2015年12月30日

當る申歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎 夜の部

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演目が今イチでもチケット代がめちゃ高くても、これを観ないと年を越せない気がします。
今年は四代目中村鴈治郎襲名披露興行。
南座に「中村鴈治郎」のまねきがあがるのは11年ぶり。
「中村鴈治郎」と「坂田藤十郎」のまねきが並ぶのは初めてのことなのだとか。

京の年中行事 當る申歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎 夜の部
四代目中村鴈治郎襲名披露 
2015年12月5日(土) 4:45pm 南座 3階1列上手



第一、信州川中島合戦 輝虎配膳
作: 近松門左衛門
出演: 中村梅玉  中村時蔵  中村橋之助  中村扇雀  片岡秀太郎 ほか


戦国時代。武田信玄の好敵手・長尾輝虎こと後の上杉謙信のお話。
武田の軍師 山本勘助を味方にしようと計略した輝虎は勘助の母 越路(秀太郎)と妻お勝(時蔵)を館に招待。小袖を進呈したり、自らお膳を供しますが・・・。

これまで何度か観たことがある演目ですが、言葉が不自由なお勝を秀太郎さんでしか観たことなくて、それがまたとても上手くて強く刷り込まれていたので、その秀太郎さんが越路で出て来た時には、「ひょっ目 ならお勝は?お勝は誰?」と、すぐ後ろに控えているにもかかわらず一人でアセッたのでした。

秀太郎さんは越路もとてもよかったです。
品格があって毅然としていて、いかにも山本勘助の母親といった気骨と手強さを漂わせて、死をも覚悟した武家の女性という雰囲気。
老いてなお、着物の裾さばきや所作が本当に綺麗。

時蔵さんのお勝は吃音の部分はあまり強調されていないようでしたが、琴を弾いて姑の無礼を切々と詫びる姿は哀感漂っていました。お琴はあまり上手そうには見えませんでしたが(笑)。

梅玉さんは私の中ではジェントルマンのイメージが強いのですが、こんな気性の激しい役も、フフフと笑う悪役も何でもこなさせて様になるなぁと改めて思いました。第二、四代目中村鴈治郎襲名披露 口上
仕切りは仁左衛門さん。
翫雀改め鴈治郎さん筆頭に、藤十郎・我當・扇雀・壱太郎・秀太郎・左團次・梅玉・東蔵・時蔵・孝太郎・橋之助・亀鶴・愛之助・進之介・男女蔵の総勢17名。盛大でした。
秀太郎さんだけが女方の拵えで、時蔵さんも孝太郎さんも珍しい立役姿。

我當さんは座るのも大変そうで、お辞儀をするのも後見の方がついていらっしゃいましたが、そこまでして口上に出られるのは同じ上方歌舞伎を志す者としての矜持があるのかと思うと、そのお姿を見ているだけで涙がこぼれました。

この日 12月5日は勘三郎さんのご命日でしたが、海老蔵さんが、本日ご命日でございますが、勘三郎のお兄さんが『智(鴈治郎さん)の笑い声聞くと元気が出るね』とよくおっしゃっておりまして、お兄さんもこの襲名をとても喜んでいらっしゃると思います」なんて言うものだから、また涙。


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第三、玩辞楼十二曲の内 土屋主税
作: 渡辺霞亭
出演: 中村鴈治郎  片岡孝太郎  中村亀鶴  中村梅枝  市川左團次  片岡仁左衛門 ほか


夜の部の襲名披露演目。

吉良上野介邸の隣家に住む旗本・土屋主税の屋敷が舞台となる「忠臣蔵」の外伝もので、これが鴈治郎さんの襲名披露演目とは少し意外な気がしたのですが、2011年に松竹座で観た「土屋主税」も主税役は当時翫雀さんの鴈治郎さんでした。
いや、あの時は染五郎さんが大高源吾で、本当にステキで、「今生の別れ」という言葉に泣かされて、他のことはあまりよく覚えていなかったのですよ。ゴメンナサイ。

今回の大高源吾は仁左衛門さん。
これがまたカッコいいんだ。あの黒の討ち入り装束の似合うこと。

土屋主税はタイトルロールですが、どちらかといえば受けの芝居かなぁと思っていたのですが、今回鴈治郎さんの主税を観て、この役には大きさ、豪胆さ、力強さが必要で、それを品よくできるのはさすがだなぁと思いました。

土屋邸の小姓 河瀬六弥がやたら綺麗な男子で「誰?!」とオペラグラスでガン見したら梅枝くんで、「あ、梅枝くんも顔見世出てるんだ」と知った次第です。


第四、歌舞伎十八番の内 勧進帳
出演: 市川海老蔵  中村壱太郎  片岡市蔵  市川男女蔵  市川九團次  市村家橘  片岡愛之助 ほか


こう言っては失礼ながら、思っていたよりずっとよかったです。

海老蔵さんの弁慶は、以前観た時に感じた台詞の変なクセというか抑揚がかなり影を潜めていて、驚き。
市川宗家の歌舞伎十八番でもあり、海老蔵さんは生まれながらの弁慶役者。
力強さも華もあります。渾身の飛び六方は迫力たっぷり。
時々海老蔵本人が出てしまうように感じることがあるのはご愛嬌かな。
人って、役者って、成長するものなのね(どんな上から目線)。

愛之助さんの富樫もきっちりと。
元々台詞のいい役者さんなので、丁々発止で早口になってもとても聴き取りやすく地力を見せてくれました。富樫の化粧、装束もお似合いです。

壱太郎くんの義経はちょっと線が細い印象ですが、品があって台詞もしっかり。
「判官御手」のあたりの神々しさというか、オーラまでは今一歩というところですが、まだ若いのでこれからも楽しみ。

IMG_9426.jpg若いといえば、富樫の太刀持ちの子役ちゃんが博多人形みたいでとても可愛らしかったのですが、ロビーに写真があった海老蔵さんの部屋子になった福太郎くんのようでした。14歳。若いわね(笑)。



さすがに顔見世 充実しています のごくらく度 わーい(嬉しい顔) (total 1493 わーい(嬉しい顔) vs 1496 ふらふら)
posted by スキップ at 23:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 歌舞伎・伝統芸能 | 更新情報をチェックする
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