2015年07月07日

人生は何度だってやり直せる 星組 「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」

catchme.jpg新生星組は北翔海莉さん主演の全国ツアー公演と紅ゆずるさん主演の別箱公演の2グループに分かれてのスタート。
どちらも観たかったのですが、大阪公演の日程が週末ダダかぶりの上に日曜日は東京へ行っちゃったのでやむなく1本しか観られず・・・ということで、こちらにしました。



宝塚歌劇星組公演
ミュージカル 「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」
原作映画: ドリームワークス
脚本: テレンス・マクナリー   
作詞・作曲: マーク・シャイマン 作詞: スコット・ウィットマン
日本語脚本・歌詞、演出: 小柳 奈穂子
出演: 紅ゆずる  綺咲愛里  七海ひろき  夏美よう  
悠真倫  如月蓮   瀬稀 ゆりと  夢妃杏瑠   瀬央ゆりあ   真彩希帆 ほか

2015年7月4日(土) 12:00pm シアター・ドラマシティ 16列センター



原作はスティーヴン・スピルバーグ監督、レオナルド・ディカプリオ &トム・ハンクスという豪華キャストで公開された2002年の映画。
その後ミュージカル化されブロードウェイでも上演されたそうですが、どちらも観ておらず。

1960年代に世界中を騒がせた実在の天才詐欺師・・・IDカードを偽造してパイロットや医者、弁護士に成りすまし、偽造小切手の詐欺で大金を手にした若き天才詐欺師フランク・アバグネイル(紅ゆずる)の生き様を、彼を追い続けるFBI捜査官 カール・ハンラティ(七海ひろき)との軽妙な駆け引きをまじえて描きます。


オープニングは空港のロビー。
今まさに高飛びしようとしていたらしきフランクをハンラテイ(客席から登場!)がピストルを片手に逮捕しようと追い詰めるところから始まります。
周りを取り囲まれてもフランクは飄々として、「なぜ僕が逮捕されるか知りたいでしょう」「ここからは、僕の物語」とTVショー仕立てで回想シーンへと入っていきます。

高校生のフランク・アバグネイル。
転校した学校で前の高校の制服を来ていたことから他の生徒に代用教員と間違われたことをきっかけに、いろいろな人間になりすまして詐欺を働く人生を送るようになります。
この詐欺の過程で、キリリとした紺の制服に身を包んだパイロットだったり、白衣のドクターだったり、紅ゆずるコスプレ祭り(笑)。
中には舞台上でナマ着替えなんかも。
それに合わせてCAだったりナースだったり、またまた星娘コスプレ祭り(笑)。
歌とダンスに彩られ、テンポがよくて笑いが散りばめられたとても楽しい舞台でした。両親が離婚してどちらについていくことも選べず家を出るフランク。
お金がないのに駅員さんから切符を手に入れる方法が落語の「時そば」みたいで笑っちゃった。

人をくったような態度で鮮やかに詐欺を重ねるフランクですが、心には孤独を抱えたナイーブな少年で、家族が元通りになることを願っています。
だけど人生はいつもハッピーという訳にはいかなくて、大好きなパパも子どもの頃思っていたようなスーパーマンではなくて。
そんなほろ苦さも見せてくれるのがこの作品がただのコメディではない所以です。
夏美ようさん演じるパパとのやり取りは、フランクが本当にパパのことが好きなんだなぁと思えて微笑ましいです。

そんなフランクの心の翳りにハンラティが気づく一幕終わりがとてもよかった。

クリスマスイブの夜、ひとりオフィスに残るハンラティのもとにかかってきた1本の電話。
「謝ろうと思って・・」というフランクとやり取りするうち、「なんで電話かけてきたのかわかったぞ。誰かと話したかったんだろう」と応えるハンラティ。
「もう切るよっ!」と言いながら、「窓の外を見て、カール」と雪が降ってきたことをはしゃいで告げるフランク。
この電話を切った後のハンラティの台詞と表情がとても印象的でした。
「・・・奴は、まだ子どもだ。子どもなんだ」

