2015年05月21日

世界はあんたのもの 雪組 「アル・カポネ」

alcapone.jpg各組二番手の中で、人気、実力ともにトップスターに最も近い(のではないかな)と目される一人。
望海風斗さんの初東上つき外箱主演公演。

禁酒法時代のアメリカの伝説のギャング アル・カポネの生き様を演じます。


宝塚歌劇雪組公演
「アル・カポネ —スカーフェイスに秘められた真実—」
作・演出: 原田諒
出演: 望海風斗  大湖せしる  舞咲りん  香綾しずる  真那春人  久城あす  月城かなと  永久輝せあ/
夏美よう ほか  

2015年5月14日(木) 4:00pm シアター・ドラマシティ 12列センター



ロビーには酒樽のオブジェ。
舞台の上にも巨大な酒樽が4つ林立していて、禁酒法の香りプンプン(笑)。
この酒樽はくるりと回転するとパカッと開いて部屋になったりするところが「シェルブールの雨傘」に似てるなぁと思って、幕間に確認したら美術はやはり松井るみさんでした。


IMG_5802.jpg


冒頭はとある刑務所。
目隠しをされ連れて来られた脚本家のベン・ヘクト。
迎えたのはこの刑務所に収監されているアル・カポネ。
カポネがベンに脚本とは違う「真実のカポネ」を語る形で物語は始まります。次の場面では、アル・カポネはマンハッタンに憧れる若いイタリア移民の青年。
望海さん、ここの変わり身が実に鮮やかでした。
ついさっきまでの、刑務所の中ですら自分の邸宅のようにふるまう得体の知れない大物マフィア感たっぷりの人物が、正義感と義憤にあふれる熱い好青年に。


物語は、このアル・カポネ青年が、その有名な顔の傷・スカーフェイスができたいきさつから、自分が望んだという訳ではないままギャングの道に足を踏み入れ、才覚を発揮してのし上がって組織に君臨し、やがて裏切られて捕らえられるまでを描いています。


アル・カポネといえば「マフィア近代化の父」(笑)。
シカゴの高級ホテル・レキシントンホテルに住んで、密造酒製造や販売、売春、賭博などで組織を拡大するとともに、鉄の掟で組織を守った非情のギャングというイメージ。
多分、私のこのイメージは、映画「アンタッチャブル」でロバート・デ・ニーロが演じた役によるところが大です。
あのみんなで食事のテーブル囲んでいる時に、笑いながらいきなり失敗した部下をバットで撲殺するシーン、怖かったなぁ。


この物語で描かれるアル・カポネは、警察権力と癒着し、違法なビジネスで勢力を拡大する一方で、妻を愛し息子を愛し、族を愛する良き夫、恐慌の時には財を投げ打って飢えた人たちを救済しようとする人間的な人物です。
ノンフィクションではないので、ドラマとしての脚色でヒーローぶりが上がるのはもちろんアリですが、その分、伝説のマフィアとしての凄みは若干薄めかなぁ。
あと、「アル・カポネは僕の親友だっ!」とエリオット・ネスが言い放つほどの友情が二人の間に描かれいていたかな~、とか、
まぁ、脚本にはいろいろツッコミどころもあるのですが、全体としてはおもしろく拝見しました。


alcapone1.jpgアル・カポネを演じた望海風斗さんは歌唱力に定評がある男役さんですが、お芝居も上手いなぁと改めて思いました。
いかにもマフィアといった感じのピンストライプのスーツの着こなしっぷりといったら!
(ちなみに私は、ポスターより先行画像のこちらのスーツ&ポーズ推し)

一人で立ってドラマシティの舞台が小さく感じるほど、空間を支配する力、存在感も完成度も際立っています。
裁判シーンの狂気とも思える演技のパワーに引きこまれ、シカゴを去るラストシーンの切なさに胸が詰まるようでした。



望海さんがカポネを実に魅力的な「人間」として演じているので、逮捕され、シカゴを出ていかなければならない彼に、ベン・ヘクトが「こうして悪はほろびた」から The World is Yours (世界はあんたのもの)と脚本を書き換えたことも、エリオット・ネスがわざわざそのことをカポネに告げることも、とても納得できました。

エリオット・ネスの月城かなとさんとベン・ヘクトの永久輝せあさんは、最終的にアル・カポネに心を寄せる人物を二人で分け合って演じたような印象ですが、どちらもステキでした。
二人ともそれぞれソロがあって、やはり劇団が期待を寄せる若手スターという感じ。
二人ともビジュアルよし歌唱よし演技よしで、これからも目が離せません。

一幕と二幕で役が変わる人が多い中、アルの家族の他にもう一人 通し役 ジャック・マクガーンの真那春人さんもよかったな。
カポネに心酔して子分になることを志願しながら相手にもされなかった少年から、カポネの片腕のギャングへと変貌する姿をきっちり見せてくれました。

大湖せしるさんのメアリーは「美貌の」という形容詞がぴったりくる美しい女性で、アルのよき奥様でした。金髪もあの時代の髪型もよく似あっていて。
男のドラマだけにメアリー以外の娘役さんにあまり活躍の場がなかったのは残念だったかな。


IMG_3603.jpgフィナーレのシカゴ・ナンバーも楽しかったです。
♪シカ~ゴ シカ~ゴ はじめ知ってる曲のオンパレードだったので、やはりこの時代は宝塚のみならず映画でもよく採り上げられるんだなぁと思いました。



土日全部外れて取れたのこの日だけだったので会社早退して観に行ったのだけど、「キューピーストラップつき」公演でした のごくらく地獄度 わーい(嬉しい顔) ふらふら (total 1372 わーい(嬉しい顔) vs 1375 ふらふら)
posted by スキップ at 22:57| Comment(0) | TrackBack(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
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