2015年06月23日

市川猿之助 春秋座歌舞伎舞踊公演

shunjuen.jpg5月30日から6月24日まで、市川猿之助さん+澤瀉屋ご一門が全国をまわる特別舞踊公演は明日の浅草公会堂で千穐楽。
猿之助さんが芸術監督を務められている京都・春秋座での公演を拝見しました。


市川猿之助 春秋座歌舞伎舞踊公演
2015年6月14日(日) 12:00pm 春秋座 1階1列上手



一、歌舞伎のみかた
出演: 市川段一郎 ほか


「歌舞伎は読んで字のごとく『歌』・・音曲  『舞』・・踊り  『伎』・・技能 から成ります」
という段一郎さんの「歌舞伎のみかた」という解説からスタート。

まずは「歌」
普段は舞台下手の黒御簾の中に隠れている大太鼓を出して、風や波や雪などを音で実演。
リアルな音とは違うのですが、本当にそんなふうに聞こえてくるからおもしろいです。

次に「伎」
上手に附け打ちさんが登場して、物語のポイントとなる手ぬぐいを落とす、武士が勢いよく走り込んで来る、など段一郎さんの所作に合わせて附けの実演。

そして「舞」
「山形」「柳」「天地」などと名づけられた歌舞伎の立ち回りの型を段一郎さんと澤五郎さんとで附け打ちもまじえて実演。
段一郎さんが最後に鮮やかなトンボも切っていらっしゃいました。


いずれも知っていたり、これまでに歌舞伎のイベントで観たことがあったりするものばかりでしたが、何度観ても楽しいです。
この後の演目解説もしてくださって、明るくテキパキとした司会の段一郎さんは、会話の中で時折懐から売り物の筋書や団扇などを取り出したりして物販にも精を出し、なかなか優秀な営業マンっぷりでした。二、猿翁十種の内  独楽
出演: 市川猿之助


「猿翁十種」とは、段一郎さんによると、現猿翁のお祖父様である初代猿翁(二代目 市川猿之助)さんが得意とした舞踊劇十番を、現猿翁(三代目 猿之助)さんが撰じた澤瀉屋さんの家の芸なのだとか。
飛梅伝説で有名な菅原道真公が太宰府で梅の木から独楽を作ったというお話も披露してくださって、今年2月に太宰府で飛梅を見たこともあって、一層興味が深まりました。

舞台は浅草・浅草寺。
独楽売萬作が独楽の由来を語りながら曲芸を披露し、次第に萬作自身が独楽となり、刃渡りや百廻りを軽やかに見せていきます。

明るい場面、彩り鮮やかな衣装。
重力なんてカンケーないよ、といった観の猿之助さんの踊り。
楽しい舞台でした。

大きな独楽を使って、番傘のふちを独楽がツーッと伝って行ったり、扇子を渡ったり、楽しい独楽の曲芸を繰り出すうちに本人が独楽になるという演出。

この独楽になる過程がねー。
今回最前列でとてもよく見えたこともあったのですが、
猿之助さんが真ん中で踊っていて片脚を上げたところへ、後ろから足の下に手を入れて袖から出ている仮縫いの糸を素早くシュッと引き抜く後見さん。
それを左右2回。
その動作がなければ糸が出ていることにも気づかないくらいだったのですが、「後見さんの手が猿之助さんの足に当たっちゃったりしないの?!」とドキドキしたものの、もちろんそんなことはなく、猿之助さんは後見さんがついていることなど全く意識にないかのような一連の動き。本当に鮮やか。
段一郎さんのオススメに反して(笑)、筋書を買わなかったので後見さんのお名前がわからないのですが、その息の合い方、すばらしかったです。

そうして衣装を引き抜いて自身が独楽になって廻り、最後は舞台一面の大太刀の刃渡りと百廻り。最後までお楽しみたっぷりな舞踊でした。

それにしても猿之助さんの舞踊は軽やかでしなやか。
指先、足の先まで表情豊かでどれだけ観ていても飽きることがないです。


三、双面水照月 (ふたおもてみずにてるつき)
出演: 市川猿之助  市川門之助  市川笑三郎  市川笑也


「隅田川続俤」 つまり「法界坊」の大切り 終幕にあたる舞踊。
永楽屋の娘・お組(笑也)に恋慕しながら殺された堕落坊主・法界坊の霊魂と、お組と恋仲である松若丸門之助)への執念を残しながら法界坊に殺された野分姫の霊魂が合体し、お組そっくりの姿となって、松若丸とお組の前に現れて・・・。


「法界坊」なので、勘三郎さんはもちろん、吉右衛門さんも、染五郎さんでも観たことがあります。
意外なことに猿之助さんは今回が初役なのだそうです。

姿は可憐なお組ですが実は心に怨念を抱えた野分姫で、さらに中には醜悪な破戒僧である法界坊もいて、それらの人格が入れ替わり顔を出す、って、いかにも猿之助さんが得意そうです。
そして期待通り鮮やか。とても見応えありました。

お組さんから怨念を持つ野分姫、さらには法界坊へと変わった時、もちろん衣装や見た目はそのままなのですが、表情や声色はもちろん、手の動きや肩、体つきまで違って見えます。
それが本当に瞬時にくるりくるりと入れ替わるのですから。

艶やかさと激しさと情念と怨念と。
迫力という言葉では言い表すことのできない凄味を感じました。
それに、リアルお組さんをいたぶるところなんて、猿之助さんのSっ気炸裂で気持ちよさそうなんですけど(笑)。

IMG_1546.jpgいつか本舞台で猿之助さんが演じる「法界坊」も観たいと思いました。





それにしても春秋座最前列 舞台近過ぎでしょ のごくらく地獄度 わーい(嬉しい顔) ふらふら (total 1392 わーい(嬉しい顔) vs 1393 ふらふら)
posted by スキップ at 23:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 歌舞伎・伝統芸能 | 更新情報をチェックする
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