2016年02月02日

いつかあなたを迎えに行く 「鈴蘭(ル・ミュゲ) —思い出の淵から見えるものは—」

muguet.jpg星組95期 礼真琴さん2回目のバウホール主演作にして樫畑亜依子先生のバウホールデビュー作。
描くのは、初恋の女性への想いを胸に秘め続けた青年貴族の物語。


バウ・ミュージカル
「鈴蘭(ル・ミュゲ) —思い出の淵から見えるものは—」
作・演出: 樫畑亜依子
出演:  礼真琴  真彩希帆  万里柚美   白妙なつ  
紫りら  瀬央ゆりあ  /一樹千尋  ほか

2016年1月24日(日) 11:00am 宝塚バウホール 5列上手


舞台は中世フランスの架空の公国。
伯爵家の子息リュシアン(礼真琴)は、7歳年上の幼なじみシャルロット(音波みのり)に恋心を抱いていましたが、彼女は他の公国へ嫁いでいきます。
13年後、シャルロットが夫・ガルニール公殺害の容疑で処刑され、虚ろな日々を送っていたリュシアンに、国王ルイ11世(一樹千尋)は事の真相を探るよう命じます。
ガルニール公国へ向かったリュシアンは、ガルニール公と前妻の間の娘・エマ(真彩希帆)やガルニール公の弟ヴィクトル(瀬央ゆりあ)たちと出会います・・・。

シャルロットを失くして、生きる目標も見失ったリュシアンが、その死の真相に辿り着くとともに人間としても成長する物語。
まぁ、善悪の役がはっきりしていてストーリーは読めてしまいますし、リュシアンの打つ手がことごとく上手く行き過ぎるとか、いろいろツッコミどころはありつつも、最後まで面白く拝見しました。

シャルロットの死にまつわる謎解きはともかく、ストーリー的に一番弱いなと思ったのは、リュシアンがエマを愛するようになる心の動きが見えにくかったことでしょうか。

ルイ11世の代わりにチェスをして逆転勝ちした褒美を聞かれて、「では女を。相手が人妻であっても屍であっても・・」と応じるリュシアン。明らかにシャルロットをイメージしています。
それがラストで、「あのお約束を覚えておいでですか?」と、「褒美に女をもらう」という約束を持ち出すところはなかなかシャレたオチですが、リュシアンにとってその「女」がシャルロットからエマに変わって行ったのはいつだったのかなぁ、と。嫁いでいくシャルロットに、鈴蘭の花を手渡し、「いつかあなたを迎えに行く」と言うリュシアンに、「この手で大切な人を守れるようになって。いい男になってね、リュシアン」と、それまで「リュリュ」と呼んでいたのに、この時だけちゃんと「リュシアン」と言うシャルロットが印象的でした。

エマが後継者としての権利を放棄しないと決心し、ヴィクトルから命を狙われるかもしれないとなった時に、「俺が・・・守ってやるよ」とエマに言うリュシアン。
そしてそんな自分に驚いたように自分の手を見て、「守る?」とつぶやきます。そう、あの時シャルロットに言われた言葉の意味を噛みしめるように。

ここ、リュシアンが、自我に目覚めるというか、自分の手が、手の届かない人ではなく、目の前の女の子を守るためにあるのだと気づいたところだと思いますが、それと愛することとは別なのでは?
もちろんエマのことは憎からず感じているとは思いますが、美しくやさしく、しかも非業の死を遂げた初恋の人が心からいなくなるなんてこと、あるのかしら。
エマがリュシアン惹かれていったのはよく見えたので、まぁ、結婚してもしばらく片思いだな(笑)。


それにしても礼真琴くんのオールマイティぶりよ。
歌は本当にのびやかで、いくらでも聴いていたいくらい。
台詞と歌の境目があまり感じられないのも素晴らしいです。
童顔で男役にしては少し小柄なので、少年のイメージが強いですが、心に少し翳りを持つ青年役がとてもハマッていました。
バルトロメ(漣レイラ)との激しい殺陣やフィナーレのダンスソロでは身体能力の高さを見せつけていました。

