2016年02月01日

市川染五郎 輝く魅力のすべて


rokuseisomegoro.jpg今回が26回目となる六盛 歌舞伎サロン。

1回目からずっと司会を続けていらっしゃる鈴木治彦さんによると、21年前、第1回目のゲストが染五郎さんで、以来、今回が6回目の登場で最多(次点は中村勘三郎さんで5回)。

私は、前々回(2009年8月)、前回(2013年6月)に続いて3回目の参加です。

治彦さん(87歳ですって、お元気!)のリードで染五郎さんも終始ご機嫌で口もなめらか。
ラスベガス公演のお話からご自身の襲名、直次郎、金太郎くんの秀頼、四谷怪談、阿弖流為から弁慶まで、盛りだくさんのお話を聞かせていただきました。


第二十六回 六盛 歌舞伎サロン
市川染五郎 輝く魅力のすべて

ゲスト: 市川染五郎 
聞き手: 鈴木治彦

2016年1月31日(日) 5:00pm 京都岡崎 六盛


染五郎さんが丑年ということで、昭和24年生まれの萬次郎さんに始まって、丑年の歌舞伎役者さんを挙げていく治彦さん。

染五郎さんの一回り下が尾上松也くんというところで反応する染五郎さん。
「12歳下ということですよね?」
「松也くんは顔をすると綺麗なんですが、普段はとてもおじさんなんで・・」ですって。
中村宗生くんに至っては二回り下ということで、「全く失礼だなぁ」と(笑)。


以下は印象に残ったトークの覚え書きです。


■ 親子三代襲名

染五郎さんが今の名前を襲名したのは1981年 8歳の時。
お祖父様の白鸚、お父様の幸四郎と三代揃っての襲名でした。
祖父は「自分が生きているうちに」と言葉通り「命がけて」襲名披露興行を勤めました。

「仮名手本忠臣蔵」の力弥を、子どもがやる役じゃないですが襲名だからとやらせていただいて、祖父の体調が悪く、場面がカットになって僕の出番もなくなった時、「ごめんね」と謝られたのがとても印象に残っています。
2ヵ月連続の襲名披露興行で、翌月は「助六」の福山のかつぎを、これも子どものやる役ではないですが、襲名だからとやらせていただきました。

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パーティ会場に飾られていた幸四郎さんと染五郎さんの連獅子の押隈
(よっぱで撮ったのでピンボケあせあせ(飛び散る汗)


■幸四郎さんは元気

お父様の幸四郎さんは本当に元気、というお話で、
「気をつけて見ていると食事とかいろいろ気を使っています。
量とか、野菜をたくさん食べるとか」

-やっぱりカラダが資本の役者さんは皆、自分を律していらっしゃるのね、と改めて思いました。


■ 金太郎くんの秀頼

一月歌舞伎座の「二条城の清正」は、自分の時間が空いていることもあって、金太郎くんの秀頼を全公演ご覧になっだそうです。
こんなことはもうないかも、とおっしゃっていました。

歌舞伎座は二階の一番後ろが一番声が届かないところなので、毎日そこで観て、終演後に「今日はここができた。次は・・」というようにアドバイスしたり話し合ったのだとか。
顔も最初のうちは染五郎さんがして、徐々に薄く描いて金太郎くんが上からなぞったりしながら、最後の方は金太郎が一人で全部しました、と。

「教わったことは全部渡す」とおっしゃっていたのも印象的でした。

- 婦人画報2月号の特集「松本金太郎、十歳。未来を隈取る。」に掲載された、金太郎くんが「紅葉狩」の山神を演った時の染五郎さんのアドバイスメモが目に浮かんで思わずウルウル。


2時半頃 学校に迎えに行って、3時半頃から顔をして、5時頃から舞台・・。
金太郎は毎日学校行って、舞台出て、帰って宿題して寝る、みたいな生活で、自分の好きな芝居をつくる時間がなかったので、終わってその時間ができてうれしいみたい。
「小道具さんはどこで仕入れてるのかなぁ」とか言っているらしい(笑)。


