2014年03月29日

親愛なるあしながおじさん 「ダディ・ロング・レッグズ」

daddy.jpg夢見る少女だった(そんな時代もあったのよ)不肖スキップの愛読書の一つ「足ながおじさん」。
もう遠い記憶の彼方の物語が、こんなに甘く切なく胸キュンの舞台となって、また目の前に現れるなんて。

A new musical romance
「ダディ・ロング・レッグズ」  足ながおじさんより
原作: ジーン・ウェブスター
音楽・作詞: ポール・ゴードン
翻訳・訳詞: 今井麻緒子
脚本・演出: ジョン・ケアード
出演: 井上芳雄/ジャーヴィス  坂本真綾/ジルーシャ

2014年3月25日(火) 6:30pm サンケイホールブリーゼ 1階H列センター


2012年の初演はスケジュールがうまく合わなくて観に行けず。
2013年の再演は大阪公演がなくて。
やっと会えた「ダディ・ロング・レッグズ」は、すばらしかったです。
とてもハートウォーミングな舞台。再々演も納得だな。きっとまた観たくなるもん。

舞台には上手下手に二つの窓。
一段高い場所に天井まで本がぎっしり詰まった大きな本棚とデスクのあるジャーヴィスの書斎。
その手前ジルーシャのいる世界。
家具などは少しありますが、大小のトランクがたくさんあって、それを積み重ねたり動かしたりして、いろんな場面を表します。
ジルーシャが大学に入ると窓が開いて白いカーテン越しに太陽の光が差し込み、舞台装置はそのままなのに、五月の爽やかな風が吹く緑あふれるキャンパス、夏の農園、はたまた賑やかなニューヨークの街などを二人の歌がイメージさせてくれます。

登場人物は二人だけ。
孤児であるけれど聡明で芯が強く、文章を書くのが上手なジルーシャと、「月に一度手紙を書く」ことを条件に彼女の大学進学の学費や生活費を援助するジャーヴィスが、手紙のやり取りだけで心を寄り添わせ恋に落ちる物語。
二人のやり取りだけであんなに彩り豊かな物語が紡ぎ出せるなんて。原作はジルーシャの手紙だけで綴られていますが、この作品ではジャーヴィスも舞台上にいて、彼女からの手紙を読んでそれに反応したり、時にはアクションを起こしたり。
お陰でジャーヴィスがどんな人物なのか、とか彼の心の変化が伝わってきて、このお話はジルーシャの物語であるとともにジャーヴィスの成長物語にもなっていて、ほんとに上手くできている脚本だなと思いました。

二人とも自分一人の部屋で、誰も見ていないと思っている場面ばかりなので、無防備というか、ありのままの自分をさらけ出します。それが観ていて何とも楽しい。
最初は大して興味を持っていなかったジャーヴィスが、ジルーシャのウイットに富んだ手紙を読むにつれてみるみる彼女に惹きつけられて、自分の本棚のあちこちに彼女の手紙をピンでとめていったり、病気で寝ているという手紙を読むやいなや電話をかけてお見舞いの花を届けさせたり、夏休みに行くところがないと知り、秘書のフリをして手紙を打ってかつて自分が過ごした農場を紹介してやったり、ジルーシャが他の男性と親しくなることに嫉妬して外出を禁じたり、そしてついに、“ダディ・ロング・レッグズ”とは明かさず、ジャーヴィスとして彼女の前に現れたり・・・演じる井上芳雄くんの魅力とも相まって、本当に隙だらけで(笑)可愛さ全開のジャーヴィぼっちゃま。

そんなジャーヴィスが、ジルーシャを愛しているという自分の本当の心に気づいて、そのことに苦しむ姿は、だから心が痛みます。
自分が“ダディ・ロング・レッグズ”であることを隠してきたジャーヴィス。
慈善を施した者と施された者・・・愛をお金で買うことになりはしないかと葛藤するジャーヴィス。
そのジャーヴィスが歌う♪チャリティがとても切なくて、聴いていてじんわり涙が出ました。
井上芳雄くん、すばらしいよ。
お金持ちの一族の家に生まれたけれどその生活に馴染めず、勧められた結婚もせず、親類ともあまりつき合わない孤独な青年。
ちょっぴり変わり者でプライドが高くて、だけど心は温かくて・・そんなジャーヴィスにピタリとハマっていました。机の上にその長い脚を投げ出したりしちゃって。
歌やお芝居はもちろん、相変わらず立ち姿も美しい。ジャーヴィスとしてジルーシャに膝をついて「結婚してください」とプロポーズする場面なんて、王子そのものでした。

坂本真綾さんは舞台・映像含めて初めて拝見したのですが、表情豊かで生き生き溌剌としていて、これもジルーシャにイメージぴったり。
手紙の中でいろんな人の声色をまねるのがすごくお上手だと思ったのですが、声優もされている方なのですね。
歌声ものびやかでとても聴きやすい。井上くんとのハーモニーも美しかったです。
好奇心たっぷりで勝気なジルーシャ。時にはジャーヴィスを出し抜いて自分の望む休暇を過ごしてみたり。
二人で農場の山に登って心通わせていく場面もとても印象的でした。
原作でも自分の知識不足を恥じて「若草物語」をはじめたくさんの小説を読むシーンが出てきましたが、本をどんどん読んで知的に成長していく様子をトランクから次々に本を出して舞台の縁に並べていくことで表現していたのでしょうか。


客席全体が固唾をのんで二人の恋の行く末を見守り、そのハッピーエンドに心からの温かい拍手を贈った舞台。
観終わった後、こんなに幸せな気分になれる舞台は何だか久しぶりだったな。


カーテンコールでバンドの方たちを呼び込むのにしっかり下手側を向いて両手をひらひらさせる井上芳雄くん。
坂本真綾さんに違うよ、的に教えられて慌てて下手向き直っていました。後で「クリエではこっちだったんです」と言い訳(笑)。
「大阪公演は期間も短くおまけに平日ですが、みなさん何とか有休使って・・・」ってわーい(嬉しい顔)


「この舞台を翻訳した今井麻緒子さんの新訳で、売上の一部はあしなが育英会に寄付されます」って井上くんが言うから原作本買っちゃったよ のごくらく度 わーい(嬉しい顔) (total 1154 わーい(嬉しい顔) vs 1159 ふらふら)
posted by スキップ at 22:59| Comment(2) | TrackBack(0) | 演劇・ミュージカル | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
スキップさん、こんにちは。
是非観ていただきたい舞台だったので、気に入っていただけてとても嬉しいですv
ジルーシャとジャーヴィス、二人の存在の鮮やかさ、素晴らしいですよね。
そして、ジルーシャのかっこよさと坊ちゃまの可愛らしさといったら!!(笑)
丸ごと大好きな舞台なので、次の公演も心待ちにしようと思っています。
そのときは大阪までいっちゃうかも?(笑)
そうしたら、是非ご一緒させてくださいねv
Posted by 恭穂 at 2014年03月30日 13:00
♪恭穂さま

本当に評判通り、とてもステキなミュージカルでした。
ジャーヴィスもジルーシャもとても活き活きとしていて、
それがまた二人の雰囲気にぴったりで。
楽曲もよかったですね。

私もまた再演があれば絶対観に行きたいと思います。
もし大阪でご一緒できたら、恭穂さんといっぱい語りたいです(笑)。
Posted by スキップ at 2014年03月30日 23:41
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