ここで二人に心の繋がりができたことがわかるので、「んな、アホな」みたいなラストも何となく許せちゃうし、よかったなぁと思えます。
「人生は何度だってやり直せる」とハンラティが逮捕されるフランクにかける言葉が温かい。
「罪を償って、出て来たらFBIに入ったらいい」「一緒に働こう」と言うハンラティに、
「そんなうまい話がある訳ない」と言いながら、
「IDカードはもらえるの?」とちょっと半べそで聞くフランク、可愛かったな。

それにしても、ディカプリオもさることながら、このハンラティ役 トム・ハンクスってすごく似合っただろうな。今度DVD借りて観てみようっと。


フランクの紅ゆずるさん。
高校生にしてはちょっとビジュアル完成されすぎとも思いましたが、時々のぞかせる無邪気な笑顔や舌っ足らずなしゃべり方などかわいらしさもたっぷり。
二番手のポジション上、vs 主役なダークな役をやることが多かったので、こんな明るくて弟キャラの紅さん、新鮮でした。
いつも大きな声でがなって一本調子で歌う、というイメージだった歌唱(ごめんなさ~い)、のびやかで抑揚もあってとてもよくなっていると思いました。たまーに音程不安定なのもご愛嬌。
コスプレはじめ衣装は本当に何でも着こなしてよくお似合いです。

ハンラティはこれが星組デビューとなった七海ひろきさん。
いつもスーツをカチッと着て眼鏡をかけて、いかにも仕事一途で融通きかなさそうなFBI捜査官。
家族が自分のもとを離れていってしまった痛みと孤独を抱えていて、だからフランクの寂しさにもちゃんと心を寄せることができる温かさがにじみ出ているハンラティ。ステキでした。
紅さんとのコンビネーションもよくて、これから楽しみ。

ハンラティの部下3人(如月蓮・瀬稀ゆりと・瀬央ゆりあ)では、新米捜査官ジョニーの瀬央ゆりあさんがもうけ役で目立っていましたが、そして実際ステキでしたが、私は如月蓮さんのトッド・ブラントンに目が釘づけ。
髭はやしていつもくわえ煙草でネクタイ緩めていて、なんかすごくいい感じに力が抜けていてくたびれたおじさんなのです。いかにもアメリカ映画に出てきそうな、賄賂とかもらってそうな(笑)ヨレッとした刑事という佇まい。
仕事にはそんなに熱心ではないけれど、ちゃんと空気は読んでいて、クリスマスにはジングルベル鼻歌で歌いながらハンラティに「手伝いましょうか?」とさり気なく助け舟出したりする・・・男っぽくて色っぽくてめちゃ好みでした。声もいつもと違う感じに聞こえたな。

ヒロイン ブレンダは綺咲愛里さん。
あまり出番がなくてお気の毒でしたが、やはり目をひく可愛らしさ。
小顔だから同じく小顔の紅さんともバランスいいです。
長いソロの曲がありましたが、歌もすごくがんばっていたと思います。

もう一人、フランクを誘惑するモデルの真彩希帆さんが一場面もらって目立っていました。
度胸満点。別場面でソロもありましたが、やはり歌うまいなぁ。


フィナーレはなかったですが、途中、紅さん中心に男役が踊る「ドント・ブレイク・ザ・ルール」のダンス、カッコよかったです。
ラスト 舞台上で斜め一直線に並んで手を上げるとこ、キマってました。

カーテンコールは紅さん独壇場。
相変わらずトーク冴えています。
「いつまでもこんな話を舞台でしていたら大休憩がどんどん短くなってしまうから・・」ですって。
何かの話の後、「ねぇ」と隣の七海さんに言って、「私、そういうの苦手なんです。振らないでください」と言われていました(笑)。



にしても梅芸地上と地下でどちらも星組って少しズラしてほしかったな のごくらく地獄度 わーい(嬉しい顔) ふらふら (total 1398 わーい(嬉しい顔) vs 1399 ふらふら)
posted by スキップ at 22:21| Comment(0) | TrackBack(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
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