ヒロインの真彩希帆さんも歌うまさんで耳に心地よい声。
礼さんと声質もハーモニーも合っているので、2人のデュエットは本当に耳福。
ビジュアル的には私はそれほど得意な娘役さんではないのですが(笑)、最初はおとなしいお姫様と思いきや、少し気が強くて、笑ったり口をとがらせたり、活き活きと表情豊か。お芝居も上手いなぁ。

敵役を一身に背負ったヴィクトルの瀬央ゆりあさん。
髭をたくわえた苦味走ったビジュアル。上背もあって、ダークなイメージが礼さんリュシアンと好対照。
ヴィクトルにはヴィクトルなりのこうなってしまった過去があって、彼もまたシャルロットに心を寄せていたというドラマが描かれていたのもよかったな。
前回公演「ガイズ&ドールズ」新公ラストチャンスで主演したのが自信にも糧にもなっているのではないでしょうか。
フィナーレ センターで踊るダンスもカッコよかったです。

今回星組は、「Love&Dream」「紅ゆずるディナーショー」そしてこの公演と3グループに分かれていて、人数も少なく若手中心ですが、気品ある華やかな美貌の音波みのりさんシャルロット、ヴィクトル命でわが身を犠牲にすることさえ厭わない白妙なつさんセシリア、いかにもお世話好きの乳母といった風情の紫りらさんロジーヌなどいろんな人に見せ場あってうれしかったです。ルイ11世の側近マルセルの 綾凰華さんも印象に残りました。
そのルイ11世の一樹千尋さん、エマの祖母マルティーヌの万里柚美さんの両ベテランがしっかり締めて。


この日はとても寒い日で、礼真琴さんもカーテンコールで、「外はすごくすごくすごく寒いですが・・」とおっしゃっていて、一樹さんが礼さん見て微笑んでいらっしゃいました。


本当に寒かったけれど、熱演の舞台に心温まる思いでした のごくらく地獄度 わーい(嬉しい顔) ふらふら (total 1510 わーい(嬉しい顔) vs 1511 ふらふら)
posted by スキップ at 22:23| Comment(2) | TrackBack(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
柚希さん️で観ていた頃新公主演など、活躍凄まじいまこっちゃん、今回も観にいきたかったのですが、昨年からの体調不良と言うよりバウはチケ難(´・̥̥̥̥ω・̥̥̥̥`)スカステで拝見いたしました。

TVからでも確認出来る完成度の高さは、ハンパなかったです。
真彩さんも、すてきですが、宝塚の娘役としてはこれから様々な役をするにあたっては、特に口元辺りからに関して厳しい面あるかな?と個人的に思ってしまいました。
音花さんみたくになるかもとか。又、ガイズまではノーマークだった瀬尾ゆりあ君も出来ますね(⌒▽⌒)そして、古くはジュンコさん、そしてコムちゃん、森山未來くんなど、少しが離れ気味のビジュアルに弱い私、96期(今更ながら)とは言え紫藤りゆう君にも目が離せないワタクシであります。
追伸、身体も目覚しく回復傾向にあり、不死身のsissyでございます୧(⑅˃◡˂⑅)୨
Posted by sissy at 2016年02月03日 06:53
♪sissyさま

不死身のsissyさま、何てすばらしい。
おめでとうございます・・は気が早過ぎるにしても、
目覚ましい回復とは本当に喜ばしいですね。
明るい春が近づいてくるようで、こちらまでハッピーな
気分になりました。ありがとうございます。

>古くはジュンコさん、そしてコムちゃん、森山未來くんなど、
>少し目が離れ気味のビジュアルに弱い私
ここで思わず笑っててしまいました。
これ、そのまんまワタシなのですもの(笑)。
この3人とも、大好きです。
やっぱりsissyさまとは嗜好が一致しますね~。

礼真琴さんは、前回のアデレイドで本公演の準主役級の役
をこなしていましたので、バウホールで若い人たちの中では
やはり一際抜きん出て見えました。
そこに瀬央さんがよく対抗していたな、と。
しどりゅうくんも漣レイラくんもよかったです。
星組の若手、これからも楽しみで目が離せませんね。
Posted by スキップ at 2016年02月03日 23:16
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