2015年01月04日

ビター&スウィート・ラスト・メモリー 「ア・ラ・カルト アンコール!」

alacarteA.jpg2008年の20周年まで、その年のエンタメ納めはいつも「ア・ラ・カルト」でした。
ずっとそれが続くと思っていたのに、それが突然閉店しちゃって、2012年にはリニューアルオープンした「ア・ラ・カルト2」を観ましたが、それはもうあの頃の「ア・ラ・カルト」とは違っていて・・・。

そして昨年の25周年で本当に幕を下ろした「ア・ラ・カルト」が、青山円形劇場のラストとして最後にもう1度だけ復活。しかもずっと大阪公演をやっていた近鉄アート館でということなら、観に行かない訳にはまりません。


青山円形劇場プロデュース 
「ア・ラ・カルト アンコール」~役者と音楽家のいるレストラン
台本: 高泉淳子
演出: 吉澤耕一  
音楽監督: 中西俊博
役者: 高泉淳子  山本光洋  本多愛也  中山祐一朗
音楽家: 中西俊博(violin)  クリス・シルバースタイン(bass)  竹中俊二(guitar)  林正樹(piano)
ゲスト: 陰山泰  ROLLY

2014年12月30日(火) 1:00pm 近鉄アート館 B4列センター



フライヤーには、「ありがとう 円形劇場 感謝を込めてレストラン a la carteの懐かしい(ヴィンテージ)メニューをお届けします」と書いてあって、アンコールと銘打っている通り、25年間の総集編のようなメニューでした。
青山円形劇場とともに歩んだ「ア・ラ・カルト」25年間の、甘くてほろ苦いラスト・メモリー。

Openでギャルソンに扮した高泉淳子さんがこの「アンコール」上演することになったいきさつを語り、「ア・ラ・カルト 25年の間にはいろんなことがありました」と「今日は懐かしい曲もやりますが、『あの頃は私まだ独身だったのに今は夫と子供と一緒に』という方もいれば、『この年、私、彼と一緒に観に来たのよね。だけど今日は・・』」と芝居心たっぷりにおっしゃるのを聞いて、私も含めて満員の客席の一人ひとりに25年間のいろんな思いの日々があるんだなぁと胸が熱くなりました。

最後だからと買ったプログラムにはちゃんと白井晃さんのページもあって、カッコよく黒服を着こなしたレストランオーナー姿はもちろん、大女のノリコさんもショータイムのペギー富岡の写真もあって、泣きそうになりました。
私は、高泉淳子さんと白井晃さんと陰山泰さんがつくり出す「ア・ラ・カルト」の世界が本当に好きでした。OPEN 
  Avalon (2012)
  Have Some Tea ? (1997)
Aperitif
  ギムレット (2005) -クリスマスピクルスメモリー-
  Phony Phony~Jumping Joker (2011)
Hors d'oeuvre
  フランス料理とワインを嗜む会 (2014)  -閉店するって本当ですか-
  Chef's Special (2012)
Poissons et Viandes
  シングルモット愛好会 (2004) -いつかは誰かとダブルでモルト-
  lt Had To Be You (2011)
Show Time
  Buenos Aires hora (2011)
  Tico Tico (1989)
  Watermelon Man (2003)
  Ave Maria (2010)
  What About Me (2006)
  Christmas ls (2010)
  Libertango (2005)
Vin
  マダムの予約席 (since1989) -おしゃべりなレストラン-
  How High The Moon (2011)
Dessert
  ジューアラクレーム&プリンアラモード (2010) -幸福の食卓-
  lsn't lt Romantic ? (2010)
Digestif
  キャロル (2014) アラカルト・スウィート・メニュー-
  lf Dreams Come True (2010)



「ギムレット」で「アンゴスチュラ・ビターズ」が出てきた時、「そうそう、この名前も『ア・ラ・カルト』で知ったんだった」と懐かしい気持ちに。
こんなふうにお酒ばかりでなく、それにまつわるいろんなことも学びました。
今回の「パールオニオン」もそうだな。


