2015年07月10日

ピュアラブストーリー? 「不倫探偵 ~最期の過ち~」

furin.jpg松尾スズキさんが大人計画以外の演劇人と組むユニット「日本総合悲劇協会」 略してニッソーヒ。
なーんと11年ぶりの公演なのだそうです。
第5弾は漫画家の天久聖一さんと共同で、原作・脚本・演出を担当した作品。


日本総合悲劇協会 vol.5
「不倫探偵 ~最期の過ち~」
作・演出: 天久聖一  松尾スズキ
出演: 松尾スズキ   片桐はいり   二階堂ふみ  
伊勢志摩   皆川猿時  村杉蝉之介  近藤公園  平岩紙

2015年7月1日(水) 7:00pm サンケイホールブリーゼ 
1階K列センター



ある雑居ビルの一室。
探偵 罪十郎(松尾スズキ)の事務所に人妻の麻里(平岩紙)が夫の浮気調査を依頼に来ます。翌朝、隣室でその夫(近藤公園)が殺されているのが発見され、現場のトイレには拳銃を持った風俗嬢(二階堂ふみ)がいました。女刑事の赤星(片桐はいり)とともに罪が事件を追ううち、キャンディの父 喜屋武(皆川猿時)と十郎の妻 京子(伊勢志摩)、兄 鳥居仁丹(村杉蝉之介)といった人々の因縁の関係があぶり出され・・・。


例によって、タイトルとなっている不倫はもちろん、エロ、グロ、近親相姦、殺人、変態、差別用語や放送禁止用語といった禁忌オンパレード。
ギャグをまぶしながら幾重にも重ねられた因果応報が露見していく様は、河竹黙阿弥か鶴屋南北かといった趣き。
笑っても狂ってもおぞましくても、底には何とも言えない悲哀と、そんな人たちの業を冷静に見つめる理性が感じられる松尾さんの真骨頂。

しかもそこに新旧小ネタをぶっ込んできます。
あの途中の歌謡ショーの美輪明宏さん(赤井英和のことを延々と歌っていた)なんて、怒られないのか?(笑)

あははと笑ったり「およ目」となったりしながら楽しんで観ていたら、最後になって、
「あれ?これ、ラブストーリーじゃん!!」となりました。罪の父親 罪一郎に母を殺された京子を妻にした十郎。
「俺をいつでも殺せる権利をやる」と。
他の男にレイプされて子ども(キャンディ)ができ、そのレイプ犯の母親に殺された京子。

瀕死の十郎がやってきた空の上。
「あんたはまだ駄目だ」と追い返す京子。
「キャンディを育ててくれたことでチャラだ。子どもあるあるだな」
「死んだら素直になるな。ありがとう」と。

多分十郎は、罪の意識からではなくずっと京子のことを愛していて、
そんな十郎の想いに応えた京子。
とてもやさしいシーンでした。


もう一人。

十郎の刑事時代の同僚 赤星乱(通称レッド)。
いかにもオトコマエでカッコいい彼女が、最初の場面で久しぶりに十郎に会った時の言葉。
「私は元気で、独身だ」

ラスト
事件が解決して、喜屋武と獄中結婚したレッドが十郎に放った言葉は
「私は元気で、人妻だ」

これって、
人妻じゃない女に興味はない=人妻としかヤラない 十郎への究極の愛の告白ですね。
なんてピュアラブ揺れるハート なんて長い片思いなんだ、レッド。


ご自身の脚本ではほとんど脇役となる松尾さんが主役を張った演技をたっぷり楽しめたのを筆頭に、役者さんはすべて穴なし。
平岩紙ちゃんの上手さと突き抜け感、もうずっと観ていたいです(笑)。
伊勢志摩さんのキリリとした佇まい、登場した瞬間アハハと笑ってしまった人狼病喜屋武猿時のかわいらしさ、蝉之介さんの怪しさ、近藤公園さんの不思議な清潔感ある壊れっぷり。
二階堂ふみちゃんは前に観た「八犬伝」の時より力が抜けてる感じでずっとよかったです。脚がまっすぐよく上がっていましたが、バレエやってたのかな?

そしてレッドこと片桐はいりさんです。
あれを大真面目にしかもカッコよく、だけど観ているこちらはおもしろいっていう風にやってのけるはいりさん、素晴らしすぎる。



「謎は解け、秘密が残った。罪を重ねて事件に迫る不倫探偵」 のごくらく度 わーい(嬉しい顔) (total 1400 わーい(嬉しい顔) vs 1401 ふらふら)
posted by スキップ at 23:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ミュージカル | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック