2011年07月17日

そんな一瞬なら生きるに値する 花組 「ファントム」


phantom.jpg大沢たかお版初演は観たのですが、宝塚で3度目の上演となる「ファントム」。今回初見でした。


宝塚歌劇花組公演 「ファントム」
原作: Gaston Leroux
脚本: Arthur Kopit
作詞・作曲: Maury Yeston
潤色・演出: 中村一徳  
翻訳: 青鹿宏二
出演: 蘭寿とむ  蘭乃はな  壮一帆  愛音羽麗  
夏美よう  桜一花  華形ひかる  朝夏まなと ほか

2011年7月9日(土) 3:00pm  宝塚大劇場 1階10列センター



ブロードウェイミュージカルで有名なアンドリュー・ロイド・ウェバー版「オペラ座の怪人」とは別の観点から、よりファントムの人間性に焦点をおいた作品。
花組新トップスター蘭寿とむのお披露目公演ともなりました。


美しい旋律の数々、無数の蜀台の灯りの中に浮かび上がるオペラ座の地下をはじめ、舞台装置がとても豪華で美しく、衣装もステキ。エリックが従者率いて踊るオープニングのダンスはめちゃカッコいいし、劇中劇やリハーサルのシーンもあって、エリックがリハーサルに突然現れて去って行く場面ではストーンとびっくりするくらいの速さでセリが下がるし(ナナメに下がる場面もあった)、見どころももいっぱいで、美しく楽しい舞台でした。

蘭寿さんのエリックは、クリスティーヌに「僕は・・・」という口調がとてもやさしくて、とても繊細でナイーブな面がより強く感じられるファントムでした。
2幕の始めにキャリエールの回想シーンがあるのですが、エリックがすごくママに愛されていたことがわかって、だから、ママと同じ声を持つクリスティーヌの愛を求めたのだな、ということもより強く感じられて切なかったです。エリックは決して「氷の心を持った狂気の怪人」などではなかったのだと。
「仮面を取って顔を見せて」と言いながら、恐怖で逃げ去ってしまったクリスティーヌのことを、「彼女は悪くない」「僕の方こそ彼女を怖がらせてしまって申し訳なかった」と言う強さと切なさ。その一方で、「彼女は僕の顔を見たんだ。だから彼女は僕のものだ!」っていう叫びも哀しい。


そのエリックを包み込むキャリエールの壮一帆さんがすばらしかったです。
ビストロで、クリスティーヌが皆の前で初めて歌う時、それを聴いているキャリエールの表情がとてもやさしくて、「ああ、この人もクリスティーヌの声に自分の愛した人の面影を感じたのだなぁ」ということがすごく感じられました。
それまでわりと平気で観ていたのですが、2幕銀橋でエリックと歌う「You Are My Own」で一気に落涙たらーっ(汗)
エリックはキャリエールが父であることを感じていたのではないかと思いますが、自分を受け止め愛してくれる人とやっと名乗り合えたエリックがとてもとても安堵したような、少し甘えんぼの顔をしていて、そのエリックを温かく大きく、包容力に溢れた渾身の絶唱で迎え入れるキャリエール。

「一瞬でも愛してもらえたなら。それも悪くないな。そんな一瞬なら生きるに値する」とエリック。
♪いつか僕をあなたの手で 安らかに眠らせてほしい と歌うエリック。
♪エリック お前は愛おしい息子だ とキャリエールが応えた後、抱擁をかわす二人が涙でかすんでよく見えませんでした。

捕えられ、「約束しただろ?」とキャリエールに促すエリック。
断腸の思いで引金を引くキャリエール。
数々の苦しみからやっと解き放たれて、穏やかな顔で召されていくエリック。
エリックの仮面を取って、そっとキスするクリスティーヌ。
クリスティーヌの腕の中で、幸せそうな、安らかな表情で最期の時を迎えるエリック。
あの父と息子の場面があったから、最後にエリックが死ぬ場面が、哀みの中にも穏やかなシーンになったように思いますたらーっ(汗)たらーっ(汗)

クリスティーヌの蘭乃はなちゃんは、可憐さ、かわいらしさは雰囲気ぴったり。蘭寿さんとのバランスもいい・・・けど、「天使の声を持つ」にはやはり歌がキビシイ。がんばって!
カルロッタは桜一花さん。すごく作り込んで気合い入れてやってます!という印象。幕間にも「あの悪役の女役の人、うまいね~」という声が聞こえてきました。
少年エリックを演じた実咲凛音ちゃんは新人公演でクリスティーヌを演じた期待の娘役さん。
可憐な容姿で歌もお上手。これからも楽しみです。


IMG_4693.jpg


今回、シャンドン伯爵、アラン・ショレ、セルジョの3人が役替りで、私が観た日は、
シャンドン: 朝夏まなと  
ショレ: 愛音羽麗  
セルジョ: 華形ひかる の配役でした。
シャンドンよりショレの方が目立っていい役に見えたのは愛音さんのチカラのなせるワザでしょうか。




それにしてもクリスティーヌ。大沢たかお版を観た時も思ったけど、自分で「見せて」と言っておいてあの態度はないぜよ のごくらく地獄度 わーい(嬉しい顔) ふらふら (total 801 わーい(嬉しい顔) vs 805 ふらふら)

posted by スキップ at 23:05| Comment(0) | TrackBack(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする
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