「フランス料理とワインを嗜む会」でタカハシくんがレストランの立ち退きによる閉店を「更地にしてどうするんだ!」と毎年変わらないことを楽しみにしていた場所がなくなってしまうことを嘆いて一説ぶつ場面(だんだんコーフンしてあの号泣某みたいになってた)は、そのまんま青山円形劇場の閉鎖を嘆いているんだろうなと感じられました。

レストランの移転場所として埼玉は?となった時、「埼玉で蜷川の芝居観た後、何か食べに行こうって気にならないだろ、芝居が長過ぎて」 も言ってました。
怒られないのか(笑)。

それにしても高泉淳子さんは相変わらず変幻自在。


「シングルモット愛好会」では陰山泰さんがギャルソンとして登場。
6年ぶりだというのに少しも変わらない佇まいでそこにいらして。
ROLLY扮する告白できないちょっと弱気なサラリーマン奥寺くんとその気持ちに気づかない高泉淳子さんに絶妙な間でからむ陰山さんギャルソン。
(カテコの時、「全然思うとおりにできなかった」とおっしゃっていましたがわーい(嬉しい顔)

陰山さんといえばShow Timeですいかの衣装着たセルジオに扮してWatermelon Man 歌った時には客席湧いたなぁ。まさかまたセルジオの歌声が聴けるなんて。
高泉さん山田のぼるくんの Tico Tico は相変わらずキュートだし、
ROLLYのギター演奏つき Ave Maria もすばらしかったです。
ミラーボールまわる中♪アーヴェ マリーーア~ と響きわたるヴォーカル。心まで清められていくよう。ほんと珠玉。

Show Time のラストはバンド演奏のみの Libertango で、これまた大好きな曲で聞き惚れていたら最後に客席後方から「ブラボー!」という声が聞こえて、「ひょえ、ブラボーおばさんか?!」と驚いて声の方を振り返ったら2階席で着物姿のマダムが拍手しながらブラボー!を繰り返していました(笑)。

で、マダムがそのままレストランに降りてきて「マダムの予約席」。
ROLLYと中西俊博さんを左右に想い出話の数々。
中西さんは「ひとり弦楽四重奏」も披露してくれました。何度聴いてもすばらしい。


ラスト。
ギャルソンたちがテーブルを片付けて、キャンドルをひとつずつ消して行く時、今回は陰山さんがいるので、あの最後のキャンドルで煙草に火をつけるシーン、やるかしらと思いましたがそれはありませんでした。
ちょっと残念な気持ちと、あれはあの頃の「ア・ラ・カルト」のものだからと何だかほっとしたような、不思議な感覚でした。


相変わらずこのレストランのお客様はみんな少し変わっていたりとぼけていたり。
でも、互いを見やる視線がとても温かい。
それはレストランのギャルソンにも、そしてバンドのメンバーにも共通していて、観ている方にもそれが伝わってとてもやさしい気持ちになります。
だからきっと、あの頃、毎年ここに帰って来たくなったのだろうなと思います。


懐かしいナンバーが並んだせいか、閉館するまでずっとここでやっていた近鉄アート館の三面客席だったためか、とてもあの頃に近い「ア・ラ・カルト」のように感じました。
その近鉄アート館が13年ぶりに復活した年に「ア・ラ・カルト」が本当にラストステージを迎えるというのも、まるで時の神様のいたずらのよう。
「これから新しく始まるという活気があっていいわね」と高泉さんマダムが何度もおっしゃっていたのが印象的でした。


大千秋楽のこの日。
カーテンコールはスタンディングオベーションとなりました。
みんな笑顔で手をふる中、高泉淳子さんは感無量の表情で目には涙が光っているようにも見えました。
でも最後には「また会いましょう!」と明るく。

本当にいつかまた、会えるといいな「ア・ラ・カルト」に。


たくさんの夢とステキな音楽をありがとう のごくらく度 わーい(嬉しい顔) (total 1305 わーい(嬉しい顔) vs 1313 ふらふら)
posted by スキップ at 16:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・ミュージカル | 更新情報をチェックする
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