2015年07月14日

新しいハコに入った旧い 「東海道四谷怪談」

yotsuya2.jpg内野聖陽さんの伊右衛門に秋山菜津子さんのお岩、演出は「ビッグ・フェラー」の森新太郎さんということで、「これは観たい」と力こぶ入った作品。
お岩さん以外のキャストは全員男性というのも興味シンシンでした。


「東海道四谷怪談」
作: 鶴屋南北
演出: 森新太郎
上演台本: フジノサツコ
美術: 堀尾幸男
出演: 内野聖陽  秋山菜津子  平岳大  山本亨  
大鷹明良  木下浩之  有薗芳記  木村靖司  
谷山知宏  花王おさむ  小野武彦 ほか

2015年7月2日(木) 4:30pm 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール 
1階G列(3列目)センター



手にしていたチケットはG列だったのですが、劇場に入ると前4列つぶしてあって3列目。
兵芸中ホールは元々F列から段差がついていて見やすいのでセンターブロックで観る場合、このあたりの席を狙って取ることが多いのですが、その段差はそのままに舞台が近くて本当に見やすくてストレスフリーでした。
その前列をつぶした部分は二幕ではあの因縁の川になっていました。


舞台美術はスタイリッシュ。
伊藤喜兵衛(小野武彦)一行が奥行きのある舞台のホリゾントから出てくるオープニングはわくわくしました。
装置はほとんど排して、舞台下手に天井からつり下げられた大きなパネルにプロジェクションマッピング、それもほぼ白黒のモノクロの世界。お岩の顔から流れる血もこのパネルに黒い液体(墨?)がたらたら。
シルエットの鼠。BGMには乙女の祈り。
オケピを川に見立てて、お岩と小平を乗せた戸板は背面から登場・・・一応 戸板返しもあり。随所に新しい試みで行こうという気概が感じられました。

そんな風に外側のハコは斬新で現代的なのですが、そこに入れる中身はあくまで歌舞伎ベースの古典という印象。
伊右衛門が蚊帳を奪ってお岩が引きずられる場面とか、お岩のお歯黒のシーンとか、歌舞伎そのままだったな。
さらには、大詰めの伊右衛門が追い詰められる場面では、梯子だの櫓だの紙吹雪だのって、まんまコクーン歌舞伎じゃない?みたいなことになって既視感アリアリ。

となると歌舞伎と同じ土俵の上に立とうとすると、やはり分が悪いです。
どんなにがんばっても歌舞伎にはかなわないよなぁ。
台詞のチカラにしても殺陣の迫力にしても、もっと言うならば着物の裾さばき一つとっても。
そこはやはり、400年脈々と受け継がれてきた伝統と修練の積み重ねというものがありますから。

上演台本について言うならば、「四谷怪談」って、お岩と伊右衛門の怨念の物語であると同時に、岩の妹・袖をめぐる直助、与茂七の因果応報の物語でもあると思うのですが、このあたりは完全にスルーされていました。
二幕でいきなりお袖と与茂七が姉の仇討ちとばかりに登場して来るのがいかにも唐突。
直助に至っては私の見落としでない限り、全く出てきませんでした。
まぁ、お岩・伊右衛門の二人だけにフォーカスして、ある意味、潔いとも言えますが。


役者さんは皆健闘。
特に秋山菜津子さんのお岩は、情念といい哀れさといいい内に秘めた激しさといい、すばらしかったです。
内野聖陽さん伊右衛門は、さすがに着物も着慣れていて動きも鋭く殺陣もお上手。
ただ、それほど酷薄というか色悪な感じを受けなかったのは、私の受け取り方かな?
有薗芳記さんのお梅ちゃんが顔はまぁアレだけど(笑)、大真面目に演じていてしかも可愛くて儲けものでした。
小仏小平が花組芝居の谷山知宏くんで、さすがに台詞も動きも達者さが際立っていました。


yotsuya1.jpg「ボクの四谷怪談」の時にも感じたことですが、「四谷怪談」って、オーソドックスではない脚本や演出で上演してオリジナリティを出そうとするとかなり手強い戯曲なのだなと改めて思いました






乙女の祈りを聴くとピアノのレッスン思い出しちゃうよね~ の地獄度 ふらふら (total 1403 わーい(嬉しい顔) vs 1404 ふらふら)
posted by スキップ at 23:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ミュージカル | 更新情報をチェックする
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