2011年08月29日

みりおが怒るのも無理はない-「アルジェの男」

arje.jpg午後からは大劇場に移動して月組公演を観劇。

宝塚歌劇月組公演
ミュージカル・ロマン「アルジェの男」
作: 柴田侑宏    演出: 大野拓史
ショー・スペクタル「Dance Romanesque」
作・演出: 中村暁

出演: 霧矢大夢   蒼乃夕妃   越乃リュウ  龍真咲  
明日海りお  花瀬みずか  彩星りおん  花陽みら ほか

2011年8月27日(土) 3:00pm  宝塚大劇場  
1階9列センター


「アルジェの男」はスタンダールの「赤と黒」をベースに、1974年に鳳蘭主演、1983年には峰さを理主演で上演された作品の再演。
第2次世界大戦前のフランス領アルジェリアの首都アルジェとパリを舞台に、野望に満ち、自分に心を寄せる女性を利用してまで成功への道を駈け上がろうとする青年と、その彼に心惹かれ、悲しい運命を辿ることになる三人の女性たち-青春の光と影、喜びと憂いを描いた作品です。オープニングはアルジェの下町。
ウエストサイド物語を思わせるような街の不良たちのダンスがまずカッコいい。群舞好きの私としてはかなりツボでした。
仲間のジャック(龍真咲)と賭けをして、総督(越乃リュウ)の財布をすろうとしたジュリアン(霧矢大夢)が、総督に見込まれて運転手として雇われ、やがてパリに同行して秘書官となっていきますが、このあたりは、ジュリアンが野心を持ってのし上がっていく、というより、ジュリアンの才覚を見抜いた総督の度量の大きさの方が印象に残ります。実際、越乃組長、スラリと背も高くてカッコいいし。それと、総督夫人(花瀬みずか)のいかにもお育ちがよさそうな鷹揚な雰囲気と上品な美しさもマルひらめきジュリアンのことを「スリさん、スリさん」と屈託なく呼ぶところ、ちょっと「めぐり会いは再び」のシルヴィアのお姉様・アルビレオ(妃咲せあら)思い出しちゃった。
「あんたのかみさん、少し頭がおかしいんじゃないのか?」というジュリアンに、「お前にはあれの良さはわからんよ」と受け流す総督、ステキでした~ムード

霧矢大夢さんの持ち味がそうさせるのか、今回の演出がそうなのか、ジュリアンは女を踏み台にしてのし上がっていく、というより、もちろん上昇志向はあるけれど、誰からも慕われ、あちこちの女の人にもモテて、結果として裏切ることになってしまうように見えました。サビーヌ(蒼乃夕妃)がジャックを殺してしまった後、「自分は大切なものを見失っていた」と本当の自分を取り戻し、すべてを投げ打ってサビーヌとの逃避行を選ぶあたりも。それにしても霧矢さん、お芝居も歌唱もダンスもハイレベルに安定。本当に安心して観ていられます(ほめてます)。

ジャックの龍真咲さんは、観ていて「ほんっと、ヤな奴!」って思えるし凄みもあってよかったですが、明日海りおさんとのバランス上か、このところこういったダークな役ばかりが続いている印象です。底抜けに明るかったり、気弱だったりするまさおクンも観てみたい。
一方の明日海りおさん(アンリ・クローデル)は、軍服もその後のスーツ姿も凛としていて、ひたすらアナ・ベルを思い、ジュリアンに惹かれていくアナ・ベルをそっと見守る憂いを帯びた表情もステキでした。ずっと物静かで穏やかだけに最後に銃を構えるキリリとした怒りに燃える瞳も際立ちます。それにしてもみりおちゃんは華がある。美しいのはもちろん、ショーでもどこにいても目立つ際立った華やかさとオーラぴかぴか(新しい)。輝いていました。

そしてジュリアンを取り巻く3人の女性・・・踊り子 サビーヌ(蒼乃夕妃)、総督の娘 エリザベート(彩星りおん)、盲目のアナ・ベル(花陽みら)はいずれも好演。月組の娘役さんのことあまり知らなかったのですが、レベル高~い。
蒼乃夕妃さんの腹筋が話題になっている酒場の踊りの場面は妖艶でカッコよくて見ごたえたっぷりでした。アナ・ベルがピアノで奏でる曲、ジュリアンに裏切られた後に歌う曲はドビュッシーの「月の光」でしたが、美しい旋律が耳に残ります。

娘役レベル高っと書きましたが、男役も皆さんキレイでシャープなダンスもよく揃っていて、パリでジャックの仲間たちが色とりどりのスーツに身を包んで銀橋で歌うシーンなんてワクワクしちゃいました。ほんとにレベル高い。これは先にバウホールで「ランスロット」を観たこともあるのですが、組の違いや作品がどうとかより、やはり宝塚大劇場本公演は質・量ともに層が厚くハイレベルなんだなと思い知りました。

ジュリアンのためにジャックを殺してしまうサビーヌ。
ジュリアンに失恋したアナ・ベルが自殺し、アナ・ベルを思うアンリの銃弾に倒れるジュリアン。
サビーヌと二人、新しい道を歩もうとしていた矢先に突然終焉を迎える人生。
終盤怒涛の急展開に、「そら、みりお(明日海りお)が怒るのも無理ないけど~」と同行の友人と顔を見合わせたのでした。


IMG_4864.jpg

ショーでまさみり先頭に客席降りあったけど早い段階過ぎて不完全燃焼。「ノートルダム・ド・パリ」と「月色男子」がお気に入り のごくらく地獄度 わーい(嬉しい顔) ふらふら (total 818 わーい(嬉しい顔) vs 820 ふらふら)
posted by スキップ at 23:48| Comment(2) | TrackBack(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
スキップさま
みりおさん、そんなええお役やったんや。ツレに見よと言うたんですが、熱そうなんで涼しそうな方にしとくと、ランスロだけの観劇となりました。
霧矢さんのグランジュテや6時のポーズなんか、見たかったです。
Posted by とみ(風知草) at 2011年08月30日 14:06
♪とみさま

みりおさんが今回おやりになったアンリは初演より書き加えられて
より重要な役になったのだとか。
出番はそんなに多くありませんが、とても印象的な役でした。
もちろんご本人もステキでした。

霧矢さんはお芝居でもショーでも自由自在。
ほんとにハズレのないスターさんです。
ショーでおやりになったノートルダムの背むし男は、そのまま
お芝居の演目としてもイケそうでした。
Posted by スキップ at 2011年08月31日 00:59
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