■ これからやりたい役

「今後やりたい役は?」という治彦さんのご質問にはかなり悩んでいたご様子の染五郎さん。

義経千本桜でやりたい役は知盛だそうです。

- 私もぜひ観たいです。染五郎さんの大物浦。叔父様大特訓していただいて。

「忠信は僕はやりません」とおっしゃっていましたが、何か決まっているのかな?
「関扉」もいつかやりたい、とおっしゃっていました。

「助六もやりたんじゃないの?」という質問には、

助六は自分がカッコいいと多少思ってないとできない役(まぁ、直次郎もですが)。
だから「やりたい役」とは即座には言いにくいですね。

松竹には「(やりたい役や演目を) 数 言ってます」と(笑)。


■弁慶は罰ゲーム?

子どもの頃からやりたかった役。

幸四郎さんからは「気負い過ぎないで、あまり『弁慶になる』『弁慶になる』と思い過ぎずに」と言われそうです。
吉右衛門さんには「弁慶は受け身なんだ」と言われてハッとしたとか。
「前に出る」「攻撃する」イメージのある弁慶だけど、言われてみれば確かにその通りだ、と。
その吉右衛門さん、判官御手では本当にまばたきひとつしないでじーっと弁慶を見ていらしたのだそうです。
「まさに義経でおられた」 と染五郎さん。

弁慶登場の第一声は花道なので自分の声が全く聞こえないのだそうです。
そして勧進帳読み上げで体力気力使い果たした、と(笑)。

考え方ちょっと変えると罰ゲームですよね、ともおっしゃっていました。
前に父がいて後ろに叔父がいて、金太郎は前に父が弁慶の時、太刀持ちをやったので「こんなに違うんだ」と思ってるんじゃないかと(笑)。

「滝流しをつけて勧進帳 弁慶をやるのが次の目標」と。

「吉右衛門さんはあなたを家に呼んで稽古したり、やっぱり期待しているんだね」と治彦さん。
「期待というか、もういいかげん何とかなってくれという感じなんじゃないでしょうか」

「それでお父さんは面白くないんじゃないの?」と治彦さん 爆弾発言。
「そんなことはありません。しっかり教えてもらって来なさいと言ってます。
 もしそうだとしても、ここでそんなこと言える訳ないじゃないですか(笑)」


「こんなところで言える訳ない」発言はもう一度あって、
「相手役がこの人じゃやだ、とかないの?」という質問の時。
「こんなところでは言えません・・・いや、ないです」と(笑)。



■ ワンピース

「ワンピース」はやると決まった時、すぐに猿之助くんにメール・・LINEですけど・・しました。
「ワンピース」の初日は大阪で「阿弖流為」をやっていたので、楽屋でみんなで「今日だね、今日だね」と話していました。
「観た人皆が絶賛して、大成功して本当にすばらしいと思います。
今年は松竹座もあり、博多座もあって、博多座はできないこともできるようになる劇場ですので。

猿之助くんとは彼が猿之助になってからまだ一緒にやっていないんですよね。

- 私たちも待っています。猿之助さんとの共演。


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場所を移しての立食パーティでも終始穏やかな笑顔を会場にふりまいてくれた染五郎さん。
各テーブルをまわって写真撮影に応じて、質問にも丁寧に答えてくださいます。
何人かのお友達とも一緒になって、六盛さんのおいしいお料理とともに、とても楽しい夜を過ごしました。



抽選には当たらなかったけど贅沢は言いますまい のごくらく地獄度 わーい(嬉しい顔) ふらふら (total 1509 わーい(嬉しい顔) vs 1510 ふらふら)
posted by スキップ at 23:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 歌舞伎・伝統芸能 | 更新情報をチェックする
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