台詞も、言うべき時、声を出すべき時はしっかり緩急がついていましたので、あれは役づくりだったのでしょう。

一幕終わり、喀血して口の周りに血がついた蒼白な表情の似合うこと。
病を押して最期の戦に臨む時、「今生の別れだっ」といねを抱きしめる切なさ。
そして、死ぬ直前の有岡城攻めの鬼気迫るような采配。
その後、ふっと天に昇っていくような透明感・・・ナミダ。

この作品で木下藤吉郎こと秀吉は、半兵衛との対比の上でヘタレに描かれ過ぎかとは思いますが、悠真倫さんはさすがの上手さ。
軽妙さの中に、信長に可愛がられ、半兵衛の心をも動かす人としての魅力や器の大きさを感じさせてくれました。
半兵衛の最期のシーンで、「半兵衛殿っ!」と涙ながらに呼びかける藤吉郎の表情を観ていたら、思わず「くっ」と声が出るくらい泣いてしまいました。

妻 いねの真彩希帆さんは歌うまさんで知られていますが、お得意の歌はもちろん、台詞も口跡よく、聴き取りやすい声。お芝居もお上手で、これまでの舞台では時に演技過剰かなと感じることもあったのですが、今回は終始控え目なトーンでよかったです。
これが星組生としては最後の公演。
多分、雪組次期トップさんの相手役になるのかな?

タッパを活かし、迫力たっぷりにカリスマ性とスケールの大きさを感じさせた麻央侑希さんの信長。
血気にはやる若き日と幽閉から解放された後の悔恨を演じ分けた天寿光希さんの黒田官兵衛。
幼いころから常に半兵衛と行動をともにし一途に仕え、半兵衛を逃して戦に散る天華えまさんの三郎太。
・・・周りの人物も彩り豊か。

娘役では、濃姫を演じた音波みのりさんの凛として美しく、品のある佇まいと、武家の家に生まれた宿命を覚悟を持って受け容れている少年 松寿の天彩峰里さんが特に印象的でした。



七海ひろきさん カーテンコールのご挨拶:

こんなに毎日一人の人生を生きていると自分の人生についても考えてしまいます。
私はなぜ舞台に立っているのだろうかと・・・それは伝えたいことがあるからです。伝えたいことがあって、これからもずっと何かしていくんだろうなと思います。これからも皆様の心に感動をお届けし続けたいと思います・・・こんなところで宣言するなって話ですけど。
・・・はい、今日のお言葉でした。



かいちゃん 次はロベスピエール もし昨年の東宝版と同じなら二幕冒頭に謳い上げる曲あるはず。がんばって! のごくらく地獄度 (total 1697 vs 1699 )



posted by スキップ at 23:13| Comment(0) | TrackBack(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
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