2015年12月21日

そのひとはファム・ファタールか 月組 「舞音-MANON-/GOLDEN JAZZ」

manon.jpg来年9月で宝塚歌劇団退団を発表した月組トップスター 龍真咲さん。
月組は来年大劇場公演は1回きりなので、この公演がプレさよなら公演となりました。
とは言うものの、公演中はそんなこと考えてもみなかったけれど。(予感はあったけれども)。
今年研8の珠城りょうさんの二番手就任に話題集中の公演でもあります。


宝塚歌劇月組公演
Musical 「舞音-MANON-」
~アベ・プレヴォ 「マノン・レスコー」より~
脚本・演出: 植田景子
作曲: Joy Son
グランドカーニバル 「GOLDEN JAZZ」
作・演出: 稲葉太地
出演: 龍真咲  愛希れいか  珠城りょう  飛鳥裕  憧花ゆりの  
凪七瑠海  美弥るりか  宇月颯  朝美絢  暁千星/星条海斗 ほか

2015年11月23日(月) 11:00am 宝塚大劇場 1階10列上手/
12月12日(土) 11:00AM 1階4列上手
     


「舞音-MANON-」

プレヴォの「マノン・レスコー」はずい分前に読んだことがあります。
映画も観たかな(・・このあたりの記憶は曖昧)。
将来を嘱望されるエリート青年が、自由奔放に生きる美少女マノンに魅せられ、その愛に翻弄されるお話。
その「マノン・レスコー」の舞台を舞台を20世紀初頭のフランス領インドシナに置き換えたドラマです。

1929年夏、フランス貴族の血を引く海軍将校シャルル(龍真咲)は、駐屯先であるコーチシナ(現ベトナム)・サイゴンで踊り子マノン(愛希れいか)と出会いひと目で恋に落ちます。フランス人の父とコーチシナ人の母を持マノンは、金持ちの男達の心を次々に捕えては渡り歩く奔放な女性として有名でした。
そんな二人の恋を、シャルルを取り巻くフランスの人々、マノンの兄 クオン(珠城りょう)、植民地支配からの独立機運高まる反政府運動の活動家たちも絡めながら描いていきます。

本物の竹を使った舞台装置(美術: 松井るみ)や、アオザイに身を包んだ人たち、灯りが揺れるランタン・・・エキゾチックな雰囲気たっぷり。
そこに、白い軍服のシャルルはじめフランス駐留軍一行がいかにも異邦人といった「部外者」感を醸し出しています。

意外と(失礼!)おもしろく拝見しましたが、物語としては主役2人の恋よりむしろ、反政府運動家たち+クオンのストーリーの方がよりインパクが強い印象。
賭博場 紅虎家の女主人 張紫微(憧花ゆりの)、支配人ディン・タイ・ソン(宇月颯)が登場するあたりから俄然物語が動いて引き込まれました。メインストーリーの印象が薄くなった原因を考えてみたのですが、マノンのファム・ファタールぶりが不足しているのではないかなと思いました。
出会ってすぐ2人で店を抜け出すあたりまではよいとして、その後のマノンは、普通にいい娘さんで、シャルルに対してもピュアな思いを持ち続けているように見えました。
とても男を翻弄する魔性の女という雰囲気は感じられません。
これは、愛希さんの持ち味によるところも大きいですが、やはり脚本・演出がマノンをそういう女性として描ききれていないからではないでしょうか。
つまり純愛物語。

だから、マノンのためにお金を注ぎ込んで、法まで犯して破滅の道を歩むシャルルの行動が恋は盲目、「愛し合ってるんだから無理もないよね」と思えてきたり。
龍真咲さんは白い軍服がよく似合って、いかにも裕福な環境で曇りなく育ったエリートといった風情がぴったり。
ただ、シャルルはどことなく浮世離れしていて、とても切羽詰まった状況でも、あまり悲愴感が感じられないというか、何とかなるんじゃないかと思っているように感じられもします。

一方のクオン(珠城りょう)。
悪の匂いプンプンというほどではありませんが、悪役フェチのスキップ的には合格点。
黒いアオザイも顔にかかる黒髪もよかったし、お父さんが亡くなって兄妹二人だけで放り出されて、どれほど辛酸をなめて生きてきたか、哀し影が感じられるクールさでした。

マノンはクオンが死んだことを聞かされると激しく泣き崩れていましたが、クオンがマノンをただお金儲けの道具としていたのではなく、厳しい生活の中、兄としてどれほどマノンを守ってきたか、それをマノンがどれほどよくわかって感謝していたか、兄妹の強い絆が感じられるシーンでした。


ディン・タイ・ソン役の宇月颯さんが本当にステキで、この人こんなにカッコよかったっけ?と改めて見直したのですが、他にも、朝美絢、蓮つかさ、暁千星・・と将来有望なイケメン若手スターを揃えた反政府運動チーム。
に対し、シャルルを悪の道に誘い込む不良下士官マルセル・フェリ役の輝月ゆうまくんが、フランス軍チームでは一人気を吐いていました。


gj1.jpg

「GOLDEN JAZZ」

ジャズをテーマに、そのルーツであるアフリカ音楽から現代に至るまでの変遷を辿りながら、バラエティに富んだ数々の場面で構成するショー。

gj.jpg公式サイトの振付指導は事前に全く練習しなかったけれど、タンバリンだけはしっかり買って臨みましたよ。
(そしてそのタンバリンは2回目観に行った時には持って行くのすっかり忘れましたよ。)


千海華蘭・朝美絢・暁千星の3人が上手花道に登場してドラムに見立てたバケツパーカッションからスタート。

カラフルで華やかな衣装
舞台も客席も一緒にタンバリンを打ち鳴らし
♪聖者の行進 とか ♪Sing Sing Sing とか、耳馴染みのある曲の数々
ジェンヌさん大挙して客席降り

・・・楽しいショーでした。

一番印象に残ったのは「rhythm」の場面。
ジャズの発祥を表現しているのかな?アフリカンテイストの音楽や衣装。
みんな裸足で、木片みたいなものでリズムを刻みながら躍動感あるダンス。
そこに加わる愛希れいかさんのオーラとキレッキレの動き。
とても迫力あって見応えたっぷりでした。
昨年の星組公演「パッショネイト宝塚!」のカポエイラの場面とイメージが重なったのですが、同じ森陽子先生の振付だったのですね。

ひとつだけ。
愛希さんはラスボス感あって華やかで、お得意のダンスももちろんすばらしかったのですが、ここって普通、男役トップがやる場面では・・?と思ってしまいました。


黒燕尾(ではないが)は龍さん一人だけ真っ赤なスーツで、他の男役は黒のスーツにチラリと見えるシャツの一部が赤。
おしゃれでした。
ショー全編を通じて珠城りょうさんの活躍ぶり・・というか重用ぶりが目立って、この公演から正二番手になったことはもちろん、近い将来トップにするつもりなんだな、歌劇団、というのがヒシヒシと感じられました。
そして、その周りにはいつも朝美絢さんと暁千星くんが・・・。


gj3.jpg  gj2.jpg

12月12日に観た時は、客席降りのところで、白雪さち花さんが銀橋から投げてくれたコースターをキャッチるんるん
この日は101周年ラストウィークイベントでトップコンビのメッセージ&サイン入カードもいただけたし、ラッキーでした。


にしても、もう一人のシャルルって必要? のごくらく地獄度 わーい(嬉しい顔) ふらふら (total 1489 わーい(嬉しい顔) vs 1493 ふらふら)
posted by スキップ at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
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