2011年09月07日

極付! 松嶋屋型「いがみの権太」

gonta.jpg台風12号の影響で当日まで公演が開催されるのかやきもきしましたが、無事開催されて、仁左衛門さんのナマ脚をかぶりつきで堪能。

平成23年度公文協松竹大歌舞伎西コース
一、雨の五郎
二、義経千本桜
  下市村茶店の場
  同  釣瓶鮓屋の場


出演: 片岡仁左衛門  片岡秀太郎  片岡孝太郎  
    片岡愛之助  坂東竹三郎  坂東彌十郎  
    坂東竹三郎  坂東薪車 ほか          

2011年9月3日(土) 5:30pm 岸和田市立浪切ホール 1階1列センター


これまで何度も観てきた義経千本桜「すし屋」ですが、仁左衛門さんの権太で観るのは初めてでした。権太こんな表情していたのか、とか、とても細やかに心の動きが感じられ、元々泣かされるお芝居ではあるのですが、こんなに泣いたのも初めてでしたたらーっ(汗)そのヒントは、制作発表記者会見の時の仁左衛門さんのこの発言にあるようです。

「義経千本桜 茶店 すし屋」は私独自の台本になります。今の時代、何を訴えるかを絞ってお伝えしないと、なかなかお客様の気持ちを掴まえることが出来ません。ですから、物語を権太一人に絞り、権太の愛情を強調しています。権太には様々な愛があります。親を慕う気持ち、自分の家族への愛、そして主人への忠節、このお芝居はそのバランスが良く描かれています。権太の愛情を強調する事で、最後に起こる悲劇がさらに際立ってくるのではないでしょうか。ほんとうにそう。
今回は、権太の心情が痛いくらいに伝わってきました。舞台から近かったこともあって、その表情の一つひとつ、目の動きまで細やかに演じられた権太から目が離せませんでした。
仁左衛門さんの権太は、上方言葉も板についていて(当たり前だけど)、強請りたかりをしても悪態をついてもどことなく愛嬌があって憎めない。姿形のよさは言わずもがなですが、品もあって裕福な商家の出という育ちの良さが感じられます。
口では憎たらしいことを言っても心の底では妻の小さんのことを愛しているのが感じられるし、息子の善太郎にはほんとにメロメロっていうくらい愛情を注いでいるのがよくわかります。権太が善太郎に見せる何とも愛情あふれた表情を見ていて、あぁ、ボタンの掛け違えさえなければこの家族は笑ったり泣いたりケンカしたりしながら、市井の片隅で仲良く暮らしていったのだろうなぁと思うと本当に切なくなりました。この善太郎との場面があるので、後の「すし屋」での悲劇がより一層際立ちます。
あんなに可愛がっていたわが子を犠牲にするのってどんな思いだったでしょう。若葉の内侍と六代に見立てた妻と子に「面ぁ あげんかいっ!」と足で引っ立てる時に一瞬躊躇して意を決したようにするところとか、「煙が目にしみらぁ」と言って涙をごまかすところとか、引っ立てられる二人を見ていられなくて羽織を頭からかぶってしまうところとか、そしてもちろん、引っ立てられていく小さんと視線を交わすところとか・・・もう切なすぎて涙ナミダたらーっ(汗)

身代わりとなった後の小さんは別の役者さんがやることが多いように思いますが、茶店の時と同じ秀太郎さんがやっていらっしゃるのもとてもよかったです。(どことなく浮世離れした雰囲気の維盛もよかったです。)
権太の実家ファミリーもみなすばらしくて、竹三郎さんのお米さんは、口では厳格なこと言っても旦那様に隠れて息子には甘いとこ見せちゃう、って今の時代にも通じる等身大のお母様ぶりが微笑ましい。(←このお母さんを騙すために花瓶の水を目につけてうそ泣きする仁左衛門さん権太。お茶目でしたわーい(嬉しい顔)
孝太郎さんお里ちゃんの「びびびびび~」もカワイかったし、彌十郎さん弥左衛門の、「三千世界に子を殺すのは俺ばかり」なんて、もう泣けと言わんばかり。
もし、弥左衛門が権太を刺さなかったら、権太はこの後どうしただろうという考えがふと胸をよぎりました。
小さんと善太郎の霊を弔い、二人の代わりに内侍と六代を陰ながら見守って生きていくのかな。それとも、やはり二人の後を追ってしまうのでしょうか。

茶店で「もっとええもん買うたる」と言って善太郎から取り上げた笛の袋をいつも腰にぶらさげていて、断末魔でその笛を取り出して息絶えだえに吹く権太。苦しそうな権太の表情が涙の向こうにかすんで見えましたたらーっ(汗)


位置情報この日の終演後は、日頃からTwitterで交流させていただいている皆さまとオフ会。東京から福岡から名古屋から神戸から大阪から・・・新歌舞伎座で勘三郎さんの舞台をご覧になった方、ピロティホールで亀治郎さんの朗読をお聴きになった方、そして岸和田で仁左衛門さんの権太を楽しんだ私たち。台風の状況次第でどうなるかわからず、当日うまく行けば、という感じだったのですが、8人も集まってにぎやかに楽しい夜を過ごしました。皆さまありがとうございましたムード

位置情報その集まりに向かうため岸和田から乗車した南海電車の特急サザン。ふと前を見れば片岡松之助さん。早っ目 なんばまで、向い合わせでご一緒しましたるんるん




愛之助さんの雨の五郎も小金吾もステキでした のごくらく度 わーい(嬉しい顔) (total 823 わーい(嬉しい顔) vs 823 ふらふら)
posted by スキップ at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 歌舞伎・伝統芸能 | 更新情報をチェックする
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