
宝塚歌劇専科公演 バウ・コメディ「おかしな二人」
THE ODD COUPLE(Original Version)by Neil Simon
原作: ニール・サイモン
脚色・演出: 石田昌也 翻訳: 酒井洋子
出演: 轟悠 未沙のえる 美稀千種 碧海りま 如月蓮 天寿光希 妃白ゆあ 夢妃杏瑠
2011年9月17日(土) 11:00am バウホール 1列センター
ニール・サイモンの人気戯曲で、これまでにも何度か観たことがありますが、一番印象に残っているのは、2002年、「男編」「女編」とキャストを分けて交互上演されたシス・カンパニーの舞台(演出: 鈴木裕美)です。だらしないオスカーと几帳面なフィリックス(女編はオリーブとフローレンス)をそれぞれ、段田安則/陣内孝則、小林聡美/小泉今日子が演じるという豪華リレーでした。妻と離婚したずぼらでいい加減な性格のスポーツライター・オスカー(轟悠)と、妻に逃げられてオスカーの部屋に転がり込んできた几帳面で潔癖症のフィリックス(未沙のえる)が巻き起こす騒動を描いたコメディ。
ニューヨークのアパートが舞台ということで、ニューヨークにちなんだ曲が軽快に流れます。
1幕 30分 ・ 2幕 35分 ・3幕 40分 の間に15分ずつ休憩があって、かなりコマ切れな印象でしたがテンポよく進んでいきました。
宝塚とはいえ、今回はストレートプレイ。登場人物は8人で、舞台はオスカーのアパートの1室のみ。歌も踊りも、ラブロマンスもないけれど、主役の専科のお二人の丁々発止の台詞の応酬が小気味よく、真っ向勝負のお芝居です。脇を固める星組の若いスターさん達の頑張りもあり、笑って笑って、人が人を思う気持ちにホロリとさせられ、最後は華やかなショーで締める、とても後味のよい舞台でした。
実はこれが初・轟さん。
いや~、これぞ、ザ・男役、という魅力にヤラレました。
カジュアルなスタイルでキャップかぶっての登場でしたが、2幕でのスーツの着こなしのカッコよさ、やはりハンパないです。ピジョン姉妹(妃白ゆあ・夢妃杏瑠)を部屋へ招くためにスーツを着るシーン。セリフを話しながら、ネクタイを締めてジャケットを着て、ってさりげない動きがとてもキマッていてほんとにカッコよかったです。いなくなったフィリックスを探して仲間たちと客席通路を駆け抜けて舞台に戻り、ゼイゼイ言いながら、「歌もダンスもないのになんでこんなに疲れんだよ」には笑っちゃいました。
一転してフィナーレでは、客席降りして「Lullaby of Broadway」、そして星組男役メンバーと「New York New York」を歌い踊る轟さん。カッコいい



一方の未沙のえるさんは名バイプレイヤーとしてこれまで数々の本公演の舞台で観てきました。オスカーや、その周りのポーカー仲間たちとはどう見ても同世代には見えませんでしたが(笑)、さすがに達者な演技で本人は真剣なのに言葉を発するだけでおかしさがこみ上げて来る感じ。
フィナーレで、白いおたまのマイク(ピンクのリボンつき)を持って「マイウェイ」をソロで熱唱。
♪私には愛する歌があるから~ のところを 愛する舞台があるから~と歌詞を置き換えて歌い、最後は百恵ちゃんの引退コンサートの時のように舞台上に白いマイク(おたまだけど)をそっと置いて舞台から去っていく・・・って、あれ?未沙さん、退団?とウルウルしながら思ったのですが、この公演終了後に、次の星組公演「オーシャンズ11」千秋楽をもって退団されることが正式に発表されました

そのフィナーレで全員並んだ時、「ランスロット」」で俄然注目した天寿光希さんが目の前。そちらに向かって手を振ったら緞帳下りる直前に気づいて手を振り返してくれて

ピジョン姉妹の「ポッポ~」が耳について離れなーい のごくらく地獄度



