2016年10月24日

平幹二朗さん


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私がその訃報を知ったのは、昨夜 日付が変わろうとする少し前。
パソコンを開いてYahoo!のトップ画面にその文字を発見して一瞬凍りつきました。

これがその時、何とか指を動かしたツイート。

平幹二朗さん。「クレシダ」観たのは10月9日。あの素晴らしい舞台が最期になるなんて、思ってもみませんでした。言葉が続かない…
2016.10.23 23:45


その後も、平さんの舞台があれこれ頭の中を駆け巡って、眠れない夜を過ごしました。
まだ舞台なんて観ていなかった子どもの頃、大河ドラマ「樅の木は残った」で主演した平さんの役名が「原田甲斐」で、当時仲のよかった幼なじみの原田◯◯子ちゃんのあだ名が「カイ」になったなぁ~、とか、そんなことを思い出したり。


私が初めて観た平幹二朗さんの舞台は、蜷川幸雄さん演出で太地喜和子さん共演の「近松心中物語」ですが、このブログを「平幹二朗」で検索したところ、感想をアップしている平さん出演作品は以下の10本でした(年代順)。

リア王 (2008年)
イリアス (2010年)
こんばんは、父さん (2012年)
テイキング・サイド (2013年)
唐版 滝の白糸 (2013年)
真田十勇士 <映像出演> (2014年)
蒼の乱 (2014年)
炎立つ (2014年)
ハムレット (2015年)
男たちの棲家~ドッコイ!俺たちはここに居る~ <声の出演> (2016年)

それから、感想は書けていませんが、「ミシマダブル」 (2011年)
そして、まだ感想書きかけの 「クレシダ」 (2016年)


私が観た舞台だけでもこうしてリストアップしてみると、ずっと精力的にコンスタントに舞台に出演されていたことがわかります。その合間に映像でも活躍されていましたので、ずい分お忙しい毎日だったと想像に難くありませんが、いつも全く年齢を感じさせないパワフルな舞台を見せてくださいました。

この中では、「リア王」「イリアス」そして「クレシダ」が my トップスリーなのですが、
「リア王」の感想に、「存在感とかオーラとか、何と表現すればよいのでしょう。まわりのすべてを巻き込む磁力のようなものを感じます」と書いたように、本当に平さんの存在は、どんな舞台でも抜きん出ていました。
今でも「リア王」と聞くだけで、「お前の名はグロスター」という台詞が、平さんの低い声で蘇ってきます。
この時、グロスターの息子エドガーを演じていたのが、「クレシダ」の後、平さんに向けて素敵なメッセージをブログに書いていらした高橋洋さんだというのも何とも・・・(涙)
(ご訃報を知られた後の洋さんのブログはこちら

「イリアス」のヘクトルの父 プリアモス王もとても印象に残っています。
大きな月を背に、憎悪を越えてアキレウスと2人手を取り合う姿。幸せと狂気が入り混じったような微笑み。

「テイキングサイド」のラスト。
ベートーベンの第九 第1楽章が流れる光の中、指揮棒を持たない手でタクトを振りながら去って行くフルトヴェングラーの後ろ姿の切なさも忘れられません。

それから「蒼の乱」の常世王も、「炎立つ」のアラハバキも、「ハムレット」のクローディアスも
・・・と一つひとつ全部書いていきそうな勢い(笑)。


改めて実際の年齢を知るとご高齢だったのだとわかりますが、平さんには何だか年齢とかなくて、これからもずっといろんな舞台でいろんな役を見せていただけるような気持ちでいました。
「男たちの棲家~ドッコイ!俺たちはここに居る~」で平さんの台詞が流れたらすぐにそれとわかったあのいい声も、もうナマで聞くことができないなんて。


やっぱり追悼の言葉なんて見つからないな。
ご訃報が流れた後、横田栄司さんがツイートされた「ハムレット」のホレイショーの台詞を記しておきたいと思います。


気高いお心が砕けてしまった。
おやすみなさい、優しい王子様。
天使たちの歌声を聴きながらお眠りなさい。
(「ハムレット」第五幕 第二場)




2012年は私の世界から中村勘三郎さんがいなくなった年でしたが、
2016年 平幹二朗さんがいなくなってしまいました。蜷川幸雄さんと同じ年に。



posted by スキップ at 23:14| Comment(0) | TrackBack(0) | エンタメ et. al | 更新情報をチェックする
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